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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
319.王女様に理解していただきましょう。王女様がクロードと結婚することになっていたというなら、王女様が動く時期は今じゃありませんでしたよ。
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王女様は、何をふざけたことを言っている!という顔をして、オレを睨んでいる。
王女様は、オレがすっとぼけている、と思っているんだろうなー。
王女様にとってのオレは、クロードをかっさらった、どこぞの馬の骨。
オレとクロードの視点からは、真逆の展開なんだよなー。
王女様は、オレとクロードに、どんな風に見られているか分かっていない。
女神様の裁定が下った文官らしい人達は、どの程度、把握しているのかなー。
情報を小出しにして、確認していくのが一番かな。
サーバル王国の人達をケレメイン大公国の大使館で気持ちよく働かせるヒントが、王女様の言動の内側に隠れているかもしれない。
オレは、王女様の恋のライバルではないんだと、王女様に認識してもらうところからかな。
「オレとクロードは、クロードがマウンテン王国の公爵だったときに、マウンテン王国の国王陛下の承認をもらって、出会いから一週間で入籍している。」
オレとクロードの入籍は、完全に、オレの意思に反していたなー。
道理が引っ込む、という言葉は、オレの入籍を説明するためにあると思うぞ。
「そんな前に、ずべし。」
と驚く王女様。
出会って一週間で入籍という出来事を字面だけで考えたら、燃え盛るフォーリンラブを想像するよな。
「マウンテン王国の国王陛下は、入籍前に一度、オレと面談しただけで、オレとクロードの結婚を承認したぞ。」
入籍後、国王陛下に刺客を送りつけられたけどな。
「オレが、この経験から言えることは、一つ。
マウンテン王国の公爵だったクロードの結婚相手について、サーバル王国の王女様の名前は、マウンテン王国も、ケレメイン公爵クロード本人も把握していなかった、ということ。」
「クロード様が、わたくしとの結婚を把握していなかった、ずべし?」
と王女様は驚愕した。
驚愕する王女様とは対象的に、サーバル王国の人は驚かない。
「そもそもの話。王女様に、クロードと結婚する予定があったなら、王女様が押しかけてくる時期は、今じゃない。」
「いつなら良かったと、ずべし。」
と王女様。
「オレがこちらに来た時点で、王女様とクロードの結婚はなかった。」
「どうして、そのようなことが言える、ずべし。」
と真剣な王女様。
「オレは、クロードが結婚する相手として、世界を越えた。」
王女様とオレの会話に聞き耳立てていたサーバル王国の人は、一斉に女神様を見た。
そうだよ。
オレは、女神様が、クロードと結婚するのに相応しいと認めた相手。
女神様も、マウンテン王国の国王陛下同様、オレをどうにかしたいと動いていたのは懐かしいなー。
命を狙われたことについての和解はしないぞ。
「オレがこちらに来る前に、王女様とクロードの結婚が成立していないなら、クロードとの結婚話は、王女様の勘違いだったと言える。」
王女様は、抵抗した。
「結婚した時期と結婚を公表した時期が合わない、ずべし。」
と王女様。
遡って、記録を改ざんしたんじゃないか、と疑っているのかな?
「ケレメイン大公妃がオレだと喧伝したのは最近の話だな。
ケレメイン大公国が独立国家として進むため。
マウンテン王国は、オレとクロードの婚姻の事実を隠していない。
ケレメイン公爵の伴侶がオレだということは、マウンテン王国の王侯貴族に秘されていなかったぞ。」
神子様だったカズラくんには、ナイショにされていたけどな。
さて。
王女様の主張を聞くぞ?
王女様は、オレがすっとぼけている、と思っているんだろうなー。
王女様にとってのオレは、クロードをかっさらった、どこぞの馬の骨。
オレとクロードの視点からは、真逆の展開なんだよなー。
王女様は、オレとクロードに、どんな風に見られているか分かっていない。
女神様の裁定が下った文官らしい人達は、どの程度、把握しているのかなー。
情報を小出しにして、確認していくのが一番かな。
サーバル王国の人達をケレメイン大公国の大使館で気持ちよく働かせるヒントが、王女様の言動の内側に隠れているかもしれない。
オレは、王女様の恋のライバルではないんだと、王女様に認識してもらうところからかな。
「オレとクロードは、クロードがマウンテン王国の公爵だったときに、マウンテン王国の国王陛下の承認をもらって、出会いから一週間で入籍している。」
オレとクロードの入籍は、完全に、オレの意思に反していたなー。
道理が引っ込む、という言葉は、オレの入籍を説明するためにあると思うぞ。
「そんな前に、ずべし。」
と驚く王女様。
出会って一週間で入籍という出来事を字面だけで考えたら、燃え盛るフォーリンラブを想像するよな。
「マウンテン王国の国王陛下は、入籍前に一度、オレと面談しただけで、オレとクロードの結婚を承認したぞ。」
入籍後、国王陛下に刺客を送りつけられたけどな。
「オレが、この経験から言えることは、一つ。
マウンテン王国の公爵だったクロードの結婚相手について、サーバル王国の王女様の名前は、マウンテン王国も、ケレメイン公爵クロード本人も把握していなかった、ということ。」
「クロード様が、わたくしとの結婚を把握していなかった、ずべし?」
と王女様は驚愕した。
驚愕する王女様とは対象的に、サーバル王国の人は驚かない。
「そもそもの話。王女様に、クロードと結婚する予定があったなら、王女様が押しかけてくる時期は、今じゃない。」
「いつなら良かったと、ずべし。」
と王女様。
「オレがこちらに来た時点で、王女様とクロードの結婚はなかった。」
「どうして、そのようなことが言える、ずべし。」
と真剣な王女様。
「オレは、クロードが結婚する相手として、世界を越えた。」
王女様とオレの会話に聞き耳立てていたサーバル王国の人は、一斉に女神様を見た。
そうだよ。
オレは、女神様が、クロードと結婚するのに相応しいと認めた相手。
女神様も、マウンテン王国の国王陛下同様、オレをどうにかしたいと動いていたのは懐かしいなー。
命を狙われたことについての和解はしないぞ。
「オレがこちらに来る前に、王女様とクロードの結婚が成立していないなら、クロードとの結婚話は、王女様の勘違いだったと言える。」
王女様は、抵抗した。
「結婚した時期と結婚を公表した時期が合わない、ずべし。」
と王女様。
遡って、記録を改ざんしたんじゃないか、と疑っているのかな?
「ケレメイン大公妃がオレだと喧伝したのは最近の話だな。
ケレメイン大公国が独立国家として進むため。
マウンテン王国は、オレとクロードの婚姻の事実を隠していない。
ケレメイン公爵の伴侶がオレだということは、マウンテン王国の王侯貴族に秘されていなかったぞ。」
神子様だったカズラくんには、ナイショにされていたけどな。
さて。
王女様の主張を聞くぞ?
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