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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
409.サーバル王国の王女様に、ドリアン王国の侯爵子息にはどんな気持ちを持っていて、どうしたいかを聞きたいと話したら、王女様に驚かれました。
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サーバル王国の王女様とは歓談ではなく、具体的な打ち合わせをする。
王女様とオレと女神様と、王女様と同じく女神様の裁定が下ったサーバル王国の若手の皆さん。
王女様とオレは対面で。
女神様は、オレの隣。
サーバル王国の若手の皆さんは、部屋の中で思い思いの場所にバラけて座っている。
サーバル王国の若手の皆さんは、女神様に裁定を下された経験から、女神様の近くにいくことに及び腰。
未知の方法で、自分達の姿を変えた女神様に近づきたくない気持ちは、分からないでもない。
打ち合わせに支障がないなら、部屋の中のどこにいても良しとした。
「オレと王女様の声が届く範囲にいればいい。」
マウンテン王国の国王陛下が立てていたオレを殺す計画に、女神様が協力していたと知った直後は、オレも女神様の顔なんて見たくなかったからなー。
今だって、オレは、女神様を友達として、完全に受け入れているわけじゃない。
女神様から迷惑を被ったオレが、女神様の事情を斟酌することはしない。
女神様の事情は、女神様だけのものだからな。
オレが、女神様の事情を推察して、動いている理由は、女神様への友情からでも同情からでもない。
オレが、為政者だからだ。
クロードの隣に立って、クロードと生きるために、クロードに向かないこと、クロードにさせたくないことはオレがすると決めた日から、オレの心は変わらない。
クロードに、女神様関係のことは触れさせない。
女神様が、クロードに興味を持ち続けているから、クロードと女神様を近づけたくない、というオレの理由もあるけれど。
それだけじゃない。
女神様に振り回されて、人生を左右されてきたクロードの憂いを、オレは、全部取り除きたい。
今後、クロードが女神様に悩まされたり、苦しめられたりすることがないように、オレが立ち回る。
女神様の対応は、全部オレがするということを女神様に刷り込む。
女神様が、クロードではなく、オレの前に顕現できるようになれば、この勝負は、オレの勝ち。
女神様が、クロードのところにいかないようにするために、オレは、あの手この手を考えてやっていく。
クロードが、女神様のことは完全にオレ任せで構わないと認識して、自発的にオレに丸投げするようになるまで。
オレは、クロードと女神様の接点を作らない。
女神様がクロードを傷つけることがなくなるまで、女神様とクロードを引き離したまま、女神様の視野を広げていく。
クロードは、女神様に愛されることを望んでいなかった。
クロードは、女神様の愛に背中を向けている。
女神様は、女神様に背中を向けるクロードの前に回り込んで、愛されようとする。
今回、オレの加護として顕現した女神様は、クロードの助けとなった。
オレの加護という制約がなかったら、結果的にクロードの助けにはなっても、方向性は、違っていたと思う。
うまくいかないと分かっているクロードと女神様が近づきすぎないように。
クロードの伴侶で、女神様と対等なオレが立ち回る。
オレは、クロードと女神様の悪循環を変えて、どちらも苦しまない関係にしていきたい。
愛も恋も。
相手がいることで動く感情はいじれない。
オレが、国の政に関わりない平民なら、女神様を恋敵として、一生嫌ったままでいても良かった。
クロードの伴侶として、女神様に敵意をむき出しのままでいても。
オレとクロードが、政に関係しない立場なら、何も問題なかった。
為政者でなかったなら、オレとクロードは、二人だけの未来を考えていれば良かった。
オレは、大公妃として、クロードと共に、ケレメイン大公国の国の顔になったからさ。
腹が立つ相手に反発したり敵対するだけでは、オレとクロードが孤立を深めて、オレとクロードと、オレ達といる人達が苦しい思いをするだけ。
オレとクロードが孤立しないために、オレとクロードにとって大事な物を諦めたり、手放したりすることはしたくない。
オレとクロードについてきてくれた人達に、余計な苦労をしてほしくないんだよな。
オレは、自分が大公妃として生きることに誇りを持ちたい。
だから、オレは、自分が大公妃としてすることを見極めて、実行していく。
オレは、まず、王女様に確認することにした。
「王女様。単刀直入に聞くぞ。
ドリアン王国の侯爵子息に対して、王女様は、どう考えていて、どうしたいと思うのか、今の気持ちを話してくれないかな?」
「私の気持ち、ずべし?」
と不思議そうにする王女様。
王女様の気持ちを聞く人は、今までいなかったのかもしれないな。
「オレは、ドリアン王国の侯爵子息と王女様の関係に限定すると、王女様の気持ちが、大事だからな。
王女様の気持ちと現実の折り合いをつけていける着地点を見つけて、そこをゴールにしたい。
ドリアン王国の侯爵子息には、愛こんにゃく家の結婚式へ、ドリアン王国の代表として出席して貰いたい、とオレは考えている。」
「出席は決定、ずべし?」
と困ったような王女様。
呼んでほしくなかったんだろうなー。
オレも、呼ぶ気はなかったなー。
「ドリアン王国の侯爵子息は、既にケレメイン大公国にいる。」
王女様は、ドリアン王国の侯爵子息に熱烈歓迎モードじゃないことが分かった。
「ドリアン王国の侯爵子息本人が、サーバル王国の王女様を追いかけてきたと隠していない。
今は、サーバル王国の王女様に会わせろと騒いでいるのを引き止めている状況だ。
何か噂を聞いたのか、聞いていないのか。
王女様の気持ちを聞いてから、オレは侯爵子息本人と話をする。
オレは、国のためだったり、クロードとオレのためだったりを優先する。
でもさ。
オレとクロードに関係ない場所で、王女様には不幸になってほしくないと思ってはいるぞ。」
王女様は、驚いた後、嬉しそうに微笑んだ。
王女様とオレと女神様と、王女様と同じく女神様の裁定が下ったサーバル王国の若手の皆さん。
王女様とオレは対面で。
女神様は、オレの隣。
サーバル王国の若手の皆さんは、部屋の中で思い思いの場所にバラけて座っている。
サーバル王国の若手の皆さんは、女神様に裁定を下された経験から、女神様の近くにいくことに及び腰。
未知の方法で、自分達の姿を変えた女神様に近づきたくない気持ちは、分からないでもない。
打ち合わせに支障がないなら、部屋の中のどこにいても良しとした。
「オレと王女様の声が届く範囲にいればいい。」
マウンテン王国の国王陛下が立てていたオレを殺す計画に、女神様が協力していたと知った直後は、オレも女神様の顔なんて見たくなかったからなー。
今だって、オレは、女神様を友達として、完全に受け入れているわけじゃない。
女神様から迷惑を被ったオレが、女神様の事情を斟酌することはしない。
女神様の事情は、女神様だけのものだからな。
オレが、女神様の事情を推察して、動いている理由は、女神様への友情からでも同情からでもない。
オレが、為政者だからだ。
クロードの隣に立って、クロードと生きるために、クロードに向かないこと、クロードにさせたくないことはオレがすると決めた日から、オレの心は変わらない。
クロードに、女神様関係のことは触れさせない。
女神様が、クロードに興味を持ち続けているから、クロードと女神様を近づけたくない、というオレの理由もあるけれど。
それだけじゃない。
女神様に振り回されて、人生を左右されてきたクロードの憂いを、オレは、全部取り除きたい。
今後、クロードが女神様に悩まされたり、苦しめられたりすることがないように、オレが立ち回る。
女神様の対応は、全部オレがするということを女神様に刷り込む。
女神様が、クロードではなく、オレの前に顕現できるようになれば、この勝負は、オレの勝ち。
女神様が、クロードのところにいかないようにするために、オレは、あの手この手を考えてやっていく。
クロードが、女神様のことは完全にオレ任せで構わないと認識して、自発的にオレに丸投げするようになるまで。
オレは、クロードと女神様の接点を作らない。
女神様がクロードを傷つけることがなくなるまで、女神様とクロードを引き離したまま、女神様の視野を広げていく。
クロードは、女神様に愛されることを望んでいなかった。
クロードは、女神様の愛に背中を向けている。
女神様は、女神様に背中を向けるクロードの前に回り込んで、愛されようとする。
今回、オレの加護として顕現した女神様は、クロードの助けとなった。
オレの加護という制約がなかったら、結果的にクロードの助けにはなっても、方向性は、違っていたと思う。
うまくいかないと分かっているクロードと女神様が近づきすぎないように。
クロードの伴侶で、女神様と対等なオレが立ち回る。
オレは、クロードと女神様の悪循環を変えて、どちらも苦しまない関係にしていきたい。
愛も恋も。
相手がいることで動く感情はいじれない。
オレが、国の政に関わりない平民なら、女神様を恋敵として、一生嫌ったままでいても良かった。
クロードの伴侶として、女神様に敵意をむき出しのままでいても。
オレとクロードが、政に関係しない立場なら、何も問題なかった。
為政者でなかったなら、オレとクロードは、二人だけの未来を考えていれば良かった。
オレは、大公妃として、クロードと共に、ケレメイン大公国の国の顔になったからさ。
腹が立つ相手に反発したり敵対するだけでは、オレとクロードが孤立を深めて、オレとクロードと、オレ達といる人達が苦しい思いをするだけ。
オレとクロードが孤立しないために、オレとクロードにとって大事な物を諦めたり、手放したりすることはしたくない。
オレとクロードについてきてくれた人達に、余計な苦労をしてほしくないんだよな。
オレは、自分が大公妃として生きることに誇りを持ちたい。
だから、オレは、自分が大公妃としてすることを見極めて、実行していく。
オレは、まず、王女様に確認することにした。
「王女様。単刀直入に聞くぞ。
ドリアン王国の侯爵子息に対して、王女様は、どう考えていて、どうしたいと思うのか、今の気持ちを話してくれないかな?」
「私の気持ち、ずべし?」
と不思議そうにする王女様。
王女様の気持ちを聞く人は、今までいなかったのかもしれないな。
「オレは、ドリアン王国の侯爵子息と王女様の関係に限定すると、王女様の気持ちが、大事だからな。
王女様の気持ちと現実の折り合いをつけていける着地点を見つけて、そこをゴールにしたい。
ドリアン王国の侯爵子息には、愛こんにゃく家の結婚式へ、ドリアン王国の代表として出席して貰いたい、とオレは考えている。」
「出席は決定、ずべし?」
と困ったような王女様。
呼んでほしくなかったんだろうなー。
オレも、呼ぶ気はなかったなー。
「ドリアン王国の侯爵子息は、既にケレメイン大公国にいる。」
王女様は、ドリアン王国の侯爵子息に熱烈歓迎モードじゃないことが分かった。
「ドリアン王国の侯爵子息本人が、サーバル王国の王女様を追いかけてきたと隠していない。
今は、サーバル王国の王女様に会わせろと騒いでいるのを引き止めている状況だ。
何か噂を聞いたのか、聞いていないのか。
王女様の気持ちを聞いてから、オレは侯爵子息本人と話をする。
オレは、国のためだったり、クロードとオレのためだったりを優先する。
でもさ。
オレとクロードに関係ない場所で、王女様には不幸になってほしくないと思ってはいるぞ。」
王女様は、驚いた後、嬉しそうに微笑んだ。
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