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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

369.逃げたクロードの手は、画板と紙と鉛筆を用意しました。高貴な者は、閨の記録をとるそうです。クロードは、絵を、オレは文字を担当します。

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オレは、オレの失言について、弁解を頑張るぞ!

「クロード、違うからな、いや、してほしいことは違わないけど。」

クロードが、複雑そうになっている。

「クロード。

オレは、クロードに触られたい。

オレがクロードに触られたいのは、オレがクロードを愛しているから。

クロードが触ってくれるから、愛しているんじゃない。

クロードの体が目当てじゃなく、クロードと仲良くしていたいから、クロードに触られたい。」

手を使わせて、みたいなつもりは、ないからな?

「ヒサツグは、私の手がいなくても平気か?」
とクロードは、オレが握っている手を引き抜こうとする。

「平気じゃない。中断しないで、このまま。」

オレは、クロードの手にとりすがった。

「このままこすると、ヒサツグは達してしまうと言った。」
とクロード。

「言ったなー。クロードは、オレに言わないで欲しかったのかな?」

言ったのが、ダメだったのかな?

「ヒサツグが、私の手で、微笑みを赤らめ、目を潤ませ、熱い吐息をもらし、私のモノを締め付けていた。

私は、私の手でヒサツグが気持ちよくなる姿を記録に残していくことにした。

記録する間は、ヒサツグの分身を可愛がるのは、休憩する。」
とクロード。

「記録?記録って、夫婦生活の記録?」

何月何日、営み有り。

みたいな?

「高貴な身分の者は、閨の記録を欠かさない。」
とクロード。

「クロードが言うなら。
記録は、オレも書くのかな?」

「ヒサツグは、気持ちよさが長続きしたとき、達したときのきっかけを書き出してほしい。」
とクロード。

閨の記録って。

オレが思っていたのと、だいぶ違うなー。

「終わってからでいいのかな?」

「ヒサツグは、終わってからで、私は今。」
とクロード。

「え?今?クロードだけ、終わってからじゃないのは理由があるのかな?」

「ある。」
クロードは、ロッキングチェアにかかっているシーツの下から、画板と紙と鉛筆を取り出した。

「私は、これから、達する前のヒサツグを描いて、ヒサツグが後で書いた記録文書と合わせ、一冊にまとめて保管する。」
とクロード。

クロード?

実録、団地妻の昼間のなんちゃら、みたいな、告白本に絵がついている本を作成する気じゃないよなー?

クロードの目がとらえているのは、オレの分身。

イラストに、キノコが並んでいる閨の記録はアリなのかな?

クロードは、真剣にオレの分身をスケッチしている。

オレ、この世界の常識を学ばないとな。

ロッキングチェアがゆらゆらするから、モデルになっているのに、ぷるぷると動いてしまう。

オレの分身は、モデル経験がないからな。

「クロード、動いたら、描きにくいだろうけど、ぷるぷるするのは、ぷるぷるするものだから、と思って描いてくれ。」

「ヒサツグの分身がぷるぷるするところを描く。」
とクロード。

ゆらゆら揺れるロッキングチェア。

合わせて揺れるオレ。

ゆらゆら、ゆらゆら。

中をズルズル、ゆらゆら、ズルズル。

も、もどかしい。

動きたい、動いてほしい。

クロードが描き終わるまでは、耐えるぞ。

オレは、中をずりずりされる刺激にもどかしくなりながら、耐えた。

耐えた甲斐があって、クロード画伯は、キノコを描き終えた。

「クロード、もういいかなー?」

オレは、待ちきれなくなって、尻をぐっとしめてみた。

オレは、準備万端。

「ヒサツグ、緩めてほしい。」
とクロード。

オレは、クロードのお願いに合わせて、緩めることを意識してみる。

「ヒサツグ、こちらの方が動きやすい。」
とクロード。

締め付けたら、ギチギチになっていたから、動きにくくなったよな、ごめん、クロード。

動いてほしいのに、動けなくしていたなー。

クロードが、ロッキングチェアの揺れを活かし、激しめに腰を揺らす。

ガツ、ガツと突き当たってくる。

オレの頭の中が、気持ちいい、に統一される。

「あ、クロード。い、今の、きた、いい。」

クロードは、腰を揺らす状態から、腰を突き上げてきた。

奥、奥まで、キタ!

「ヒサツグが、私を感じているところを、私はもっと見たい。」
とクロード。

クロード、そんな風に煽られたら、オレは。

何度も。下から激しくクロードに突き上げられる。

「ヒサツグ。」

ロッキングチェアの揺れと相まって、経験したことがない快感がオレを押し上げてきた。

「あ、いい、いい。クロード、クロード。気持ちいい。クロード、こんなことされたら、ズクズクになる!」

オレは、頭の中を真っ白にして、気持ちよく放出した。 

クロードの肩に頭を乗せて、クロードの胸板にのしかかるようにもたれていたオレは、出し切った後に気づいた。

焦らされすぎたのと、久しぶりだったのとで、オレにしては、多めに出したんだと思う。

クロードが描いたキノコの絵の上に、オレの出した飛沫が飛んでいた。
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