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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
439.マウンテン王国の四人、王姉殿下と侯爵令嬢と騎士団長の甥と司祭の従兄弟とオレで、話をしました。オレは、三国同盟を提案しました。
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オレは、友達のことを、侮っていた。
オレの友達は、オレが自分自身の問題で足踏みしている間も、己の道を切り開いていたんだな。
オレは、友達の成長を喜ぶ側じゃなかった。
驕っていた自分が、今、猛烈に恥ずかしい。
オレの友達は、穴があったら、入りたいくらいのオレに温かい眼差しを向けてくれている。
気を取り直して。
「マウンテン王国から来てくれた用事の、本題を聞きたい。
オレが今話した話題と関係があるんだよな?」
「それでこそ、ヒサツグ。」
と騎士団長の甥イスペル・シャム。
騎士団長の甥イスペル・シャムの信頼が嬉しい。
今日まで、オレは、その信頼を裏切った対応に終始していたんだよなー。
反省して、謙虚にいくぞ。
「まず、ヒサツグにお礼を伝えよう。
ヒサツグのお陰で、愛こんにゃく家の元弟嫁という、確固たる証拠を確保した。」
と王姉殿下スナメリ様。
「証拠探しをしていた、ということは。
疑いはあっても、証拠がなかったのかな?」
「証拠の話をする前に、ヒサツグには、時系列で話を聞いてほしい。
時系列で話をする方が、説明しやすい。」
と騎士団長の甥イスペル・シャム。
「おう。聞くぞ。」
「女神様と魔王と英雄の関係に踏み込んで調べていくうちに、魔王による消失でいなくなった人の共通点を洗い出して、現地に調査しにいったんだよ。
マウンテン王国は、他の国より、魔王による消失の回数が多い。
次に、魔王による消失が起こった場合の備えが必要だから、復興の確認と消失した人の調査を同時に行った。
ぼくとイスペルが音頭を取ってね。」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。
「調査は、消失した人の記録がなくなったり、記憶が薄れる前に、だよな。
よく、調査の必要性に気づけて、動けたな。」
「俺とムールは、ヒサツグと出会う前の状態から、変わろうと決めた。
今までの俺達じゃ、一人前として、信用されない。
以前とは変わった、というところを見せないと、と俺達は考えた。
自分達がどうやって活躍して、信用を得たらいいか。
ムールと俺は、スナメリ殿下やポーリーン様に相談したり、スナメリ殿下とポーリーン様の伝手で調べたりした。」
と騎士団長の甥イスペル・シャム。
「その中で、見つけた課題だったんだよ。
手つかずで、いつか、誰かが手をつけないといけないと皆分かっているのに、いつまでたっても、手をつけられていない課題。
ぼく達にぴったりな課題だったから、ぼくとイスペルは、二人で手を挙げたんだよ。」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。
「復興の確認も、消失した人の調査も、よくまとまっていた。」
と王姉殿下スナメリ様。
「二人の復興の確認と消失した人の現地調査結果から、新しい問題が見つかりましたの。
魔王による消失でいなくなった人だけでなく、いてもおかしくない人がいなくなった事例や、いたらおかしい人がいる、という事例がいくつか確認できましたの。」
と侯爵令嬢ポーリーン・タチバナ。
「何やら犯罪の匂いがするなー。
今までは、疑いだったんだな?
どこかの国が、背後にいる事件ということで、疑っていたが、証拠はなかった。
マウンテン王国は、今回、ケレメイン大公国に来て、愛こんにゃく家の元弟嫁というドリアン王国の副業スパイを手に入れたんだなー。
手口が解明しそうだなー。」
「わたくしも、ヒサツグと同じ感想ですの。」
と、にっこりする侯爵令嬢ポーリーン・タチバナ。
「ぼく達が来たのは、とある国絡みの犯罪について、が本題なんだよ。」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。
「マウンテン王国は、ドリアン王国からの侵略を退けるんだな?」
確認は、大事。
「勿論。ぼく達の国で、いつまでも好き勝手はさせないよ。」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。
「オレも、ケレメイン大公国に侵略者はいらない。」
オレと司祭の従兄弟ムール・ドローの視線が絡む。
他の三人は、オレ達のやりとりを見守っている。
「気が合うよね?
マウンテン王国とケレメイン大公国で、手を組もうよ?」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。
手を組むことが、マウンテン王国の本題だな。
「マウンテン王国とケレメイン大公国が手を組むところに、サーバル王国も足して、オレは、三国同盟にしたい。
サーバル王国が、ドリアン王国に蹂躙されている状態は、ケレメイン大公国にとって不利益をもたらす。」
「サーバル王国とケレメイン大公国には、どういう関わりがありますの?」
と侯爵令嬢ポーリーン・タチバナ。
「サーバル王国の王女様のシガラキノ様の元に、ケレメイン大公国は、ケレメイン大公家にいた人を預け、王女様のシガラキノ様は、サーバル王国で、ケレメイン大公国の友好大使を務めることになっている。」
オレの話を聞いた四人は、顔を見合わせた。
「ケレメイン大公国が、サーバル王国を取り込みにいっている?」
と王姉殿下スナメリ様。
オレは、弁明した。
「頭を食らいつかれそうになったから、喉笛に噛みついた結果であって、オレから仕掛けたわけではないぞ。」
頭、というのは、クロードのこと。
「ヒサツグが本気を出した結果か。」
と騎士団長の甥イスペル・シャムが、称賛の眼差しを向けてくる。
くすぐったい気持ちになりながら、オレは、もう一つの情報も開示した。
「今回の外交でケレメイン大公国に来たサーバル王国の若手には、サーバル王国でケレメイン大公国の大使館を任せることにした。」
「ケレメイン大公国の人間を派遣しませんの?」
と侯爵令嬢ポーリーン・タチバナ。
「王女様のシガラキノ様だけじゃなく、サーバル王国の若手の皆さんにも、ケレメイン大公国に慣れ親しんでもらったからな。」
「全てが、ヒサツグだよね。」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。
「ヒサツグらしい。」
と騎士団長の甥イスペル・シャム。
そうかな?
「サーバル王国を含めた三国同盟を前提に話を進めた方が、ケレメイン大公国にとっては、都合がよい、ということですわね?」
と侯爵令嬢ポーリーン・タチバナ。
オレの友達は、オレが自分自身の問題で足踏みしている間も、己の道を切り開いていたんだな。
オレは、友達の成長を喜ぶ側じゃなかった。
驕っていた自分が、今、猛烈に恥ずかしい。
オレの友達は、穴があったら、入りたいくらいのオレに温かい眼差しを向けてくれている。
気を取り直して。
「マウンテン王国から来てくれた用事の、本題を聞きたい。
オレが今話した話題と関係があるんだよな?」
「それでこそ、ヒサツグ。」
と騎士団長の甥イスペル・シャム。
騎士団長の甥イスペル・シャムの信頼が嬉しい。
今日まで、オレは、その信頼を裏切った対応に終始していたんだよなー。
反省して、謙虚にいくぞ。
「まず、ヒサツグにお礼を伝えよう。
ヒサツグのお陰で、愛こんにゃく家の元弟嫁という、確固たる証拠を確保した。」
と王姉殿下スナメリ様。
「証拠探しをしていた、ということは。
疑いはあっても、証拠がなかったのかな?」
「証拠の話をする前に、ヒサツグには、時系列で話を聞いてほしい。
時系列で話をする方が、説明しやすい。」
と騎士団長の甥イスペル・シャム。
「おう。聞くぞ。」
「女神様と魔王と英雄の関係に踏み込んで調べていくうちに、魔王による消失でいなくなった人の共通点を洗い出して、現地に調査しにいったんだよ。
マウンテン王国は、他の国より、魔王による消失の回数が多い。
次に、魔王による消失が起こった場合の備えが必要だから、復興の確認と消失した人の調査を同時に行った。
ぼくとイスペルが音頭を取ってね。」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。
「調査は、消失した人の記録がなくなったり、記憶が薄れる前に、だよな。
よく、調査の必要性に気づけて、動けたな。」
「俺とムールは、ヒサツグと出会う前の状態から、変わろうと決めた。
今までの俺達じゃ、一人前として、信用されない。
以前とは変わった、というところを見せないと、と俺達は考えた。
自分達がどうやって活躍して、信用を得たらいいか。
ムールと俺は、スナメリ殿下やポーリーン様に相談したり、スナメリ殿下とポーリーン様の伝手で調べたりした。」
と騎士団長の甥イスペル・シャム。
「その中で、見つけた課題だったんだよ。
手つかずで、いつか、誰かが手をつけないといけないと皆分かっているのに、いつまでたっても、手をつけられていない課題。
ぼく達にぴったりな課題だったから、ぼくとイスペルは、二人で手を挙げたんだよ。」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。
「復興の確認も、消失した人の調査も、よくまとまっていた。」
と王姉殿下スナメリ様。
「二人の復興の確認と消失した人の現地調査結果から、新しい問題が見つかりましたの。
魔王による消失でいなくなった人だけでなく、いてもおかしくない人がいなくなった事例や、いたらおかしい人がいる、という事例がいくつか確認できましたの。」
と侯爵令嬢ポーリーン・タチバナ。
「何やら犯罪の匂いがするなー。
今までは、疑いだったんだな?
どこかの国が、背後にいる事件ということで、疑っていたが、証拠はなかった。
マウンテン王国は、今回、ケレメイン大公国に来て、愛こんにゃく家の元弟嫁というドリアン王国の副業スパイを手に入れたんだなー。
手口が解明しそうだなー。」
「わたくしも、ヒサツグと同じ感想ですの。」
と、にっこりする侯爵令嬢ポーリーン・タチバナ。
「ぼく達が来たのは、とある国絡みの犯罪について、が本題なんだよ。」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。
「マウンテン王国は、ドリアン王国からの侵略を退けるんだな?」
確認は、大事。
「勿論。ぼく達の国で、いつまでも好き勝手はさせないよ。」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。
「オレも、ケレメイン大公国に侵略者はいらない。」
オレと司祭の従兄弟ムール・ドローの視線が絡む。
他の三人は、オレ達のやりとりを見守っている。
「気が合うよね?
マウンテン王国とケレメイン大公国で、手を組もうよ?」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。
手を組むことが、マウンテン王国の本題だな。
「マウンテン王国とケレメイン大公国が手を組むところに、サーバル王国も足して、オレは、三国同盟にしたい。
サーバル王国が、ドリアン王国に蹂躙されている状態は、ケレメイン大公国にとって不利益をもたらす。」
「サーバル王国とケレメイン大公国には、どういう関わりがありますの?」
と侯爵令嬢ポーリーン・タチバナ。
「サーバル王国の王女様のシガラキノ様の元に、ケレメイン大公国は、ケレメイン大公家にいた人を預け、王女様のシガラキノ様は、サーバル王国で、ケレメイン大公国の友好大使を務めることになっている。」
オレの話を聞いた四人は、顔を見合わせた。
「ケレメイン大公国が、サーバル王国を取り込みにいっている?」
と王姉殿下スナメリ様。
オレは、弁明した。
「頭を食らいつかれそうになったから、喉笛に噛みついた結果であって、オレから仕掛けたわけではないぞ。」
頭、というのは、クロードのこと。
「ヒサツグが本気を出した結果か。」
と騎士団長の甥イスペル・シャムが、称賛の眼差しを向けてくる。
くすぐったい気持ちになりながら、オレは、もう一つの情報も開示した。
「今回の外交でケレメイン大公国に来たサーバル王国の若手には、サーバル王国でケレメイン大公国の大使館を任せることにした。」
「ケレメイン大公国の人間を派遣しませんの?」
と侯爵令嬢ポーリーン・タチバナ。
「王女様のシガラキノ様だけじゃなく、サーバル王国の若手の皆さんにも、ケレメイン大公国に慣れ親しんでもらったからな。」
「全てが、ヒサツグだよね。」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。
「ヒサツグらしい。」
と騎士団長の甥イスペル・シャム。
そうかな?
「サーバル王国を含めた三国同盟を前提に話を進めた方が、ケレメイン大公国にとっては、都合がよい、ということですわね?」
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