352 / 673
第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
352.クロードは、密かに計画を立てていました。今日のクロードがオレを可愛がろうとするまでに時間がかかった理由は、タペストリーだったのです。
しおりを挟む
オレには、元神子様のカズラくんがいるように、クロードにも、付かず離れずで付き合える友人が一人くらいいたら、今よりも楽になりそうな気がするんだよなー。
クロードのマウンテン王国の友人は、友人の皮をかぶったなんとやら、だったからさ。
しがらみ抜きで、利益になるなら協力する、くらいのスタンスの同性の友人がいると、肩の力を抜くことができる。
今のカズラくんが、オレにとっての、肩の力を抜ける相手。
オレもカズラくんも、互いに対する責任は持たない。
寄りかからない、寄りかからせない。
協力には、利益と見返りを。
オレとカズラくんは、互いのために、自立した関係を維持すると決めているる。
「クロード、ドリアン王国の侯爵子息が、クロードに忖度しないから、クロードが心のままに話をして、クロードと侯爵子息は互いに意見を出し合えたんだよな?
侯爵子息が、きっちり仕事をする人なら、これから、程よい距離感を探していけるといいなー。」
「仕事はしていた。私と話をしながら。」
とクロード。
胸派と尻派の激論を交わしながら、仕事ができるのは、優秀だと思う。
クロードと対等に話ができる人がいるのは助かる。
特に、国外では。
クロードの立場はまだ不安定だからな。
ドリアン王国の侯爵子息については、後にしよう。
ベッドタイムは、このままオレのリードで。
「クロード。オレ達はいつも通りに愛し合うのがいいと思う。」
「今日は、いつもと違うことをヒサツグとする。」
とクロード。
まだ、切っていないスイッチが、クロードにはあったのかなー?
入りっぱなしだったのかなー?
入りっぱなしのスイッチは、なんのスイッチかなー?
「クロード。今日はって言ったよな?
今日のオレ達は、何をするのかなー?
どうして、今日はいつもと違うことをしたいのか、クロードが教えてくれないかなー?」
オレは、クロードの背中を上から下から撫でている。
温かくて、撫でているだけで、幸福感を味わえる。
クロードの背中は気持ちいいなー。
「私達のタペストリーを作ることにした。」
とクロード。
タペストリー。
ほう。
「城に飾るんだよな?
タペストリーが、今日のプレイとどう関係してくるのかなー?」
マウンテン王国の王都邸にいるとき、ケレメイン公爵家の紋章のタペストリーがかかっているのを見たぞ。
ケレメイン大公家の城にも、紋章のタペストリーはかかっている。
「私とヒサツグの夫婦の日常を、タペストリーに残すことにした。」
とクロード。
この世界の王侯貴族は、家族写真の代わりに、絵やタペストリーを作る。
「夫婦の日常。
食卓での食事や、散歩している場面かなー。」
「それでは、ありきたり過ぎる。」
とクロード。
うーん、一捻りがほしいのか。
クロードは、生粋の貴族だから、目が肥えているもんな。
オレは、中学の美術の教科書レベルしか知らないけれど。
美術はなー、好きか嫌いかしか、感想がないから、良し悪しのポイントが一つも分からない。
そんなオレに、タペストリーの美を語るのは、難しい。
「ありきたりが大事なこともあるけど、一捻りするなら、生地に工夫するとか、特殊な織り方をするとかは、どうかな?」
オレは、美術じゃなく、技術で話をしようとした。
「食事を私達の日常の風景にしてしまうには、物足りない。」
とクロード。
普段の食事は、絵にすると映えないからなー。
「クロードの希望は何かな?」
「私とヒサツグが営む姿を。」
とクロード。
オレは、己の耳を疑った。
「クロード。
オレとクロードの夫婦生活をタペストリーにしたい、とそう聞こえた気がするんだけど、聞き間違いだよなー?」
冗談は、言わないクロードなので、是非、聞き間違いで。
もしくは、言い間違いであってほしい。
「聞き間違いではない。
私とヒサツグの愛の交歓をタペストリーにする。
ヒサツグ。
今日は、構図を決めるために長丁場を覚悟してほしい。」
とクロード。
か、か、覚悟なんて、してたまるかー!
自分の性交場面をタペストリーに?
クロード!
オレには、露出趣味もなければ、記録して見直す趣味もないぞ?
ましてや、見て、オレ抱かれているんだ、このときは、なかなかイかせてもらえなくて、とか、タペストリー見ながら、誰かと話なんて、絶対しないぞ!
しないからな!
オレは、ガクブルした。
クロード。
十八禁ショップにしかないようなタペストリーを城のどこにかける気だ?
「それは、なかったことにしないかなー?」
クロードのマウンテン王国の友人は、友人の皮をかぶったなんとやら、だったからさ。
しがらみ抜きで、利益になるなら協力する、くらいのスタンスの同性の友人がいると、肩の力を抜くことができる。
今のカズラくんが、オレにとっての、肩の力を抜ける相手。
オレもカズラくんも、互いに対する責任は持たない。
寄りかからない、寄りかからせない。
協力には、利益と見返りを。
オレとカズラくんは、互いのために、自立した関係を維持すると決めているる。
「クロード、ドリアン王国の侯爵子息が、クロードに忖度しないから、クロードが心のままに話をして、クロードと侯爵子息は互いに意見を出し合えたんだよな?
侯爵子息が、きっちり仕事をする人なら、これから、程よい距離感を探していけるといいなー。」
「仕事はしていた。私と話をしながら。」
とクロード。
胸派と尻派の激論を交わしながら、仕事ができるのは、優秀だと思う。
クロードと対等に話ができる人がいるのは助かる。
特に、国外では。
クロードの立場はまだ不安定だからな。
ドリアン王国の侯爵子息については、後にしよう。
ベッドタイムは、このままオレのリードで。
「クロード。オレ達はいつも通りに愛し合うのがいいと思う。」
「今日は、いつもと違うことをヒサツグとする。」
とクロード。
まだ、切っていないスイッチが、クロードにはあったのかなー?
入りっぱなしだったのかなー?
入りっぱなしのスイッチは、なんのスイッチかなー?
「クロード。今日はって言ったよな?
今日のオレ達は、何をするのかなー?
どうして、今日はいつもと違うことをしたいのか、クロードが教えてくれないかなー?」
オレは、クロードの背中を上から下から撫でている。
温かくて、撫でているだけで、幸福感を味わえる。
クロードの背中は気持ちいいなー。
「私達のタペストリーを作ることにした。」
とクロード。
タペストリー。
ほう。
「城に飾るんだよな?
タペストリーが、今日のプレイとどう関係してくるのかなー?」
マウンテン王国の王都邸にいるとき、ケレメイン公爵家の紋章のタペストリーがかかっているのを見たぞ。
ケレメイン大公家の城にも、紋章のタペストリーはかかっている。
「私とヒサツグの夫婦の日常を、タペストリーに残すことにした。」
とクロード。
この世界の王侯貴族は、家族写真の代わりに、絵やタペストリーを作る。
「夫婦の日常。
食卓での食事や、散歩している場面かなー。」
「それでは、ありきたり過ぎる。」
とクロード。
うーん、一捻りがほしいのか。
クロードは、生粋の貴族だから、目が肥えているもんな。
オレは、中学の美術の教科書レベルしか知らないけれど。
美術はなー、好きか嫌いかしか、感想がないから、良し悪しのポイントが一つも分からない。
そんなオレに、タペストリーの美を語るのは、難しい。
「ありきたりが大事なこともあるけど、一捻りするなら、生地に工夫するとか、特殊な織り方をするとかは、どうかな?」
オレは、美術じゃなく、技術で話をしようとした。
「食事を私達の日常の風景にしてしまうには、物足りない。」
とクロード。
普段の食事は、絵にすると映えないからなー。
「クロードの希望は何かな?」
「私とヒサツグが営む姿を。」
とクロード。
オレは、己の耳を疑った。
「クロード。
オレとクロードの夫婦生活をタペストリーにしたい、とそう聞こえた気がするんだけど、聞き間違いだよなー?」
冗談は、言わないクロードなので、是非、聞き間違いで。
もしくは、言い間違いであってほしい。
「聞き間違いではない。
私とヒサツグの愛の交歓をタペストリーにする。
ヒサツグ。
今日は、構図を決めるために長丁場を覚悟してほしい。」
とクロード。
か、か、覚悟なんて、してたまるかー!
自分の性交場面をタペストリーに?
クロード!
オレには、露出趣味もなければ、記録して見直す趣味もないぞ?
ましてや、見て、オレ抱かれているんだ、このときは、なかなかイかせてもらえなくて、とか、タペストリー見ながら、誰かと話なんて、絶対しないぞ!
しないからな!
オレは、ガクブルした。
クロード。
十八禁ショップにしかないようなタペストリーを城のどこにかける気だ?
「それは、なかったことにしないかなー?」
9
お気に入りに追加
1,818
あなたにおすすめの小説

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
【完結】冷血孤高と噂に聞く竜人は、俺の前じゃどうも言動が伴わない様子。
N2O
BL
愛想皆無の竜人 × 竜の言葉がわかる人間
ファンタジーしてます。
攻めが出てくるのは中盤から。
結局執着を抑えられなくなっちゃう竜人の話です。
表紙絵
⇨ろくずやこ 様 X(@Us4kBPHU0m63101)
挿絵『0 琥』
⇨からさね 様 X (@karasane03)
挿絵『34 森』
⇨くすなし 様 X(@cuth_masi)
◎独自設定、ご都合主義、素人作品です。



【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺
福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。
目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。
でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい…
……あれ…?
…やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ…
前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。
1万2000字前後です。
攻めのキャラがブレるし若干変態です。
無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形)
おまけ完結済み

身代わりになって推しの思い出の中で永遠になりたいんです!
冨士原のもち
BL
桜舞う王立学院の入学式、ヤマトはカイユー王子を見てここが前世でやったゲームの世界だと気付く。ヤマトが一番好きなキャラであるカイユー王子は、ゲーム内では非業の死を遂げる。
「そうだ!カイユーを助けて死んだら、忘れられない恩人として永遠になれるんじゃないか?」
前世の死に際のせいで人間不信と恋愛不信を拗らせていたヤマトは、推しの心の中で永遠になるために身代わりになろうと決意した。しかし、カイユー王子はゲームの時の印象と違っていて……
演技チャラ男攻め×美人人間不信受け
※最終的にはハッピーエンドです
※何かしら地雷のある方にはお勧めしません
※ムーンライトノベルズにも投稿しています

麗しの眠り姫は義兄の腕で惰眠を貪る
黒木 鳴
BL
妖精のように愛らしく、深窓の姫君のように美しいセレナードのあだ名は「眠り姫」。学園祭で主役を演じたことが由来だが……皮肉にもそのあだ名はぴったりだった。公爵家の出と学年一位の学力、そしてなによりその美貌に周囲はいいように勘違いしているが、セレナードの中身はアホの子……もとい睡眠欲求高めの不思議ちゃん系(自由人なお子さま)。惰眠とおかしを貪りたいセレナードと、そんなセレナードが可愛くて仕方がない義兄のギルバート、なんやかんやで振り回される従兄のエリオットたちのお話し。完結しました!

転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!
音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに!
え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!!
調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる