《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

438.マウンテン王国から来た四人に、マウンテン王国とサーバル王国とケレメイン大公国で、ドリアン王国の侵略を退けたいと提案しました。

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話をする前に、確認したいことがある、とオレは、断った。

「愛こんにゃく家の元弟嫁は、ドリアン王国の副業スパイで良かったのかな?」

「確信することがありましたの?」
と侯爵令嬢ポーリーン・タチバナは、驚かない。

何か知っているっぽいなー。

オレは、単刀直入に、切り込むことにした。

「ドリアン王国は、サーバル王国を支配して、ケレメイン大公国と、マウンテン王国に手を伸ばしている。

ドリアン王国の狙いは、マウンテン王国の王家の血筋を持ち人と女神様と元神子様カズラくん。」

「王家の血筋を持つ人?王家ではなく?」
と王姉殿下スナメリ様。

「ドリアン王国は、マウンテン王国の王家に関心を持っている。

王家の血筋の、クロードやミーレ長官にも、興味を示していた。

ミーレ長官のスパイをし損ねたのが、愛こんにゃく家の元弟嫁。

ドリアン王国のスパイは、そこかしこにいる。

ケレメイン大公国に滞在中は、危害を加えられないように、必ず4人でいるか、いない場合は、所在を確認しあうなど、自衛に努めてほしい。」

「スパイを捕まえないのか?」
と騎士団長の甥イスペル・シャム。

捕まえたいのは、やまやまなんだけどな。

手が足りないんだよなー。

「ドリアン王国の侯爵子息が密入国してクロードに接触しているだけではなく、ミーレ長官の家族にも接触を図った。

一人一人捕まえていても、間に合わない。

一網打尽にしないと。」

「理屈は通っていますわ。」
と侯爵令嬢ポーリーン・タチバナ。

判定されているみたいだな?

「ヒサツグ。
ドリアン王国が、サーバル王国を支配しているというのは?」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。

「サーバル王国は、目に見える武力により支配されているわけじゃない。

サーバル王国の人口のうち無視できない数の国民が、ドリアン王国の人と結婚して、ドリアン王国に移住したり、ドリアン王国に行かなかった夫婦は、子どもにドリアン王国に即した教育をほどこしたりしている。

結婚と移住という手段を用いて、ドリアン王国は、サーバル王国を取り込もうとしている。

同じ手口が、マウンテン王国でも既に行われている。

愛こんにゃく家の元弟嫁の母は、マウンテン王国民で、ドリアン王国の人と結婚して、ドリアン王国に移住し、ドリアン王国で成人して、スパイになった娘をマウンテン王国に送り出している。

愛こんにゃく家の元弟嫁は、自身の身元の話をしたかな?」

「いいえ。」
と侯爵令嬢ポーリーン・タチバナ。

「愛こんにゃく家の元弟嫁が、ドリアン王国のスパイを辞めていない可能性を考慮に入れて動いたほうがいい。

ドリアン王国は、複数のスパイをケレメイン大公国に入り込ませていると分かった。

愛こんにゃく家の元弟嫁が、ケレメイン大公国で、ドリアン王国のスパイと連絡を取り合うかもしれない。」

「ヒサツグのそれは、忠告ですの?」
と侯爵令嬢ポーリーン・タチバナ。

マウンテン王国の四人は、オレの真意を確かめようとしている。

久しぶりに緊張するなー。

契約を決めてもらえるかは、商品の提案の仕方にかかっている、というプレッシャーをもらったときを思い出す。

オレは、友達の信頼を裏切らない誠実な提案をしようと思う。

今のオレにあるのは、まだ使いこなせていない肩書きと、この世界で培ってきた友情だから。

「忠告は、前ふりだな。

サーバル王国とマウンテン王国とケレメイン大公国で、ドリアン王国の侵略を退ける策に乗ってくれ。

サーバル王国は、王女のシガラキノ様が女神様と友誼を結んだ。

サーバル王国は、シガラキノ様。

ケレメイン大公国は、女神様と対等なオレ。」

オレの提案を聞いたマウンテン王国の四人は、あーやれやれ、という顔になって、肩の力をぬいた。

「良かった。やっと、本当にしたい話ができる。」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。

「本題、があるのかな?」

「ヒサツグが、ノンビリしていたから、いつ切り出すか迷ったよ。
ヒサツグが自分で気づいてくれて良かった。」
とほっとする司祭の従兄弟ムール・ドロー。
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