《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

392.元弟嫁と元弟嫁の国のスパイ派遣方法について話しました。マウンテン王国とケレメイン大公国の成功のためのいい案があるので、聞きませんか?

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ぽかーんから立ち直った王姉殿下スナメリ様。

「どこからの情報?」

「元弟嫁本人が自供した。」

四人の顔がきゅっと引き締まる。

「取り調べをしたのか?」
と騎士団長の甥イスペル・シャム。

「取り調べというより、会話の中で。

元弟嫁は、スパイ活動をすることについて、お金を稼ぐ手段ぐらいにしか考えていないんだよな。」

四人は、びっくり。

「えー。」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。

「国への思いなどはありませんの?」
と侯爵令嬢ポーリーン・タチバナ。

国、うん、国がなー。

「今から話す内容は、この部屋だけにとどめておかないと、トラブルになるのを念頭においてもらってもいいかな?」

他所の国についてのネタだからなー。

「秘密の話だよね。分かった。」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。

「元弟嫁の国の話。

国を出るときに、スパイの登録をすると国から支度金がもらえて、外国での生活の始まりから苦労しなくて済むんだ。

スパイとして訓練されたプロじゃなく、一般人が副業として、国から依頼されたスパイ仕事を引き受ける仕組み。

外国での暮らしの支度金目当てに、ほとんどの国民は登録するらしい。」

俺の話を聞いて、四人は考え込んだ。

「どこ?」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。

「オレは聞いていない。
マウンテン王国が元弟嫁を引き受けるなら、元弟嫁から聞いてくれ。」

四人は、なんで?という顔になった。

「ヒサツグは、どこの国かを聞いていない?」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。

「聞いていない。

副業とはいえ、スパイ行為を働いて発覚した場合、自分がどうなるか、を元弟嫁は、理解していない。

警戒していないから、マウンテン王国が取り調べをするには、もってこいの状態だ。

マウンテン王国で引き取った後は、元弟嫁が愛こんにゃく家の一家に接触しないことと、ケレメイン大公国に二度と元弟嫁が入国しないこと、この二点を守ってくれたらいい。」

「ヒサツグが、そのスパイをオススメする理由は?」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。

「元弟嫁は、愛こんにゃく家の家族が目的じゃない。

マウンテン王国の王家を狙っていた。

そのへんに国外追放するよりも、マウンテン王国と仲良くする手土産として、引き渡す方が、オレ達の役に立たないかな?」

元弟嫁は、ミーレ長官個人の情報じゃなく、王族のミーレ長官を狙っていたとオレは考えている。

オレは、にんまり。

四人もにこにこ。

「ヒサツグ。それ、もらっとくよ。」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。

「ケレメイン大公国とマウンテン王国の友好の証に、ケレメイン大公国は、マウンテン王国をスパイしていた外国人を発見して引き渡すことにする。」

「マウンテン王国とケレメイン大公国の永遠の友好を願って、友好の証を頂戴する。」
と王姉殿下スナメリ様。

「よし。元弟嫁の注意事項を言うぞ。

相手の身分が高いから言うことを聞かないとダメという発想が、全然ない。」

「最低だ。会話が成り立つか心配なタイプだよ。」
と司祭の従兄弟ムール・ドロー。
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