《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

334.オレは、営業畑と販売畑にいる人達の指導トークを思い出しました。大公妃のオレは、ケレメイン大公国の人事担当、兼、営業担当。

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オレは、王女様とサーバル王国の人に、移動を促す。

「執務室、ずべし?」
と王女様。

女神様の裁定が下った姿を見られるから、移動することに抵抗があるんだな。

王女様とサーバル王国の人の裁定後の姿は、時間が進むにつれて、ケレメイン大公国とサーバル王国の友好の証のトレードマークになるとオレは思うけど、今言うことじゃないな。

オレは、移動をためらう面々に、真面目くさった顔で、当然だよねムーブをかます。

「クロードとオレが手掛ける国をあげての、初めての国家事業だぞ?

こそこそしてどうする?

全員、覚悟しろ。
忌憚のない意見を出してもらうぞ?

オレに忖度する気は、微塵もないだろうけど、提案時点で忖度するな、とは一応言っておく。

打ち合わせ後は、愛こんにゃく家の家族を迎えにいって、愛息子の結婚式の準備に備えさせつつ、結婚式準備。

愛こんにゃく家の結婚式が成功に終わってから、サーバル王国勢は、帰国する流れだからな。

愛こんにゃく家と家族の希望を聞く時間を確保するために、オレの執務室に着いたら、結婚式のために必要なこと、した方がいいこと、オススメを聞く。

全員、オレの執務室まで歩きながら、考えをまとめるように。

さあ、出発!

オレについて来い。」

オレは、サーバル王国の王女様とサーバル王国の人を引き連れて、部屋を出た。

オレは仕事で、営業や販売はしてこなかった。

今のオレは、歩きながら、営業職と販売職の指導トークを思い出している。

『顧客予定者が営業トークを聞く態勢になったタイミングを逃すな。

そのタイミングを逃したら、どんないい話もうまくいかなくなる。
タイミングをよめ!
見極めろ。
ここだと思ったら、突っ込め。』

当時のオレは、無茶言うな、と思って聞いていた。

『突っ込んでダメだったら、どうするのかな?』

『骨を拾う代わりに、ダメだった原因を突き止めて、次に活かせばいい。』

熱血なだけじゃなかった。
質問したときの返事がまともで、オレは驚いたなー。

『空気をよむ力、相手の感情の機微に気づく力なんだ。備わっていないなら、経験を積んで、鍛えるほかない。』
と言われて初めて、鍛えるのはそこだったのか、と目から鱗だった。

『お客様がこちらの話を聞くサインを出したときに、耳をつかみにいくんだ!』
というのを聞いたときは、心じゃなくて、耳なんだなー、とぼんやり思っていたことも唐突に思い出した。

今日は、日本で働いていた時間をよく思い出すなー。

『営業も販売も、一方通行じゃ数字は上がらんのよ、売買は、話し手と聞き手の共同作業だから。』
と語っていた猛者の言葉がリピートしている。

オレ自身が、今、まさに、営業している心境になっているからなんだろうなー。

興味がわいたら、もっと興味を持たせる。

購買意欲が出てきたら、実際に買いたくなるような後押しをする。

オレは、対人スキルで異世界を生き抜いているような気がする。

初めての外交を成功させるぞ!

愛こんにゃく家の結婚式が、どんなものになるか、オレ自身全然想像できていないけど、愛こんにゃく家の結婚式は、一生に一度だからな。

愛こんにゃく家の満足のいくものにしたい。

こんにゃくの満足度は?

こんにゃくの気持ちは、愛こんにゃく家が幸せなら幸せだと思う。

念のため、愛こんにゃくに、こんにゃくの気持ちや希望を確認しておく方がいいのかな?
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