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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
399.オレは、王姉殿下スナメリ様の転職を勧めてみました。王姉殿下スナメリ様と国王陛下の仲は良好です。『女王になりませんか?』
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「王妃陛下の現在の様子からは、希望が持てない。
国王陛下には、もっと希望が持てない。」
と落ち込む王姉殿下スナメリ様。
「今は、国王陛下の不調の原因を突き止めたことを良しとしましょう。
原因不明から、難題へと一歩前進しましたわ。」
侯爵令嬢ポーリーン・タチバナは、明るく言い切った。
「関係修復が、無理そうに聞こえるんだけどなー。」
「難題だよ。
お膳立てで、関係が良くなる時期は、とうに終わっているんだよ。
当人同士で話し合いをしていただかないと、と進言はするものの。
国王陛下と王妃陛下は、互いに会うのを拒否しているんだ。
関係を改善するためには、国王陛下に変わっていただかないといけない。
そのことは、国王陛下以外は、重々承知。
王妃陛下との仲を深めるようにという誰かの言葉に、国王陛下が耳を貸されたことは、一度もないという話も知れ渡っている。」
と司祭の従兄弟ムール・ドローは、ため息をつき。
「それは、夫婦として、完全に破綻していないかな?」
「国王陛下と王妃陛下の断絶は、現王家派の悩みのタネになっている。
国王陛下と王妃陛下は、別々の寝室をお使いになっていることを隠されない。
お世継ぎ問題を念頭において、王妃陛下の交代を唱える勢力が増えたが、王妃陛下のご実家も黙ってはいない。
現王家派も揺れている。
騎士団員にも影響がある。」
と騎士団長の甥イスペル・シャム。
トップの不仲は、あちこちに影響を及ぼすんだな。
「国王陛下と王妃陛下が夫婦として破綻しているのに、子どもを作れという話はなー。
言われる方も、聞く方も辛いな。」
オレは、今なら、聞いても大丈夫かと思って聞いてみた。
「先代国王陛下のお姉さんは、女王になったけど、サーバル王国で客死したよな?
女王陛下の死にまつわる色々で、何か伝わっていることはあるかな?」
オレには、マウンテン王国側の資料なんて見れないからな。
「ヒサツグは、どうして、女王陛下の客死が気になるのでしょう?」
と侯爵令嬢ポーリーン・タチバナ。
唐突な話題ではあったよなー。
「オレは、ミーレ長官のお母さんが、女王陛下で、サーバル王国で客死したと最近聞いたんだけどさ。
国王陛下が、頼りにならないなら、スナメリ様が、女王になってもいいと思ったんだ。
女王という立場が安全だと保証されれば、に限るけど。
友達に危ない目にはあってほしくないからさ。
先の女王陛下の客死事件の謎を解明したら、スナメリ様が女王に即位したときの安全対策に役立つとオレは思う。」
ミーレ長官のお母さんの死の真相が分かれば。
ミーレ長官も、いつかは、マウンテン王国の王家というくくりから、自由になって前に進める気がする。
「国王陛下を退位させて?」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。
「退位か、譲位か。
いずれにしても、国王陛下に国王陛下でいてもらうことが手詰まりだったら、女王という選択肢もあると思ってさ。」
「女王ですか。」
と悩む侯爵令嬢ポーリーン・タチバナ。
「国王陛下が、英雄クロードより、女神様に好かれる未来はこない。
国王陛下の初恋にまつわる外的環境は変わらない。
国王陛下自身が変われないのは、変わらないといけないいう思いが国王陛下にはないから。
魔王による消失で、ご両親がいなくなった国王陛下は、王妃陛下じゃなく、女神様を頼りにして、乗り切ってきた。」
「その通り。」
と王姉殿下スナメリ様。
「国王陛下が、国王陛下として、他の在り方を知らなければ、今まで通りでいるしかない気もするんだよなー。
失敗するわけにはいかない、と考えると、結果の分からないことには、手を伸ばせない。」
「先代国王陛下がいらっしゃらなくなってからの国王陛下の苦労は、わたくしの比ではなかった。
資料を読んでいると、助けになれなかったことが、申し訳なく思えて仕方がない。」
と王姉殿下スナメリ様。
国王陛下と王姉殿下スナメリ様は、互いに思いやりを持って生きてきたんだと思う。
オレが勧めている話しは、現実的ではあるけれど、国王陛下への戦力外通告。
王姉殿下は、姉として、弟の頑張りを見てきたんだな。
王家の一人として、弟が国王陛下で居続けることの困難さを感じつつ。
家族として、弟の国王陛下を大事に思っているのが、伝わってくる。
「国王陛下には、隠居してもらって、変わらないでいられる環境を用意しておく。
その中で、存分にひたってもらう。
初恋に浸り終わって、目が覚めたら、王族として、女王になったスナメリ様を助けてもらうのは、どうかな?
王妃陛下と王妃陛下の実家は、王妃陛下がどう生きたいか、王妃陛下の実家は何を望んでいるか、によって、対応を決めていけばいいと思う。
揉めるだろうけどさ。」
「揉めるよ。」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。
国王陛下には、もっと希望が持てない。」
と落ち込む王姉殿下スナメリ様。
「今は、国王陛下の不調の原因を突き止めたことを良しとしましょう。
原因不明から、難題へと一歩前進しましたわ。」
侯爵令嬢ポーリーン・タチバナは、明るく言い切った。
「関係修復が、無理そうに聞こえるんだけどなー。」
「難題だよ。
お膳立てで、関係が良くなる時期は、とうに終わっているんだよ。
当人同士で話し合いをしていただかないと、と進言はするものの。
国王陛下と王妃陛下は、互いに会うのを拒否しているんだ。
関係を改善するためには、国王陛下に変わっていただかないといけない。
そのことは、国王陛下以外は、重々承知。
王妃陛下との仲を深めるようにという誰かの言葉に、国王陛下が耳を貸されたことは、一度もないという話も知れ渡っている。」
と司祭の従兄弟ムール・ドローは、ため息をつき。
「それは、夫婦として、完全に破綻していないかな?」
「国王陛下と王妃陛下の断絶は、現王家派の悩みのタネになっている。
国王陛下と王妃陛下は、別々の寝室をお使いになっていることを隠されない。
お世継ぎ問題を念頭において、王妃陛下の交代を唱える勢力が増えたが、王妃陛下のご実家も黙ってはいない。
現王家派も揺れている。
騎士団員にも影響がある。」
と騎士団長の甥イスペル・シャム。
トップの不仲は、あちこちに影響を及ぼすんだな。
「国王陛下と王妃陛下が夫婦として破綻しているのに、子どもを作れという話はなー。
言われる方も、聞く方も辛いな。」
オレは、今なら、聞いても大丈夫かと思って聞いてみた。
「先代国王陛下のお姉さんは、女王になったけど、サーバル王国で客死したよな?
女王陛下の死にまつわる色々で、何か伝わっていることはあるかな?」
オレには、マウンテン王国側の資料なんて見れないからな。
「ヒサツグは、どうして、女王陛下の客死が気になるのでしょう?」
と侯爵令嬢ポーリーン・タチバナ。
唐突な話題ではあったよなー。
「オレは、ミーレ長官のお母さんが、女王陛下で、サーバル王国で客死したと最近聞いたんだけどさ。
国王陛下が、頼りにならないなら、スナメリ様が、女王になってもいいと思ったんだ。
女王という立場が安全だと保証されれば、に限るけど。
友達に危ない目にはあってほしくないからさ。
先の女王陛下の客死事件の謎を解明したら、スナメリ様が女王に即位したときの安全対策に役立つとオレは思う。」
ミーレ長官のお母さんの死の真相が分かれば。
ミーレ長官も、いつかは、マウンテン王国の王家というくくりから、自由になって前に進める気がする。
「国王陛下を退位させて?」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。
「退位か、譲位か。
いずれにしても、国王陛下に国王陛下でいてもらうことが手詰まりだったら、女王という選択肢もあると思ってさ。」
「女王ですか。」
と悩む侯爵令嬢ポーリーン・タチバナ。
「国王陛下が、英雄クロードより、女神様に好かれる未来はこない。
国王陛下の初恋にまつわる外的環境は変わらない。
国王陛下自身が変われないのは、変わらないといけないいう思いが国王陛下にはないから。
魔王による消失で、ご両親がいなくなった国王陛下は、王妃陛下じゃなく、女神様を頼りにして、乗り切ってきた。」
「その通り。」
と王姉殿下スナメリ様。
「国王陛下が、国王陛下として、他の在り方を知らなければ、今まで通りでいるしかない気もするんだよなー。
失敗するわけにはいかない、と考えると、結果の分からないことには、手を伸ばせない。」
「先代国王陛下がいらっしゃらなくなってからの国王陛下の苦労は、わたくしの比ではなかった。
資料を読んでいると、助けになれなかったことが、申し訳なく思えて仕方がない。」
と王姉殿下スナメリ様。
国王陛下と王姉殿下スナメリ様は、互いに思いやりを持って生きてきたんだと思う。
オレが勧めている話しは、現実的ではあるけれど、国王陛下への戦力外通告。
王姉殿下は、姉として、弟の頑張りを見てきたんだな。
王家の一人として、弟が国王陛下で居続けることの困難さを感じつつ。
家族として、弟の国王陛下を大事に思っているのが、伝わってくる。
「国王陛下には、隠居してもらって、変わらないでいられる環境を用意しておく。
その中で、存分にひたってもらう。
初恋に浸り終わって、目が覚めたら、王族として、女王になったスナメリ様を助けてもらうのは、どうかな?
王妃陛下と王妃陛下の実家は、王妃陛下がどう生きたいか、王妃陛下の実家は何を望んでいるか、によって、対応を決めていけばいいと思う。
揉めるだろうけどさ。」
「揉めるよ。」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。
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