《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

文字の大きさ
上 下
339 / 667
第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

339.女神様がいないすきに、クロードを誘いにきました。クロード、今すぐは、今いる場所で、じゃないぞ。今からベッドに行こう、が正解だからな?

しおりを挟む
桃の節句プランの説明をして、全員の理解が及んだので、愛こんにゃく家に家族を迎えに行かせることにした。

「女神様。愛こんにゃく家にくっついて、愛こんにゃく家の家族が、愛息子の結婚式に臨む様子を愛こんにゃく家と並んで見てくるといい。」

愛こんにゃく家に女神様をくっつけたのは、愛こんにゃく家の宣伝と、安全のため。

女神様がくっついている愛こんにゃく家に手を出せないだろうなー。

どちらさんも、大人しく、指をくわえて、待てをするはず。

マウンテン王国内に、愛こんにゃく家の家族を迎えにいっても、迎えが愛こんにゃく家だけだと、マウンテン王国から出国できなくなる可能性を懸念していた。

女神様が顕現されて、愛こんにゃく家を気に入って、ついて回っているとなれば、愛こんにゃく家の目的を邪魔することは、女神様の意向にそぐわないことになる。

女神様が張り付いているおかげで、愛こんにゃく家と愛こんにゃく家の家族が、マウンテン王国からケレメイン大公国へ来るのに、なんの障害もなくなった。

ケレメイン大公国内でも、各国の優秀なスパイは、優秀であればあるほど、愛こんにゃく家にちょっかいをかけられなくなる。

各国の国王陛下と女神様の関係を知っていたら、愛こんにゃく家を雑に扱うことは、女神様の不興を買うという可能性に思い当たるからな。

ケレメイン大公国では、優秀なスパイの暗躍により、事情を知らないような、訓練上がりのスパイは排除され、愛こんにゃく家の身の安全は、守られる算段。


愛こんにゃく家が、家族を連れてくる間に、オレは、サーバル王国側と打ち合わせを終え、クロードを捕獲しにいった。

捕獲だ、捕獲。

オレの伴侶は、オレが捕まえないと、つかまらないんだからな。

「クロード。捕まえたぞ。」
オレは、クロードを待ち伏せして、ガバっと前から抱きついてやった。

「捕まった。」
と嬉しそうなクロード。

「クロード様に遊んでいる暇は、ありません。

ヒサツグ様は、ヒサツグ様のお仕事がありましたよ?終わりましたか?」
と、クロードと一緒にいるクロードの部下が、オレを邪険にしてくる。

「人間、仕事ばかりじゃ潰れる。

仕事があるのは、ありがたいことだけどな。

クロードが、何も言わないからと、あれもこれもと詰め込んで、クロードを仕事漬けに追い込むな。」

マウンテン王国にいたときに見たクロードは、毎日を仕事に押しつぶされて、仕事以外の全てを犠牲にしていた。

クロード自身までも。

クロードの若さとポテンシャルで乗り切れただけだからな。

オレがいながら、二の舞を踏ませてたまるか!

「仕事がありすぎて、終わりません。」
とクロードの部下。

オレに、意見するのは、けっこうだけどな?

「仕事を全部、クロードに渡して、クロードに働かせて終わらせました、というくらいしかしないなら、あんたはいてもいなくてもいいよなー。

クロードの優秀さに甘えて、クロードを犠牲にすることを当たり前にするな。

なんのために、自分がいるか、考えろ。

仕事は、しないと終わらない。
誰の仕事が終わらないのかな?

あんたの仕事をしたという満足感をあげるために、クロードを仕事漬けにするっというのは、あんたに、今の職務をこなす能力が足りていないと白状しているのと同義だよな?」

クロードの周囲も人の入れ替わりがあるからなー。

教育的指導の手はゆるめないぞ、オレは。

仕事ができるから、できない人の分も、もっと頑張ってくれ、が通る職場にはしないからな、オレは。

まして、部下が、上司に寄生とか、あり得ないからな。

ギリギリとオレを睨みつける、本日のクロードの部下。

「仕事だけで人生が終わらないような、配分や、取捨選択をクロードができるように、クロードを支えるのが、あんたの仕事だ。

四時間ほど、クロードを預かるから、自分の抱えている仕事を洗い出して、食事してから出直してこい。

さあ、いった、いった!」

「クロード様の命令でなければ。」
とクロードの部下は立ち去らない。

おう。強気だな。

よし、そっちが、その気なら。

オレは、本丸を落とす。

「クロード。オレは、女神様が張り付いていないすきに、クロードとの時間を確保したい。

目まぐるしすぎて、触れ合いタイムでさえ、ろくに確保できていなかったからな。

オレがクロード不足になって、そのへんで、クロードに襲いかかる前に、オレとクロードは四時間ほど体を馴染ませる必要がある、オレには。」

オレは、抱きつきながら、クロードの顔を見上げた。

「ヒサツグ。今すぐなら、ここでだって、問題はない。ヒサツグに使う香油なら携帯している。」
とクロード。

廊下で?

オレには問題しかないぞ、クロード。
しおりを挟む
感想 84

あなたにおすすめの小説

どうしてこうなった?(ショートから短編枠にしたもの)

エウラ
BL
3歳で魔物に襲われて両親を亡くし、孤児院育ちの黒髪黒目で童顔のノヴァは前世の記憶持ちの異世界転生者だ。現在27歳のCランク冒険者。 魔物に襲われたときに前世の記憶が甦ったが、本人は特にチートもなく平々凡々に過ごしていた。そんなある日、年下22歳の若きSランク冒険者のアビスと一線を越える出来事があり、そこで自分でも知らなかった今世の過去を知ることになり、事態は色々動き出す。 若干ストーカー気味なわんこ系年下冒険者に溺愛される自己評価の低い無自覚美人の話。 *以前ショート専用の枠で書いてましたが話数増えて収拾がつかなくなったので短編枠を作って移動しました。 お手数おかけしますがよろしくお願いいたします。 なお、プロローグ以降、途中まではショートの投稿分をまるっと載せるのでそちらと重複します。ご注意下さい。出来次第投稿する予定です。 こちらはR18には*印付けます。(でも忘れたらすみません)

堕とされた悪役令息

SEKISUI
BL
 転生したら恋い焦がれたあの人がいるゲームの世界だった  王子ルートのシナリオを成立させてあの人を確実手に入れる  それまであの人との関係を楽しむ主人公  

嫌われものの僕について…

相沢京
BL
平穏な学校生活を送っていたはずなのに、ある日突然全てが壊れていった。何が原因なのかわからなくて気がつけば存在しない扱いになっていた。 だか、ある日事態は急変する 主人公が暗いです

どうも、卵から生まれた魔人です。

べす
BL
卵から生まれる瞬間、人間に召喚されてしまった魔人のレヴィウス。 太った小鳥にしか見えないせいで用無しと始末されそうになった所を、優しげな神官に救われるのだが…

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

実はαだった俺、逃げることにした。

るるらら
BL
 俺はアルディウス。とある貴族の生まれだが今は冒険者として悠々自適に暮らす26歳!  実は俺には秘密があって、前世の記憶があるんだ。日本という島国で暮らす一般人(サラリーマン)だったよな。事故で死んでしまったけど、今は転生して自由気ままに生きている。  一人で生きるようになって数十年。過去の人間達とはすっかり縁も切れてこのまま独身を貫いて生きていくんだろうなと思っていた矢先、事件が起きたんだ!  前世持ち特級Sランク冒険者(α)とヤンデレストーカー化した幼馴染(α→Ω)の追いかけっ子ラブ?ストーリー。 !注意! 初のオメガバース作品。 ゆるゆる設定です。運命の番はおとぎ話のようなもので主人公が暮らす時代には存在しないとされています。 バースが突然変異した設定ですので、無理だと思われたらスッとページを閉じましょう。 !ごめんなさい! 幼馴染だった王子様の嘆き3 の前に 復活した俺に不穏な影1 を更新してしまいました!申し訳ありません。新たに更新しましたので確認してみてください!

【完結】悪役令息の役目は終わりました

谷絵 ちぐり
BL
悪役令息の役目は終わりました。 断罪された令息のその後のお話。 ※全四話+後日談

嫌われ者の長男

りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

処理中です...