《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

417.女神様には、ケレメイン大公国で快適に住人と暮らしてもらいます。ドリアン王国、サーバル王国、マウンテン王国の関係ですが?

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女神様を抑止力にと考えると、女神様との共生に失敗すると、オレは思う。

特に、ケレメイン大公国は。

ケレメイン大公国に女神様が住んで、その恩恵を受けることができるのは、オレと女神様がうまくやれている間だけだからな。

女神様が、新しい土地を気に入ったら。

女神様を抑止力に使っていたケレメイン大公国の政治的な優位性はすぐにひっくり返る。

だから、ケレメイン大公国の国王には、女神様を抑止力として利用する考えを持ってほしくない。

ケレメイン大公国の国民には、女神様に頼らないで、女神様と一緒に暮らしてほしい。

女神様を利用することは、禁断の果実だというのを知識として知った上で、女神様が人の中にいてもおかしくないと考えるようになってくれたらなー。

オレみたいに、女神様と男の取り合いや喧嘩しながら対等に話し合いもできる住人が増えていくのが理想なんだよな。

女神様も女神様の世界の住人も、オレにとっても、生きやすい世界になる。

それらを承知の上で、今のオレは素知らぬ顔で、女神様といる。

オレは、丸裸なケレメイン大公国に女神様の脅威を利用して、外国からの侵略を阻止している。

伝家の宝刀だから、抜かない。

『うちには、女神様が快適にお住まいになっている。』
と見せつけるだけ。

今は、建国のゴタゴタを乗り切るため、女神様を伝家の宝刀のようにしているけれど、オレから女神様に何かを要求することはしないと決めている。

女神様を伝家の宝刀扱いすることは、人の中でいることを楽しみたい女神様の望む形ではない。

ケレメイン大公国と女神様との間に、不和を生じさせる芽はつんでおく。

女神様が、この先、ケレメイン大公国から、滞在先を変えることがあっても、なくても。

女神様とは、穏やかな関係を築きたい。

ただ。

オレの方針を、オレの後進が受け継いでくれるとは限らない。

女神様に欲を出して、甘美な劇薬にのまれないとは限らない。

だから。

オレは、女神様を利用しない姿勢を見せ続けることにする。

女神様に関しての方針は決まった。

問題は、ケレメイン大公国の一部の国民の意識だよな。

スパイ行為などをして、一時的に個人が利益を得ても、自分の国が、他の国にいいように使われるようになったら、下に見られている国民の自分は、最終的にどうなるか、に対する認識が甘いとな。

自分の国が馬鹿にされたら本末転倒だと理解して、スパイを辞めるか、スパイを辞めたくないなら、ケレメイン大公国から出ていくか、選択させよう。

愛こんにゃく家の元弟嫁の狙いは、マウンテン王国の王族だったミーレ長官。

ドリアン王国は、サーバル王国だけじゃなく、マウンテン王国にも侵略の手を広げていた、ということになるのかな?

マウンテン王国の侯爵令嬢ポーリーンに話をしておこう。

マウンテン王国の王家が、ドリアン王国に狙われているかもしれない。

そういえば。

クロードの亡きご両親、先代ケレメイン公爵夫妻は、マウンテン王国の王家を警戒していた、という話があったよな。

クロードのご両親は、マウンテン王国の王家の何を警戒していたのかな。

王家の在り方?

それとも王家そのもの?

王家の秘密?
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