《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

376.オレは、愛こんにゃく家を部下として信頼しています。後ろ盾のない愛こんにゃく家の経歴にキズが残るようなことは避けたいです。

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ここまで話してみて。

愛こんにゃく家と愛こんにゃく家の家族の反応は、様々。

愛こんにゃく家は、想定内という顔をしている。

オレは、愛こんにゃく家を部下に持てたことを自慢したい。

愛こんにゃく家は、純こんにゃく愛に目覚めてから、オレの直属の部下になった。

愛こんにゃく家は、クロードと生きようとするオレが問題にぶつかって四苦八苦する様子を、クロードとは別の視点で見てきた事情通でもある。

愛こんにゃく家は、オレという上司を支えるには、どういう風に接したらいいのか、を考えて接してくれている。

オレが絶対に譲れないという条件を、愛こんにゃく家の家族に提示して、譲れない理由を説明したことに対し。

愛こんにゃく家は、大公妃殿下のおっしゃる通りという態度を示した。

愛こんにゃく家が味方でいてくれるのが、オレは心強い。

クロードは、横から。

愛こんにゃく家は下から支えてくれている。

愛こんにゃく家が、周りから認められていない上司の下についたのは、オレが初めてじゃない。

愛こんにゃく家の前上司、ミーレ長官も、周りから認められていなかった。

ミーレ長官が、長官職を務めてこれたのは、ミーレ長官を長官扱いして従う部下がいたから。

第三者がいる場で。
オレといるときの愛こんにゃく家は、他の誰がオレに従わなかろうが、喧嘩を売ってこようが、オレを敬う態度を崩さない。

オレの悪口は絶対に言わない、悪口に同調もしない愛こんにゃく家。

愛こんにゃく家がオレといるだけで。

オレには、クロード以外の味方が一人はいるんだと、思って頑張れる。

愛こんにゃく家は、自分が味方だから平気だ、と、わざわざオレに言ったりはない。

騒がず、自然に、オレの腹心の部下をしている。

この愛こんにゃく家の仕事に対するスタンスに、オレは何度も助けられてきた。

愛こんにゃく家は、家族の前でも、仕事スタンスを維持している。

マウンテン王国の実家に女神様と帰ったときに、何かを見聞きして、家族に対しても仕事スタンスがいいと判断したのかな。

愛こんにゃく家の家族は、ご両親と二人の弟とその家族。

ご両親と二人の弟は、愛こんにゃく家の血縁だけど、弟二人のお嫁さんは、愛こんにゃく家とは血の繋がりがない。

愛こんにゃく家の二人の弟と相思相愛になって結婚した人達。

マウンテン王国との縁を切るようにと求めたオレに、愛こんにゃく家のお母さんが、どうにかならないか、と聞いた理由は。

多分、二人のお嫁さんのことを考えてだと思う。

オレは、もろ手を挙げて歓迎するから、ケレメイン大公国においで、とは口がさけても言わない。

愛こんにゃく家のお母さんは、二人のお嫁さんの代わりに、里帰りの交渉をしたかったのかもしれない。

オレは。

愛こんにゃく家の家族がどんな結論に達しても。

愛こんにゃく家の家族が結論を出した結果、愛こんにゃく家の家族に恨まれることになったとしても。

この件については、愛こんにゃく家の家族の恨みを引き受けようと思っている。

愛こんにゃく家の家族と仲良くなりたい、とは思うけれどな。

今のオレに、クロード以外の人生を支えるだけの力はまだない。

命令して、命令に従った人だから、守ると言えるだけの力がオレにあれば。

選択を迫るなんてことはしなくて済んだんだけどな。

オレは、何でもないような顔をして待つ。
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