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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
375.愛こんにゃく家の家族も移住に乗り気です。移住には、オレからの最低限の条件をのんでもらわないと受け入れられませんが、いかがでしょうか?
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オレが愛こんにゃく家に、家族との相談を促すと。
「願ってもないお話です。是非お受けさせてください。」
と愛こんにゃく家の父親が頭を下げた。
「状況が良くないのは察したけどなー。
オレの出す最低限条件を聞かせてから、もう一度、返事を聞きたい。」
「お聞かせください。」
と愛こんにゃく家の父親。
「オレの提案を受け入れたなら、マウンテン王国に帰国することも、マウンテン王国の人に会うこともなくなるぞ。
親戚も友人も含めて、縁を切ることになる。」
「いきなりそんな話は。なんとかなりませんか?」
と愛こんにゃく家の母親は、予想外という顔で聞いてきた。
「この条件は、愛こんにゃく家の家族をケレメイン大公国に受け入れる最低条件だから、外せない。
この条件が飲めないなら、この条件が飲める人だけ移住するか、この提案はなかったことにするか、だなー。」
「なかったことに、ですか?それは、あまりにも違いすぎます。」
と愛こんにゃく家の母親は考え込んでいる。
何が、何と違うのかな?
愛こんにゃく家の母親は、スパイの危険性を考えなかったのかなー?
愛こんにゃく家の家族は、ケレメイン大公国でスパイをするように、マウンテン王国で誘われていたんじゃないか、とオレは思っている。
スパイをしたくないから、移住したいのか。
スパイをするために移住したいのか。
それが問題なんだよな。
「最低限の条件は、オレと愛こんにゃく家と愛こんにゃく家の家族を守るための条件だからなー。
この条件がのめないなら、移住は受け入れない。
この条件をのんだ後に、条件を守らなかったら、愛こんにゃく家の家族といえど、特別扱いはしない。」
愛こんにゃく家の母親は、びっくりしっぱなし。
愛こんにゃく家の母親は、愛こんにゃく家の家族だから、無条件に移住を受け入れてくれると考えていたのかもしれないなー。
前のオレならともかく、今のオレは、一味違うんだよな。
この世界での経験を積んだオレは、裏切り者を出さないこと、裏切り者の処罰を中途半端にしないこと、を身を以て学習したばかりだからな。
「オレがこの条件を絶対だという理由の一つは、愛こんにゃく家の家族が、マウンテン王国に、スパイとして利用されるのを防ぐため。
愛こんにゃく家の家族を直接スパイとして利用されるのを防ぎたい。
家族の交友関係をスパイに利用されることも防ぎたい。
愛こんにゃく家の家族が、ケレメイン大公国にいたら全部じゃなくても、オレに把握できることもある。
でも、マウンテン王国から、愛こんにゃく家の家族に来るお客さんまで、オレには把握しきれない。
愛こんにゃく家の家族が、オレの把握していない関係からスパイに加担するという問題を起こした場合。
オレと愛こんにゃく家と愛こんにゃく家の三人とも、困った事態になる。
愛こんにゃく家の家族は、スパイに協力したとして罰される。
愛こんにゃく家には、家族がスパイと交流したのを許したとして、オレが罰を与えないといけなくなる。
オレは、信頼できる部下の愛こんにゃく家を失い、オレの評判を落とす事態を招きたくないんだよな。」
オレは、愛こんにゃく家の母親に、最低限の条件を遵守してもらう理由について説明した。
日本だと、部下が起こした不祥事について、上司が管理責任を問われる構図だよなー。
「もう一つは、スパイ疑惑をケレメイン大公国から抱かせないため。
疑われる材料は、最初から作らない、作らせない。
潔白の証明には、やましいことをしないだけでなく、やましいように見えることをしないことが重要だからな。
何があってもなくても、最初から最後まで、愛こんにゃく家の家族は疑われやすい立場になる。」
「綺麗事ではないお話をお聞かせくださり、ありがとうございます。」
と愛こんにゃく家の父親。
愛こんにゃく家の父親は、オレの懸念を理解している。
正直に言ってしまおう。
「疑われて泣き暮らすだけなら、ケレメイン大公国に移住してこられても、オレは面倒を見ない。
オレの下につき、オレを裏切らないとはっきりしている者以外、オレは庇わない。」
大公妃殿下としての権限があっても、今のオレに従う人はあまりいない。
オレが、庇っても意味をなさないから、オレが庇う状況を作らないようにするのがベスト。
オレが庇うと、馴れ合っている、と受け取られる可能性が高いんだよな。
大公妃殿下としてのオレの権威を傷つけるから、内情は打ち明けないけどさ。
相手にしません、と四六時中やられると、胸がじくじくするぞ。
表には出さないようにしているけどなー。
「願ってもないお話です。是非お受けさせてください。」
と愛こんにゃく家の父親が頭を下げた。
「状況が良くないのは察したけどなー。
オレの出す最低限条件を聞かせてから、もう一度、返事を聞きたい。」
「お聞かせください。」
と愛こんにゃく家の父親。
「オレの提案を受け入れたなら、マウンテン王国に帰国することも、マウンテン王国の人に会うこともなくなるぞ。
親戚も友人も含めて、縁を切ることになる。」
「いきなりそんな話は。なんとかなりませんか?」
と愛こんにゃく家の母親は、予想外という顔で聞いてきた。
「この条件は、愛こんにゃく家の家族をケレメイン大公国に受け入れる最低条件だから、外せない。
この条件が飲めないなら、この条件が飲める人だけ移住するか、この提案はなかったことにするか、だなー。」
「なかったことに、ですか?それは、あまりにも違いすぎます。」
と愛こんにゃく家の母親は考え込んでいる。
何が、何と違うのかな?
愛こんにゃく家の母親は、スパイの危険性を考えなかったのかなー?
愛こんにゃく家の家族は、ケレメイン大公国でスパイをするように、マウンテン王国で誘われていたんじゃないか、とオレは思っている。
スパイをしたくないから、移住したいのか。
スパイをするために移住したいのか。
それが問題なんだよな。
「最低限の条件は、オレと愛こんにゃく家と愛こんにゃく家の家族を守るための条件だからなー。
この条件がのめないなら、移住は受け入れない。
この条件をのんだ後に、条件を守らなかったら、愛こんにゃく家の家族といえど、特別扱いはしない。」
愛こんにゃく家の母親は、びっくりしっぱなし。
愛こんにゃく家の母親は、愛こんにゃく家の家族だから、無条件に移住を受け入れてくれると考えていたのかもしれないなー。
前のオレならともかく、今のオレは、一味違うんだよな。
この世界での経験を積んだオレは、裏切り者を出さないこと、裏切り者の処罰を中途半端にしないこと、を身を以て学習したばかりだからな。
「オレがこの条件を絶対だという理由の一つは、愛こんにゃく家の家族が、マウンテン王国に、スパイとして利用されるのを防ぐため。
愛こんにゃく家の家族を直接スパイとして利用されるのを防ぎたい。
家族の交友関係をスパイに利用されることも防ぎたい。
愛こんにゃく家の家族が、ケレメイン大公国にいたら全部じゃなくても、オレに把握できることもある。
でも、マウンテン王国から、愛こんにゃく家の家族に来るお客さんまで、オレには把握しきれない。
愛こんにゃく家の家族が、オレの把握していない関係からスパイに加担するという問題を起こした場合。
オレと愛こんにゃく家と愛こんにゃく家の三人とも、困った事態になる。
愛こんにゃく家の家族は、スパイに協力したとして罰される。
愛こんにゃく家には、家族がスパイと交流したのを許したとして、オレが罰を与えないといけなくなる。
オレは、信頼できる部下の愛こんにゃく家を失い、オレの評判を落とす事態を招きたくないんだよな。」
オレは、愛こんにゃく家の母親に、最低限の条件を遵守してもらう理由について説明した。
日本だと、部下が起こした不祥事について、上司が管理責任を問われる構図だよなー。
「もう一つは、スパイ疑惑をケレメイン大公国から抱かせないため。
疑われる材料は、最初から作らない、作らせない。
潔白の証明には、やましいことをしないだけでなく、やましいように見えることをしないことが重要だからな。
何があってもなくても、最初から最後まで、愛こんにゃく家の家族は疑われやすい立場になる。」
「綺麗事ではないお話をお聞かせくださり、ありがとうございます。」
と愛こんにゃく家の父親。
愛こんにゃく家の父親は、オレの懸念を理解している。
正直に言ってしまおう。
「疑われて泣き暮らすだけなら、ケレメイン大公国に移住してこられても、オレは面倒を見ない。
オレの下につき、オレを裏切らないとはっきりしている者以外、オレは庇わない。」
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オレが、庇っても意味をなさないから、オレが庇う状況を作らないようにするのがベスト。
オレが庇うと、馴れ合っている、と受け取られる可能性が高いんだよな。
大公妃殿下としてのオレの権威を傷つけるから、内情は打ち明けないけどさ。
相手にしません、と四六時中やられると、胸がじくじくするぞ。
表には出さないようにしているけどなー。
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