318 / 667
第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
318.サーバル王国の王女様に質問する前に、王女様とオレの関係性を心の中で整理しました。恋のライバル、とは違う気がしたんです。
しおりを挟む
オレと王女様の関係は、ひっくり返っても、お仲間じゃない。
ケレメイン大公国とサーバル王国という国同士で、外交に来た人との間には、最初から緊張感があった。
女神様の裁定後も、緊張感は漂っている。
そういう背景をふまえて、王女様との関係性を明らかにしてから、話しかけようと思ったんだけどな。
オレと王女様って、どういう関係なのか、という問いの答えをオレの中に見つけられなかった。
王女様が、恋のライバルだったか、というと。
王女様は、オレの中で、恋のライバルになっていないんだよな。
何でだろうな?
カズラくんは、恋のライバルだった。
オレは、カズラくんに、クロードをとられないか、と警戒していた。
オレのクロードだから、欲しくてもやらない!って。
オレが、カズラくんを恋のライバルだったと認識しているのは、クロードと生きるという未来が、そのときのオレには不確実な未来だったからかな。
クロードがオレといないのは嫌だ、と。
クロードを愛し、クロードに愛されるのは、オレだと。
オレ以外にクロードと相思相愛になるのはダメだ、と。
クロードを挟んで、カズラくんといるとき。
そのときは、はっきりと自覚していなかったけれど、クロードに対する独占欲や、カズラくんへの嫉妬心が、オレを突き動かしていた。
オレとクロードとカズラくん。
三人の未来がこの先どうなるか。
当時、確信を持てることは一つもなかった。
目の前にある問題を解決しながら前に進んでいた。
あのときは、クロードといることが当たり前になっていたけど、分からないことの方が多くて不安が拭えなかったな。
あ、分かった。
サーバル王国の王女様を、オレ自身が恋のライバル認定していない理由。
サーバル王国の王女様が来たとき。
オレとクロードは、互いに愛し愛されていることを自覚していた。
オレとクロードは、夫婦としての信頼関係を築き上げていた。
カズラくんを恋のライバルだと認定していたのは、クロードとオレとカズラくんの関係が、一対一対一だったから。
オレ達は、三人で三角形を作っていた。
今回。
サーバル王国の王女様とオレとクロードの三人では、どうだったか、というと。
オレとクロードは、二人で、サーバル王国の王女様と対峙した。
オレとクロードは、二人で一つだった。
オレは、クロードと一緒に困難に立ち向かった。
クロードをとられる心配をしなかったのは、クロードへの信頼があったから。
クロードへの信頼があったからこそ、クロードと肩を並べて、二人で問題解決に頑張れた。
夫婦の共同作業だよなー。
夫婦の共同作業というと、結婚式で行う、新郎新婦のケーキ入刀みたいだな。
オレの中で、王女様は、恋のライバルではなく、ケレメイン大公国を侵略しようとしてきたサーバル王国の人の一人、という位置づけに落ち着いた。
愛だの恋だのの言葉は、オレからは、王女様に出さないでいようかな。
ストレートに聞くぞ。
「王女様は、なんで、クロードと結婚すると思ったのかな?」
ケレメイン大公国とサーバル王国という国同士で、外交に来た人との間には、最初から緊張感があった。
女神様の裁定後も、緊張感は漂っている。
そういう背景をふまえて、王女様との関係性を明らかにしてから、話しかけようと思ったんだけどな。
オレと王女様って、どういう関係なのか、という問いの答えをオレの中に見つけられなかった。
王女様が、恋のライバルだったか、というと。
王女様は、オレの中で、恋のライバルになっていないんだよな。
何でだろうな?
カズラくんは、恋のライバルだった。
オレは、カズラくんに、クロードをとられないか、と警戒していた。
オレのクロードだから、欲しくてもやらない!って。
オレが、カズラくんを恋のライバルだったと認識しているのは、クロードと生きるという未来が、そのときのオレには不確実な未来だったからかな。
クロードがオレといないのは嫌だ、と。
クロードを愛し、クロードに愛されるのは、オレだと。
オレ以外にクロードと相思相愛になるのはダメだ、と。
クロードを挟んで、カズラくんといるとき。
そのときは、はっきりと自覚していなかったけれど、クロードに対する独占欲や、カズラくんへの嫉妬心が、オレを突き動かしていた。
オレとクロードとカズラくん。
三人の未来がこの先どうなるか。
当時、確信を持てることは一つもなかった。
目の前にある問題を解決しながら前に進んでいた。
あのときは、クロードといることが当たり前になっていたけど、分からないことの方が多くて不安が拭えなかったな。
あ、分かった。
サーバル王国の王女様を、オレ自身が恋のライバル認定していない理由。
サーバル王国の王女様が来たとき。
オレとクロードは、互いに愛し愛されていることを自覚していた。
オレとクロードは、夫婦としての信頼関係を築き上げていた。
カズラくんを恋のライバルだと認定していたのは、クロードとオレとカズラくんの関係が、一対一対一だったから。
オレ達は、三人で三角形を作っていた。
今回。
サーバル王国の王女様とオレとクロードの三人では、どうだったか、というと。
オレとクロードは、二人で、サーバル王国の王女様と対峙した。
オレとクロードは、二人で一つだった。
オレは、クロードと一緒に困難に立ち向かった。
クロードをとられる心配をしなかったのは、クロードへの信頼があったから。
クロードへの信頼があったからこそ、クロードと肩を並べて、二人で問題解決に頑張れた。
夫婦の共同作業だよなー。
夫婦の共同作業というと、結婚式で行う、新郎新婦のケーキ入刀みたいだな。
オレの中で、王女様は、恋のライバルではなく、ケレメイン大公国を侵略しようとしてきたサーバル王国の人の一人、という位置づけに落ち着いた。
愛だの恋だのの言葉は、オレからは、王女様に出さないでいようかな。
ストレートに聞くぞ。
「王女様は、なんで、クロードと結婚すると思ったのかな?」
25
お気に入りに追加
1,680
あなたにおすすめの小説

どうしてこうなった?(ショートから短編枠にしたもの)
エウラ
BL
3歳で魔物に襲われて両親を亡くし、孤児院育ちの黒髪黒目で童顔のノヴァは前世の記憶持ちの異世界転生者だ。現在27歳のCランク冒険者。
魔物に襲われたときに前世の記憶が甦ったが、本人は特にチートもなく平々凡々に過ごしていた。そんなある日、年下22歳の若きSランク冒険者のアビスと一線を越える出来事があり、そこで自分でも知らなかった今世の過去を知ることになり、事態は色々動き出す。
若干ストーカー気味なわんこ系年下冒険者に溺愛される自己評価の低い無自覚美人の話。
*以前ショート専用の枠で書いてましたが話数増えて収拾がつかなくなったので短編枠を作って移動しました。
お手数おかけしますがよろしくお願いいたします。
なお、プロローグ以降、途中まではショートの投稿分をまるっと載せるのでそちらと重複します。ご注意下さい。出来次第投稿する予定です。
こちらはR18には*印付けます。(でも忘れたらすみません)

どうも、卵から生まれた魔人です。
べす
BL
卵から生まれる瞬間、人間に召喚されてしまった魔人のレヴィウス。
太った小鳥にしか見えないせいで用無しと始末されそうになった所を、優しげな神官に救われるのだが…

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

実はαだった俺、逃げることにした。
るるらら
BL
俺はアルディウス。とある貴族の生まれだが今は冒険者として悠々自適に暮らす26歳!
実は俺には秘密があって、前世の記憶があるんだ。日本という島国で暮らす一般人(サラリーマン)だったよな。事故で死んでしまったけど、今は転生して自由気ままに生きている。
一人で生きるようになって数十年。過去の人間達とはすっかり縁も切れてこのまま独身を貫いて生きていくんだろうなと思っていた矢先、事件が起きたんだ!
前世持ち特級Sランク冒険者(α)とヤンデレストーカー化した幼馴染(α→Ω)の追いかけっ子ラブ?ストーリー。
!注意!
初のオメガバース作品。
ゆるゆる設定です。運命の番はおとぎ話のようなもので主人公が暮らす時代には存在しないとされています。
バースが突然変異した設定ですので、無理だと思われたらスッとページを閉じましょう。
!ごめんなさい!
幼馴染だった王子様の嘆き3 の前に
復活した俺に不穏な影1 を更新してしまいました!申し訳ありません。新たに更新しましたので確認してみてください!

αからΩになった俺が幸せを掴むまで
なの
BL
柴田海、本名大嶋海里、21歳、今はオメガ、職業……オメガの出張風俗店勤務。
10年前、父が亡くなって新しいお義父さんと義兄貴ができた。
義兄貴は俺に優しくて、俺は大好きだった。
アルファと言われていた俺だったがある日熱を出してしまった。
義兄貴に看病されるうちにヒートのような症状が…
義兄貴と一線を超えてしまって逃げ出した。そんな海里は生きていくためにオメガの出張風俗店で働くようになった。
そんな海里が本当の幸せを掴むまで…

愛などもう求めない
白兪
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。
「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」
「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」
目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。
本当に自分を愛してくれる人と生きたい。
ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。
ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

前世である母国の召喚に巻き込まれた俺
るい
BL
国の為に戦い、親友と言える者の前で死んだ前世の記憶があった俺は今世で今日も可愛い女の子を口説いていた。しかし何故か気が付けば、前世の母国にその女の子と召喚される。久しぶりの母国に驚くもどうやら俺はお呼びでない者のようで扱いに困った国の者は騎士の方へ面倒を投げた。俺は思った。そう、前世の職場に俺は舞い戻っている。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる