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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
322.オレは、この世界の常識に外れた振る舞いをしていたようです。ケレメイン大公国が属国扱いされた理由と、オレを嘘つきと断じてきた理由。
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オレの属国発言は、憶測じゃなかったようだ。
サーバル王国の王女様も、外交団の団員も、属国という単語を否定しようとはしなかった。
属国認識で合っていたのかな。
この世界に、下剋上はあっても、植民地の概念はない。
国同士が争って、雌雄を決した場合、敗けた国は、勝った国の属国になることがある。
国同士の争いごとの決着の一つとして存在する。
女神様の意にそぐわない国王殺しをせずに領土を拡大していくため、人が編み出した抜け道。
女神様は、独立国が属国になっても、頓着しない性分だとオレは思う。
世界各国の歴代の国王陛下に、女神様の性質を知り尽くして公開するような御仁がいなかったから、知られていないだけで。
女神様のお怒りを買わなかったということは、女神様が認めたという証拠、という人の屁理屈で、属国はよし、としてきた歴史が、この世界にはある。
サーバル王国の王女様と外交団は、この期に及んで、ケレメイン大公国の属国化をまだ諦めていないんじゃないよな。
「大公国、ずべし?
公爵が独立国家、ずべし?
一介の公爵が国主として立つ、ずべし?」
と王女様。
王女様は、世間知らずな若者の主張を一刀両断する常識人のように振る舞っている。
サーバル王国の外交団の団員も王女様に同調して、オレに対して、コイツ馬鹿だな、という感情を隠しきれていない。
オレの暮らしていた世界の常識で導き出した結論は、この世界における非常識だったのかな。
クロードがオレに賛成して大公国を興したのは、女神様の影響を排除するためだった。
カズラくんの前の神子様で魔王となってしまった女性の思いを実現しようと突き進んできたクロードの望みを叶えるのに、一番いい方法だとオレは思ったんだ。
国王を戴かない国を興すことが。
この世界の誰にも受け入れられないくらいの非常識だったのかな?
今まで、大公国というものが存在しなかったのは、この世界の住人が考えつかなかったからじゃなく。
クロードは、知っていたんだろうな。
クロードは、非常識だと分かっていて、大公国を興した。
オレは、この世界の常識を持っていなかった。
だから、クロードに掟破りの大公国興しを提案した。
常識を知っていたら提案しなかったかもしれない。
リスキーな提案だからな。
サーバル王国勢がケレメイン大公国を軽く見ている理由は、ケレメイン大公国を独立国として認めていなかったから。
ケレメイン大公国に対しては、国を自称する集まり。
マウンテン王国が、主権を放棄した地域。
そのぐらいの認識だから、ケレメイン大公国の要望など、最初からまともに取り合う気がなく、サーバル王国の属国として支配下におくことにためらいがなかった。
オレは、思考を整理しているうちに、嘘つきと呼ばれた理由に思い当たることが出来た。
オレの人物評価が、嘘つきになるのは、オレ自身の振る舞いをこの世界の住人目線で評価した結果。
非常識をクロードに飲み込ませ、クロードを騙して意のままに従わせ、クロードに与えられた権力で好き勝手する異世界から来た詐欺師。
オレを嘘つきだと断ずるのは、血統が悪くない世間知らずな若者クロードを詐欺師的な手法を使って、騙した嘘つき、ということ。
サーバル王国の人だけじゃなく、ケレメイン大公家の使用人が、オレの言うことに取り合わないわけだ。
オレは、大公国を興すようにクロードを唆したと見なされているんだな。
オレは、クロードを認めている人にとって、クロードに道を誤らせた詐欺師。
よし、分かったぞ。
オレは、最底辺にあるオレ自身の評価を上げていかなきゃならないわけだな。
クロードと共に、オレとクロードの満足する未来を歩むために。
「クロード様の祖母は、マウンテン王国の王女殿下。
国主たるには弱い、ずべし。
マウンテン王国の王女殿下のお孫様のクロード様は、正統な王統の力添えがあれば、問題なく国主たりえる、ずべし。」
と王女様。
今は王女様にこんなことを言われているが、王女様以外に、今後、同じことは言わせないぞ。
サーバル王国の王女様も、外交団の団員も、属国という単語を否定しようとはしなかった。
属国認識で合っていたのかな。
この世界に、下剋上はあっても、植民地の概念はない。
国同士が争って、雌雄を決した場合、敗けた国は、勝った国の属国になることがある。
国同士の争いごとの決着の一つとして存在する。
女神様の意にそぐわない国王殺しをせずに領土を拡大していくため、人が編み出した抜け道。
女神様は、独立国が属国になっても、頓着しない性分だとオレは思う。
世界各国の歴代の国王陛下に、女神様の性質を知り尽くして公開するような御仁がいなかったから、知られていないだけで。
女神様のお怒りを買わなかったということは、女神様が認めたという証拠、という人の屁理屈で、属国はよし、としてきた歴史が、この世界にはある。
サーバル王国の王女様と外交団は、この期に及んで、ケレメイン大公国の属国化をまだ諦めていないんじゃないよな。
「大公国、ずべし?
公爵が独立国家、ずべし?
一介の公爵が国主として立つ、ずべし?」
と王女様。
王女様は、世間知らずな若者の主張を一刀両断する常識人のように振る舞っている。
サーバル王国の外交団の団員も王女様に同調して、オレに対して、コイツ馬鹿だな、という感情を隠しきれていない。
オレの暮らしていた世界の常識で導き出した結論は、この世界における非常識だったのかな。
クロードがオレに賛成して大公国を興したのは、女神様の影響を排除するためだった。
カズラくんの前の神子様で魔王となってしまった女性の思いを実現しようと突き進んできたクロードの望みを叶えるのに、一番いい方法だとオレは思ったんだ。
国王を戴かない国を興すことが。
この世界の誰にも受け入れられないくらいの非常識だったのかな?
今まで、大公国というものが存在しなかったのは、この世界の住人が考えつかなかったからじゃなく。
クロードは、知っていたんだろうな。
クロードは、非常識だと分かっていて、大公国を興した。
オレは、この世界の常識を持っていなかった。
だから、クロードに掟破りの大公国興しを提案した。
常識を知っていたら提案しなかったかもしれない。
リスキーな提案だからな。
サーバル王国勢がケレメイン大公国を軽く見ている理由は、ケレメイン大公国を独立国として認めていなかったから。
ケレメイン大公国に対しては、国を自称する集まり。
マウンテン王国が、主権を放棄した地域。
そのぐらいの認識だから、ケレメイン大公国の要望など、最初からまともに取り合う気がなく、サーバル王国の属国として支配下におくことにためらいがなかった。
オレは、思考を整理しているうちに、嘘つきと呼ばれた理由に思い当たることが出来た。
オレの人物評価が、嘘つきになるのは、オレ自身の振る舞いをこの世界の住人目線で評価した結果。
非常識をクロードに飲み込ませ、クロードを騙して意のままに従わせ、クロードに与えられた権力で好き勝手する異世界から来た詐欺師。
オレを嘘つきだと断ずるのは、血統が悪くない世間知らずな若者クロードを詐欺師的な手法を使って、騙した嘘つき、ということ。
サーバル王国の人だけじゃなく、ケレメイン大公家の使用人が、オレの言うことに取り合わないわけだ。
オレは、大公国を興すようにクロードを唆したと見なされているんだな。
オレは、クロードを認めている人にとって、クロードに道を誤らせた詐欺師。
よし、分かったぞ。
オレは、最底辺にあるオレ自身の評価を上げていかなきゃならないわけだな。
クロードと共に、オレとクロードの満足する未来を歩むために。
「クロード様の祖母は、マウンテン王国の王女殿下。
国主たるには弱い、ずべし。
マウンテン王国の王女殿下のお孫様のクロード様は、正統な王統の力添えがあれば、問題なく国主たりえる、ずべし。」
と王女様。
今は王女様にこんなことを言われているが、王女様以外に、今後、同じことは言わせないぞ。
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