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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
397.マウンテン王国の国王陛下の不調に、心当たりがあります。男心から推測しますと。国王陛下の不調は?
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各国の国王陛下は、女神様の恋人候補なのかな。
マウンテン王国に限らず。
ということは。
「女王がたたないのは、女神様が異性愛者だからなのかなー。」
「ふふふ、ふふふ。」
と上機嫌な女神様。
綺麗な女神様が、優しくしてくれて、自分にだけ、他を圧倒するような力を与えてくれたらさ。
女神様に好かれていると思うよなー。
女神様から見ると、国王陛下は、基本的にしもべ。
しもべの中から、気に入った男を恋人にして楽しんでいるのかな?
ただなー。
女神様だからなー。
国王陛下が、恋人として感じていた時間が、女神様にとっても恋人であった期間とは限らない気はする。
しもべ認識していた男を恋人に引き上げることなんてするかな?
女神様に限らず。
と、考えてみたけれど、残念なことに、オレは、女心に詳しくなかった。
男心から考えてみよう。
国王陛下は、この世界の唯一神、女神様に好かれていると勘違いできる状況にあるのでは?
しもべにするくらいだから、女神様から国王陛下への好きの濃度の違いは、それぞれにあってもさ。
女神様から、嫌われているとは誰も思うまい。
女神様という、手の届かないアイドルが、至れり尽くせりして好意を向けてくれている。
ひょっとして、ひょっとすると。
国王陛下は、こう考えるかもしれない。
女神様は、国王陛下に惚れている、と。
他意なく親切にしてくれた人を、自分のことが好きなんじゃないかと誤解するパターンは、それなりにあると思う。
自分のことを好きな人が気になって、好きになる、ということもある。
苦手になったり、嫌いになることもあるよな。
そこは、人それぞれ。
女神様に惚れられているという、国王陛下の思い込みが、思い込みではなく事実であれば、両片思いだったり、両思いになったり。
女神様に惚れているという思い込みが、本当に、国王陛下の思い込みにすぎなかったら?
オレは、女神様と四人の友達に推測を話してみることにした。
「国王陛下の不調について、オレの推測を聞いてみてくれ。」
「ヒサツグの視点では、どう見えるのかを、わたくしは聞きたい。」
と王姉殿下スナメリ様。
国王陛下の姉の了解が取れたなら、問題ないよな。
「女神様のお気に入りは、今代の国王陛下じゃなく、英雄クロード。
つまり、今代の国王陛下は、女神様の恋人ではない。」
「ふふふ、ふふふ。」
と女神様は、楽しんでいる。
「国王陛下は、女神様が好きなんだと思う。」
「その通り。」
と王姉殿下スナメリ様。
「国王陛下が好きになった理由が、女神様に一目惚れしたから、とか、国王陛下側の積極性にあれば、多分違っていたんだろうけどさ。」
「別の理由なら。
女神様からの働きかけに対して、思いが芽生えたことになるよね?」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。
「働きかけというのは、女神様に会ってもらえることや、女神様から力を授けてもらえることでしょうか?」
と侯爵令嬢ポーリーン・タチバナ。
「女神様が、働きかけてくることは、国王陛下には、あるあるでもさ。
国王陛下は、お父さんが魔王による消失でいなくなって、急遽、即位しただろう?
女神様が、国王という地位にある男性にするべきことをしているだけでも、免疫がない男心は、女神様が惚れているからでは?と考え出す。」
「そんなことがあります?」
と侯爵令嬢ポーリーン・タチバナ。
「親切にされたときに、惚れられているからでは?と考えてしまう人もいる。」
「そういう話は、聞いたことがある。」
と騎士団長の甥イスペル・シャム。
「惚れられていると思ったときに、自分に惚れているだろう相手を好きになることがある。」
「ヒサツグの経験?」
と王姉殿下スナメリ様。
「オレじゃない。
オレの場合は、クロードを構っているうちに、好きになっていた。」
「ヒサツグがノロケた。」
と騎士団長の甥イスペル・シャム。
「オレのノロケは、おいておこうな。
国王陛下は、苦しいときに、女神様に優しくされて、力を与えられた。
女神様が国王陛下に惚れていると勘違いしたことがきっかけで、国王陛下は女神様に惚れたんじゃないかな、とオレは思っている。」
「そんなことがあり得る?」
と王姉殿下スナメリ様は、頭を抱えた。
「国王陛下は、女神様を好きになったけれど、女神様は国王陛下と同じ好きを国王陛下に返さない。
女神様のお気に入りは、クロードだから。
ケレメイン大公国ができて、女神様と引き離されるまで。
国王陛下は、女神様と一緒にいられた。
今は、女神様に会えなくなっただろう?」
「ふふふ、ふふふ。」
と女神様は、笑った。
あ然とする、四人。
「国王陛下の不調は、つまり、女神様への恋わずらい、だと思う。
国王陛下は、惚れた女神様に会えなくなったから、元気をなくしたんじゃないかな?」
「国王陛下の不調が、恋の病?
失恋確定しているんだけど。」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。
マウンテン王国に限らず。
ということは。
「女王がたたないのは、女神様が異性愛者だからなのかなー。」
「ふふふ、ふふふ。」
と上機嫌な女神様。
綺麗な女神様が、優しくしてくれて、自分にだけ、他を圧倒するような力を与えてくれたらさ。
女神様に好かれていると思うよなー。
女神様から見ると、国王陛下は、基本的にしもべ。
しもべの中から、気に入った男を恋人にして楽しんでいるのかな?
ただなー。
女神様だからなー。
国王陛下が、恋人として感じていた時間が、女神様にとっても恋人であった期間とは限らない気はする。
しもべ認識していた男を恋人に引き上げることなんてするかな?
女神様に限らず。
と、考えてみたけれど、残念なことに、オレは、女心に詳しくなかった。
男心から考えてみよう。
国王陛下は、この世界の唯一神、女神様に好かれていると勘違いできる状況にあるのでは?
しもべにするくらいだから、女神様から国王陛下への好きの濃度の違いは、それぞれにあってもさ。
女神様から、嫌われているとは誰も思うまい。
女神様という、手の届かないアイドルが、至れり尽くせりして好意を向けてくれている。
ひょっとして、ひょっとすると。
国王陛下は、こう考えるかもしれない。
女神様は、国王陛下に惚れている、と。
他意なく親切にしてくれた人を、自分のことが好きなんじゃないかと誤解するパターンは、それなりにあると思う。
自分のことを好きな人が気になって、好きになる、ということもある。
苦手になったり、嫌いになることもあるよな。
そこは、人それぞれ。
女神様に惚れられているという、国王陛下の思い込みが、思い込みではなく事実であれば、両片思いだったり、両思いになったり。
女神様に惚れているという思い込みが、本当に、国王陛下の思い込みにすぎなかったら?
オレは、女神様と四人の友達に推測を話してみることにした。
「国王陛下の不調について、オレの推測を聞いてみてくれ。」
「ヒサツグの視点では、どう見えるのかを、わたくしは聞きたい。」
と王姉殿下スナメリ様。
国王陛下の姉の了解が取れたなら、問題ないよな。
「女神様のお気に入りは、今代の国王陛下じゃなく、英雄クロード。
つまり、今代の国王陛下は、女神様の恋人ではない。」
「ふふふ、ふふふ。」
と女神様は、楽しんでいる。
「国王陛下は、女神様が好きなんだと思う。」
「その通り。」
と王姉殿下スナメリ様。
「国王陛下が好きになった理由が、女神様に一目惚れしたから、とか、国王陛下側の積極性にあれば、多分違っていたんだろうけどさ。」
「別の理由なら。
女神様からの働きかけに対して、思いが芽生えたことになるよね?」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。
「働きかけというのは、女神様に会ってもらえることや、女神様から力を授けてもらえることでしょうか?」
と侯爵令嬢ポーリーン・タチバナ。
「女神様が、働きかけてくることは、国王陛下には、あるあるでもさ。
国王陛下は、お父さんが魔王による消失でいなくなって、急遽、即位しただろう?
女神様が、国王という地位にある男性にするべきことをしているだけでも、免疫がない男心は、女神様が惚れているからでは?と考え出す。」
「そんなことがあります?」
と侯爵令嬢ポーリーン・タチバナ。
「親切にされたときに、惚れられているからでは?と考えてしまう人もいる。」
「そういう話は、聞いたことがある。」
と騎士団長の甥イスペル・シャム。
「惚れられていると思ったときに、自分に惚れているだろう相手を好きになることがある。」
「ヒサツグの経験?」
と王姉殿下スナメリ様。
「オレじゃない。
オレの場合は、クロードを構っているうちに、好きになっていた。」
「ヒサツグがノロケた。」
と騎士団長の甥イスペル・シャム。
「オレのノロケは、おいておこうな。
国王陛下は、苦しいときに、女神様に優しくされて、力を与えられた。
女神様が国王陛下に惚れていると勘違いしたことがきっかけで、国王陛下は女神様に惚れたんじゃないかな、とオレは思っている。」
「そんなことがあり得る?」
と王姉殿下スナメリ様は、頭を抱えた。
「国王陛下は、女神様を好きになったけれど、女神様は国王陛下と同じ好きを国王陛下に返さない。
女神様のお気に入りは、クロードだから。
ケレメイン大公国ができて、女神様と引き離されるまで。
国王陛下は、女神様と一緒にいられた。
今は、女神様に会えなくなっただろう?」
「ふふふ、ふふふ。」
と女神様は、笑った。
あ然とする、四人。
「国王陛下の不調は、つまり、女神様への恋わずらい、だと思う。
国王陛下は、惚れた女神様に会えなくなったから、元気をなくしたんじゃないかな?」
「国王陛下の不調が、恋の病?
失恋確定しているんだけど。」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。
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