《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

358.クロードが、オレにベッドは使用できないと言いました。クロードは、ベッドを使ったある計画を実行していたのです。オレ版ダヴィデ像？

オレはひかない。
「ロッキングチェアじゃなくても、ベッドがある。」

「ヒサツグ、今日は、ロッキングチェアで愛し合う日。

ベッドは、今日、使用しない。」
とクロードもひかない。

「オレはベッドの安心感が大好きだぞ？」

この戦い、不利だけど負けないぞ。

オレが意気込んでいたら。

「ヒサツグ。ベッドは今、使用できない。」
とクロード。

「さっき、使ったよな？」

「さっきの今では、まだ、時間が足りない。固まるまで時間がかかる。」
とクロード。

「固まる？何が？」

ベッドで固まるものなんか、あったかな？

「ヒサツグの背中側の型取りをした。」
とクロード。

「型取り？」

銅板に手を押して手形をとる方じゃないよな？

シーツがベッドにかかっている。

型取りするものと、オレの間には、シーツがある。

シーツを挟んで型取りしても、シーツの型取りなりかねない。

「今日は背中側。次は顔を含む前面の型取りをする。」
とクロード。

しれっと、次の型取りの話をしているぞ？

「オレの型取りをしているんだよな？何に使うのかなー？」

「ヒサツグの像を作る。」
とクロード。

像を作るのは、貴族として経済を回したり、文化を育てるための一貫かもしれない。

「像というからには、飾るよな？

クロード。

オレは、ベッドに全裸で寝転がっている状態で型取りをしたことになるよな？

全裸のオレの像をどこに飾る予定なのかな？」

オレ版ダヴィデ像をどこに置こうとしているのかな？

「屋敷の玄関口のよく見えるところに。」
とクロード。

オレ版ダヴィデ像が芸術品の扱い？

「屋敷の玄関にあったら、出入りするオレ達も、お客さんも、オレの全裸の像を見ながら、出入りすることになるよな？

いくら芸術的価値が高くても、オレの全裸像であるというだけで、オレにとっては、恥ずかしいものナンバーワンだぞ。

像を作るなら、着衣で作ろう。」

「ヒサツグが心配しなくても、ヒサツグの全身は私の好みなので、隠す必要がない。」
とクロード。

クロード、心配はしていない。

「悪い、クロード。

恥じらいがあるオレは、自分の全裸像を飾るのは、避けたい。

なんで、オレの全裸像を飾ることを思いついたのかなー？」

「貴族は、好きなものを作らせて、飾る。
私の好きなものは、ヒサツグ。」
とクロード。

好きなもの、好きなものかー。

オレが、好きだと言われたら、反対しにくいけどなー。

オレの全裸像だから、しまい込む方向で。

「クロード、ベッドを使えない理由は理解した。
でも、オレの全裸像を飾る場所は、一緒に検討させてくれ。」

クロードから譲歩を引き出すしかないよな。

製造中止は、大公直々なだけに難しいからなー。

「勿論。ヒサツグの素晴らしいさを一目で分かるように場所に。」
とご機嫌なクロード。

オレの全裸像の良さは、一目で見ただけでは分からない場所に置きたいなー。

そうこうしているうちに。

クロードは、オレを抱き上げて、シーツをかけたロッキングチェアに、オレを座らせた。

「今のヒサツグに、一番合っている。」
とクロード。

クロード、オレは、合っていたくないぞ？

ロッキングチェアで始めるのか？