《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

437.カズラくんは、予想していたのかもしれません。マウンテン王国の友達に会いにいきます。

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ケレメイン大公家の城の中で不審者を目撃したオレは、迅速に行動した。

不審者対策は、最優先。

ミーレ長官の奥様と息子さんをカズラくんにお願いして、預けてから、愛こんにゃく家の一家も迎えにいって、カズラくんに預けた。

カズラくんは、驚かなかった。

カズラくんは、予想していたのかもしれない。

カズラくんが、彼氏をドリアン王国の現役のスパイだと確信するに至ったのは、どのくらい前になるんだろう?

ドリアン王国の侵略は、サーバル王国の影に隠れて、見えにくくなっていただけで、オレが気づく前から、侵略は始まっていたんだろうな。

ドリアン王国が、サーバル王国に入り込んでいたなら、サーバル王国がケレメイン大公国に侵略しにくる情報は、ドリアン王国にダダ漏れだったと思う。

ドリアン王国は、サーバル王国がうまくやったら、その成果をかすめ取ろうとしていたんじゃないかな。

サーバル王国に金や人手をかけさせて、ケレメイン大公国を支配させたら、サーバル王国から支配権を奪って、ドリアン王国がケレメイン大公国を支配する。

そんな計画が、ドリアン王国にはあったような気がする。

サーバル王国による侵略が失敗に終わって、サーバル王国勢が静かになった。

サーバル王国によるケレメイン大公国侵略失敗のタイミングで、潜んでいたドリアン王国のスパイは、ケレメイン大公国での活動を活性化させた。

最初から、狙っていたんだろうなー。

マウンテン王国は、ケレメイン大公国のお隣。

ケレメイン大公国を落としたら、マウンテン王国が、落としやすい、という考えかもしれない。

ケレメイン大公国は、ついでだから、足場にしたいから、という理由で、侵略していい国じゃないぞ。

「ヒサツグが、ぼくを頼ったのは、正解だよ。」
とカズラくん。

「我が物顔で出入りしていたのは、ドリアン王国の侯爵子息だけじゃなかったんだな。

ドリアン王国による侵食の度合いは、サーバル王国の侵略の比じゃないくらいに進んでいて、城の中の治安が悪化している。」

「そうだよ。」
とカズラくん。

「今すぐ、巻き返さないと、ドリアン王国と交渉する前に、ドリアン王国に侵略されてケレメイン大公国は終わる、ところまできているよな?」

「まあね。」
とカズラくん。

「カズラくんとの取引で、カズラくんの利益に最大限報いる。

カズラくん、ドリアン王国が、二度とケレメイン大公国に手を出せないように協力してくれないかな?」

「高くつくよ。」
とカズラくん。

「国が侵略されそうになっている瀬戸際に、何かを惜しんで手を打たなかったら、後悔しか残らない、とオレは思う。

オレは、やらない後悔を抱えてこの世界で生きていくよりも、できることは全部やって、どんな逆境も跳ね返したい。」

カズラくんは、ヒサツグらしいよ、と笑った。

オレは、カズラくんの協力をとりつけた。

カズラくんの協力を取り付けた後。

オレは、女神様と精力的に動いている。

司祭と医者は、人をやって、城に来てもらうことにした。

クロードには、手が空いたら、カズラくんのところに集合してほしいと頼んだ。

今から、急遽、マウンテン王国の王姉殿下スナメリ様をはじめとするマウンテン王国の友達に、オレは会う。

注意喚起と不審者対策は、大事。

他にも、ドリアン王国の取り扱いについて、マウンテン王国と話し合いをしておきたい。

愛こんにゃく家の元弟嫁の狙いが、最初からマウンテン王国の誰かだった可能性があることも含めて、伝えておきたい。

「ヒサツグ、急ぎの話があると聞いたけど、愛こんにゃく家の結婚式の打ち合わせについて?」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。

「オレも、愛こんにゃく家の結婚式というめでたさしかない話題を取り上げたかったんだけどなー。

今回は、身の回りの安全への深刻な注意喚起と、逼迫した事態についての打ち合わせをしにきたぞ。」

「ヒサツグが、深刻な、というくらいだから、深刻なんだな。」
と騎士団長の甥イスペル・シャム。

「時間がないなら、早速本題に入るといい。」
と王姉殿下スナメリ様。

「だいたい予想はついてますけど、ヒサツグの口から聞きたいと思います。」
と侯爵令嬢ポーリーン・タチバナ。
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