《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

文字の大きさ
上 下
342 / 667
第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

342.お邪魔虫には、二人で立ち向かいます。夫婦ですから。悪評は肥やしにして、君臨してみせます、クロードの隣で。

しおりを挟む
「ヒサツグ。愛している。」
クロードは、オレのつむじに鼻を寄せて呼吸している。

身内での理解し合えない論争で、相手をねじ伏せるか、相互理解を諦めるか、に行き着いても、クロードには何の足しにもならない。

そういう踏んだり踏んづけたりは、オレがやる。

オレは、悪妻だからな。

悪評が増えて、尾ヒレと背ビレがついても、泳ぎだす前に捕まえて、三枚におろすから、クロードは心配しなくていいぞ。

クロードを疲れさせた、今日の部下には、疲れたとは言わせないからなー。

久しぶりに、保護者のオレ降臨。

『うちのクロードに、何を言ってくれたのかな?
オレの前でも同じ話をしてみようか?』
をしようと思うんだけどなー。

クロードが、オレをがっつり抱き込んでいて、身動きがとれない。

まずは、クロードにオレという味方がいると安心させよう。

「クロード。
オレは、寝ても覚めてもクロードといたい。
オレの一生は、クロードと共に、と決めているからな。
どんなお邪魔虫が来たって、クロードには、オレがいる。

オレもクロードも、お邪魔虫と戦うときは、一人じゃなくていい。

勿論、一人で戦っても構わない。

オレとクロードは、夫婦なんだから、二人で力を合わせて、お邪魔虫を撃退したって、いいんだ。」

オレは、クロードに抱きしめられながら、手を伸ばして、クロードの髪を撫でてやる。

オレは、伴侶でもあり、保護者でもある。

クロードには、保護者役もするぞ、なんて言わないけれどさ。

「クロード。
オレは、何にでもなってやる。
クロードが、オレと生きるためなら、どんな悪評だろうと、肥やしにして、クロードの隣に、力強く君臨してみせる。

オレは、クロードに元気で長生きしてほしいからな。

クロードも、クロードの心も、オレは一人にしない。

オレは、クロードありきで、生きている。

クロードには、忘れないでほしい。

オレの決意も覚悟も。

クロードとこの世界で生きていくためのものだからな。

クロードとオレは、どんなお邪魔虫にも負けないぞ。」

クロードが、オレのつむじから鼻を離した。

オレは、クロードの顔を両手で挟む。

「愛しているぞ、クロード。

楽しい夫婦生活を始める前に、楽しくない懸念材料を片付けておきたい。

クロードは、オレの背中を守ってくれるかな?」

クロードは、破顔した。

気が張っていたんだな。

よしよし、もう、大丈夫だぞ、クロード。

保護者のオレがついているからな。

オレは、クロードの腕の中で、反転する。

クロードに背中を預けて、というよりも、背中側から抱きしめられている構図だけどな。

さて、クロードの今日の部下と話をするぞ!
しおりを挟む
感想 84

あなたにおすすめの小説

どうしてこうなった?(ショートから短編枠にしたもの)

エウラ
BL
3歳で魔物に襲われて両親を亡くし、孤児院育ちの黒髪黒目で童顔のノヴァは前世の記憶持ちの異世界転生者だ。現在27歳のCランク冒険者。 魔物に襲われたときに前世の記憶が甦ったが、本人は特にチートもなく平々凡々に過ごしていた。そんなある日、年下22歳の若きSランク冒険者のアビスと一線を越える出来事があり、そこで自分でも知らなかった今世の過去を知ることになり、事態は色々動き出す。 若干ストーカー気味なわんこ系年下冒険者に溺愛される自己評価の低い無自覚美人の話。 *以前ショート専用の枠で書いてましたが話数増えて収拾がつかなくなったので短編枠を作って移動しました。 お手数おかけしますがよろしくお願いいたします。 なお、プロローグ以降、途中まではショートの投稿分をまるっと載せるのでそちらと重複します。ご注意下さい。出来次第投稿する予定です。 こちらはR18には*印付けます。(でも忘れたらすみません)

どうも、卵から生まれた魔人です。

べす
BL
卵から生まれる瞬間、人間に召喚されてしまった魔人のレヴィウス。 太った小鳥にしか見えないせいで用無しと始末されそうになった所を、優しげな神官に救われるのだが…

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

実はαだった俺、逃げることにした。

るるらら
BL
 俺はアルディウス。とある貴族の生まれだが今は冒険者として悠々自適に暮らす26歳!  実は俺には秘密があって、前世の記憶があるんだ。日本という島国で暮らす一般人(サラリーマン)だったよな。事故で死んでしまったけど、今は転生して自由気ままに生きている。  一人で生きるようになって数十年。過去の人間達とはすっかり縁も切れてこのまま独身を貫いて生きていくんだろうなと思っていた矢先、事件が起きたんだ!  前世持ち特級Sランク冒険者(α)とヤンデレストーカー化した幼馴染(α→Ω)の追いかけっ子ラブ?ストーリー。 !注意! 初のオメガバース作品。 ゆるゆる設定です。運命の番はおとぎ話のようなもので主人公が暮らす時代には存在しないとされています。 バースが突然変異した設定ですので、無理だと思われたらスッとページを閉じましょう。 !ごめんなさい! 幼馴染だった王子様の嘆き3 の前に 復活した俺に不穏な影1 を更新してしまいました!申し訳ありません。新たに更新しましたので確認してみてください!

嫌われ者の長男

りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

αからΩになった俺が幸せを掴むまで

なの
BL
柴田海、本名大嶋海里、21歳、今はオメガ、職業……オメガの出張風俗店勤務。 10年前、父が亡くなって新しいお義父さんと義兄貴ができた。 義兄貴は俺に優しくて、俺は大好きだった。 アルファと言われていた俺だったがある日熱を出してしまった。 義兄貴に看病されるうちにヒートのような症状が… 義兄貴と一線を超えてしまって逃げ出した。そんな海里は生きていくためにオメガの出張風俗店で働くようになった。 そんな海里が本当の幸せを掴むまで…

愛などもう求めない

白兪
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。 「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」 「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」 目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。 本当に自分を愛してくれる人と生きたい。 ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。  ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。 最後まで読んでいただけると嬉しいです。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

処理中です...