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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
352.クロードは、密かに計画を立てていました。今日のクロードがオレを可愛がろうとするまでに時間がかかった理由は、タペストリーだったのです。
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オレには、元神子様のカズラくんがいるように、クロードにも、付かず離れずで付き合える友人が一人くらいいたら、今よりも楽になりそうな気がするんだよなー。
クロードのマウンテン王国の友人は、友人の皮をかぶったなんとやら、だったからさ。
しがらみ抜きで、利益になるなら協力する、くらいのスタンスの同性の友人がいると、肩の力を抜くことができる。
今のカズラくんが、オレにとっての、肩の力を抜ける相手。
オレもカズラくんも、互いに対する責任は持たない。
寄りかからない、寄りかからせない。
協力には、利益と見返りを。
オレとカズラくんは、互いのために、自立した関係を維持すると決めているる。
「クロード、ドリアン王国の侯爵子息が、クロードに忖度しないから、クロードが心のままに話をして、クロードと侯爵子息は互いに意見を出し合えたんだよな?
侯爵子息が、きっちり仕事をする人なら、これから、程よい距離感を探していけるといいなー。」
「仕事はしていた。私と話をしながら。」
とクロード。
胸派と尻派の激論を交わしながら、仕事ができるのは、優秀だと思う。
クロードと対等に話ができる人がいるのは助かる。
特に、国外では。
クロードの立場はまだ不安定だからな。
ドリアン王国の侯爵子息については、後にしよう。
ベッドタイムは、このままオレのリードで。
「クロード。オレ達はいつも通りに愛し合うのがいいと思う。」
「今日は、いつもと違うことをヒサツグとする。」
とクロード。
まだ、切っていないスイッチが、クロードにはあったのかなー?
入りっぱなしだったのかなー?
入りっぱなしのスイッチは、なんのスイッチかなー?
「クロード。今日はって言ったよな?
今日のオレ達は、何をするのかなー?
どうして、今日はいつもと違うことをしたいのか、クロードが教えてくれないかなー?」
オレは、クロードの背中を上から下から撫でている。
温かくて、撫でているだけで、幸福感を味わえる。
クロードの背中は気持ちいいなー。
「私達のタペストリーを作ることにした。」
とクロード。
タペストリー。
ほう。
「城に飾るんだよな?
タペストリーが、今日のプレイとどう関係してくるのかなー?」
マウンテン王国の王都邸にいるとき、ケレメイン公爵家の紋章のタペストリーがかかっているのを見たぞ。
ケレメイン大公家の城にも、紋章のタペストリーはかかっている。
「私とヒサツグの夫婦の日常を、タペストリーに残すことにした。」
とクロード。
この世界の王侯貴族は、家族写真の代わりに、絵やタペストリーを作る。
「夫婦の日常。
食卓での食事や、散歩している場面かなー。」
「それでは、ありきたり過ぎる。」
とクロード。
うーん、一捻りがほしいのか。
クロードは、生粋の貴族だから、目が肥えているもんな。
オレは、中学の美術の教科書レベルしか知らないけれど。
美術はなー、好きか嫌いかしか、感想がないから、良し悪しのポイントが一つも分からない。
そんなオレに、タペストリーの美を語るのは、難しい。
「ありきたりが大事なこともあるけど、一捻りするなら、生地に工夫するとか、特殊な織り方をするとかは、どうかな?」
オレは、美術じゃなく、技術で話をしようとした。
「食事を私達の日常の風景にしてしまうには、物足りない。」
とクロード。
普段の食事は、絵にすると映えないからなー。
「クロードの希望は何かな?」
「私とヒサツグが営む姿を。」
とクロード。
オレは、己の耳を疑った。
「クロード。
オレとクロードの夫婦生活をタペストリーにしたい、とそう聞こえた気がするんだけど、聞き間違いだよなー?」
冗談は、言わないクロードなので、是非、聞き間違いで。
もしくは、言い間違いであってほしい。
「聞き間違いではない。
私とヒサツグの愛の交歓をタペストリーにする。
ヒサツグ。
今日は、構図を決めるために長丁場を覚悟してほしい。」
とクロード。
か、か、覚悟なんて、してたまるかー!
自分の性交場面をタペストリーに?
クロード!
オレには、露出趣味もなければ、記録して見直す趣味もないぞ?
ましてや、見て、オレ抱かれているんだ、このときは、なかなかイかせてもらえなくて、とか、タペストリー見ながら、誰かと話なんて、絶対しないぞ!
しないからな!
オレは、ガクブルした。
クロード。
十八禁ショップにしかないようなタペストリーを城のどこにかける気だ?
「それは、なかったことにしないかなー?」
クロードのマウンテン王国の友人は、友人の皮をかぶったなんとやら、だったからさ。
しがらみ抜きで、利益になるなら協力する、くらいのスタンスの同性の友人がいると、肩の力を抜くことができる。
今のカズラくんが、オレにとっての、肩の力を抜ける相手。
オレもカズラくんも、互いに対する責任は持たない。
寄りかからない、寄りかからせない。
協力には、利益と見返りを。
オレとカズラくんは、互いのために、自立した関係を維持すると決めているる。
「クロード、ドリアン王国の侯爵子息が、クロードに忖度しないから、クロードが心のままに話をして、クロードと侯爵子息は互いに意見を出し合えたんだよな?
侯爵子息が、きっちり仕事をする人なら、これから、程よい距離感を探していけるといいなー。」
「仕事はしていた。私と話をしながら。」
とクロード。
胸派と尻派の激論を交わしながら、仕事ができるのは、優秀だと思う。
クロードと対等に話ができる人がいるのは助かる。
特に、国外では。
クロードの立場はまだ不安定だからな。
ドリアン王国の侯爵子息については、後にしよう。
ベッドタイムは、このままオレのリードで。
「クロード。オレ達はいつも通りに愛し合うのがいいと思う。」
「今日は、いつもと違うことをヒサツグとする。」
とクロード。
まだ、切っていないスイッチが、クロードにはあったのかなー?
入りっぱなしだったのかなー?
入りっぱなしのスイッチは、なんのスイッチかなー?
「クロード。今日はって言ったよな?
今日のオレ達は、何をするのかなー?
どうして、今日はいつもと違うことをしたいのか、クロードが教えてくれないかなー?」
オレは、クロードの背中を上から下から撫でている。
温かくて、撫でているだけで、幸福感を味わえる。
クロードの背中は気持ちいいなー。
「私達のタペストリーを作ることにした。」
とクロード。
タペストリー。
ほう。
「城に飾るんだよな?
タペストリーが、今日のプレイとどう関係してくるのかなー?」
マウンテン王国の王都邸にいるとき、ケレメイン公爵家の紋章のタペストリーがかかっているのを見たぞ。
ケレメイン大公家の城にも、紋章のタペストリーはかかっている。
「私とヒサツグの夫婦の日常を、タペストリーに残すことにした。」
とクロード。
この世界の王侯貴族は、家族写真の代わりに、絵やタペストリーを作る。
「夫婦の日常。
食卓での食事や、散歩している場面かなー。」
「それでは、ありきたり過ぎる。」
とクロード。
うーん、一捻りがほしいのか。
クロードは、生粋の貴族だから、目が肥えているもんな。
オレは、中学の美術の教科書レベルしか知らないけれど。
美術はなー、好きか嫌いかしか、感想がないから、良し悪しのポイントが一つも分からない。
そんなオレに、タペストリーの美を語るのは、難しい。
「ありきたりが大事なこともあるけど、一捻りするなら、生地に工夫するとか、特殊な織り方をするとかは、どうかな?」
オレは、美術じゃなく、技術で話をしようとした。
「食事を私達の日常の風景にしてしまうには、物足りない。」
とクロード。
普段の食事は、絵にすると映えないからなー。
「クロードの希望は何かな?」
「私とヒサツグが営む姿を。」
とクロード。
オレは、己の耳を疑った。
「クロード。
オレとクロードの夫婦生活をタペストリーにしたい、とそう聞こえた気がするんだけど、聞き間違いだよなー?」
冗談は、言わないクロードなので、是非、聞き間違いで。
もしくは、言い間違いであってほしい。
「聞き間違いではない。
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ヒサツグ。
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とクロード。
か、か、覚悟なんて、してたまるかー!
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ましてや、見て、オレ抱かれているんだ、このときは、なかなかイかせてもらえなくて、とか、タペストリー見ながら、誰かと話なんて、絶対しないぞ!
しないからな!
オレは、ガクブルした。
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「それは、なかったことにしないかなー?」
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