《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

367.開発されるよりも、気持ち良いことがあります。愛している人から愛されることです。

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オレは、クロードに認識を修正してもらいたい。

「クロードと、思いを伝えて、思いを返して生きていけたら、オレは気持ちいい。」

「伴侶の私が、ヒサツグを気持ちよくなるポイントを開発し尽くす。」
とクロード。

手強いな、クロード。

「オレもクロードの気持ちよくなるポイントを開発するぞ。」

「ヒサツグが気持ちよくなるポイントが、私を気持ちよくする。」
とクロード。

分かった。

クロードが、オレに気持ちよくなるポイントを見つけて開発して、オレに長いこと気持ちよくなってもらいたい、と考えるに至った理由。

オレを幸せにしたいからかなー。

「クロード。
オレは、気持ちいいことをクロードとするのが好きだ。

愛している人に愛されている行為だからこそ、気持ちいいことが幸せなんだからな?

オレを幸せにしたいのなら、クロードは、オレの体を開発するより、オレとの夫婦生活を楽しんでほしいぞ、オレは。」

オレは、腹の中にあるクロードのモノを包みこんでよしよしするところをイメージしながら、ゆらゆら揺れている。

ゆらゆら、ゆらゆら。

オレの分身が、泣きそうだ。

『ねえ?
ねえ、まだ?

まだ、触ってもらえない?

元気をなくしちゃいそうだよ。』

クロードの心臓の上にオレの掌をあてる。

オレは、クロードの手を握って、オレの心臓の上にクロードの掌を当てた。

「クロードがオレのことを愛しているということを、オレは知っている。

オレがクロードを愛しているということを、クロードは知っている。」

「ヒサツグ。」
クロードは、オレの唇を腫らす勢いでキスしてくる。

クロードに唇を貪られているオレ。

苦しい。

幸せだけど、苦しい。

苦しい中で、オレは、オレの心臓の上に置いていたクロードの手を、そろそろと下におろしていく。

『気づいてください。

気づいてください。

忘れられそうになっていますが、ここにいます。

ここで、構ってくれるのを待っています。

どこにもいかずに待っています。』

オレの分身が、己の悲哀を弾き語りし始めそう。

オレは、おろしたクロードの手を、オレの分身にあてた。

クロードが、己の手の感触に気づいた。

クロードの手には、オレの分身がすりすり。

オレの分身は、クロードの手をナンパしている。

『よく来てくれたね。

キミの名前を教えてよ。

オレは、ヒサツグの人生の相棒様。

ヒサツグは、最近尻で気持ちよくなることを覚えたようだけど。

ヒサツグが気持ちよくなるときの元祖はオレ。

オレ抜きにして、ヒサツグの快感を語るべからず。

何しろ、オレは、ヒサツグ自身が何度も育ててきて快感を一番堪能している。

いわば、熟練の域にいる経験者。

新参者の尻には負けない。』

闘志をもやす、オレの分身。

オレも、分身も、期待している。

クロードの頼もしい手に。

「クロード。
オレは、オレのモノを、クロードに愛してほしい。

クロードの手で、オレのモノを包みこんで、上下にそっと手を動かしてくれないかなー。」
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