《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

351.クロードが、急に路線変更するのは、おかしいと気づきました。きっかけは、ドリアン王国の侯爵子息でした。スカウトしましょうか。

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「クロードは、今まで、オレの尻一筋だったのに、何があったら、オレの慎ましやかな胸をつまんでみたくなったのかな?」

疑問しかない。

浮気とは言わないけれど、今までのクロードなら、そっちにいくとは思わなかったから、何か怪しい気がするんだよなー。

冷静になってみると、クロードは尻の方が好きだろ?どうした?無理するな。と言いたくなった。

好みというか、フェチな部分は、簡単には変わらないんじゃないかとオレは思う。

脚線美、二の腕、ヘソ、鎖骨、とか。

フェチにも色々あるけれど、好きなものは、どうしたって好き。

学生のときに聞いた話だけどさ。

尻派と胸派が意見を戦わせていると、両方堪能したらいいという第三勢力が風雲児のように現れた。

その後は、尻と胸以外派が雨後の筍のように増えた。

フェチの多様性について論文がかけそうになったけれど、オモテに出さないから楽しいんだ、と先輩が言っていた。

尻派のクロードが、胸派に宗旨替え?

両方なら、まだ分かるけど胸だけ、というのは、クロードらしくない!とオレは思った。

「クロードが、オレの尻好きなのは、クロードの本能だから、ずっと好きでいいんだぞ。

むしろ、オレの尻をずっと好きでいてくれたら、オレは嬉しいな。

オレに、クロードから、尻を愛される喜びを、これからも噛み締めさせてほしい。

クロードが、尻だけじゃなく、オレの胸に興味を持ったきっかけは何かな?」

クロードがオレの尻を愛して生きることは、クロードの生き方そのもの、オレはオレの尻を愛されて喜んでいると伝え、クロードを安心させた。

クロードは、オレの慎ましやかな胸を愛そうと考えた理由を話してくれた。

ドリアン王国の侯爵子息とクロードは、仕事をしながら激論を戦わせていたらしい。

「私は、ヒサツグの尻の唯一無二さを語った。

ドリアン王国の侯爵子息は、女体の柔らかい二つのまあるいお椀型の膨らみと、その先に乗っかっている苺について語った。」
とクロード。

「お椀型の膨らみの先にある苺?

ドリアン王国の侯爵子息は、見たことがあるのかな?」

特徴を語りすぎると、お相手が特定されるんじゃないかな。

「実際に見たかどうか、という発言は、一切なかった。

お椀型の膨らみの柔らかさは、女性の二の腕と同じだと言われている、触ってみたことはあるか?
と聞いてきた。」
とクロード。

「ドリアン王国の侯爵子息は、女性の二の腕を触ってみたことがあるのかな?」

「煙に巻かれた。」
とクロード。

クロードは実体験を熱弁し、ドリアン王国の侯爵子息は、女体へのほとばしる激情ではなく、ワンダーランドな妄想を語っていたような気がするぞ、オレは。

ドリアン王国の侯爵子息がクロードに語った内容から察するに、ドリアン王国の侯爵子息は経験者じゃない。

性の知識はあっても、実際に女性の服の下は、見たことがないと思われる。

ドリアン王国の侯爵子息も結婚する時期には、実践で教えてもらえるのかもしれない。

この世界の王侯貴族は、婚前交渉には、慎重だ。

王侯貴族の家では、誰の子か分からないという事態は歓迎されない。

政略結婚がある世界だから、政略結婚の意味がなくなる行いは、良しとされない。

クロードは、まだ見ぬ女性の胸万歳なドリアン王国の侯爵子息に、オレの慎ましやかな胸が勝つと示したかったらしい。

フェチな部分で勝敗をつけるのは、無謀だと思うぞ。

でも、いいことを聞いたなー。

ドリアン王国の侯爵子息は、クロードと対等に言い合える人物だ。

ドリアン王国との外交はこれから。

クロード相手に率直な意見が言える人物は希少。

忖度なしで、クロードと話ができる人。

ドリアン王国の侯爵子息、クロードの友人にならないかな?

オレは、スカウトしたいぞ。
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