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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
316.王女様を含むサーバル王国の人に話を聞きたいのですが。
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「今頃、ずべし!」
「手遅れ、ずべし!」
と口々に騒ぐサーバル王国の人達。
「今頃、というけどさ。今しか聞くタイミングはなかったぞ?」
サーバル王国の王女様は、呼んでないのに押しかけてきて、当事者に何の説明もなく、輿入れを実行しようとするから、オレとクロードは、輿入れを阻止することを最優先した。
その結果が、女神様の裁定。
サーバル王国で、ケレメイン大公国の親善大使として活動するように。
オレが、ケレメイン大公妃として王女様の役割を定めたのは、サーバル王国の国王陛下が、王女様をケレメイン大公国に置き去りにしないように、という意味もある。
裁定が下った王女様のサーバル王国での未来の道筋。
クロードの伴侶であるオレが示さないと、と思った。
クロードじゃダメだ、と思ったんだ。
王女様を見ていたら、な。
何でだろうな?
伴侶になる見込みだった男から、『お前じゃない。』を言わせる方が、恋愛としては歪みがないように思うんだけど、今回は違う。
オレと王女様とクロードの関係は、新婚夫婦のところに、親同士が決めたのかもしれない自称許嫁が押しかけてきている構図だったからな。
『今の嫁と別れて、私と結婚するのよ。』
親を連れて、新婚夫婦に押しかけてきた許嫁が、王女様。
親同士の関係から紐解こうにも、クロードの両親は、魔王により消失しているため、クロード側の見解を聞く相手がいない。
オレもクロードも、公式にサーバル王国から事情を聞く予定はない。
全て、今さら。
オレとクロードは、過去をほじくり返して、今を変える気はない。
だから、非公式に、オレだけで、サーバル王国の人の話を聞きにきた。
「クロード様は?ずべし。」
と王女様。
王女様は、オレの後方を見ている。
クロードが、遅れて入ってくるのを待っているんだろうなー。
気持ちは、分かるけど、オレに対して、失礼過ぎる。
「非公式だからな。オレだけ。
王女様、公式の場でクロードを呼ぶときは、ケレメイン大公と呼ばないと、外に出せないぞ。」
王女様に忠告するオレ。
王女様は、ふてくされた。
「勝手に友好大使にしたくせに、ずべし。
なりたくてなったわけじゃない、ずべし。」
「王女様のクロード様呼びは、外国の国主であるクロードに馴れ馴れし過ぎて、品性を疑われるレベルだぞ。
そろそろ、自覚しようか。
この後も、人前に出せないような有り様なら、王女様の友好大使の任を解く。」
「勝手に友好大使にしておきながら、勝手に友好大使をやめさせる、ずべし?傲慢ずべし。」
と王女様。
王女様の周りにいる人は、王女様が、オレに反発しているのを見て、ハラハラしている。
「王女様を友好大使にしたのは、役目がない王女様には未来がないから。
王女様が友好大使にならないなら。
王女様の人生は、この上なく早めに終わるだろうな。」
「ここに、クロード様を連れて来る、ずべし。
クロード様とは違う愚か者ではお話にならない、ずべし。」
と王女様。
王女様は、オレのことを、妄言吐いている、と思っているのかなー。
王女様以外は、今のやりとりで、王女様の寿命が、大いに縮まったことを理解してそうだ。
王女様が、サーバル王国の王女殿下であるがために、王女様には、誰も何も言えないようだ。
サーバル王国の王女様は、ご注進を好まないかもしれない。
王女様に話をさせるか、黙らせるか。
悩ましいな。
「手遅れ、ずべし!」
と口々に騒ぐサーバル王国の人達。
「今頃、というけどさ。今しか聞くタイミングはなかったぞ?」
サーバル王国の王女様は、呼んでないのに押しかけてきて、当事者に何の説明もなく、輿入れを実行しようとするから、オレとクロードは、輿入れを阻止することを最優先した。
その結果が、女神様の裁定。
サーバル王国で、ケレメイン大公国の親善大使として活動するように。
オレが、ケレメイン大公妃として王女様の役割を定めたのは、サーバル王国の国王陛下が、王女様をケレメイン大公国に置き去りにしないように、という意味もある。
裁定が下った王女様のサーバル王国での未来の道筋。
クロードの伴侶であるオレが示さないと、と思った。
クロードじゃダメだ、と思ったんだ。
王女様を見ていたら、な。
何でだろうな?
伴侶になる見込みだった男から、『お前じゃない。』を言わせる方が、恋愛としては歪みがないように思うんだけど、今回は違う。
オレと王女様とクロードの関係は、新婚夫婦のところに、親同士が決めたのかもしれない自称許嫁が押しかけてきている構図だったからな。
『今の嫁と別れて、私と結婚するのよ。』
親を連れて、新婚夫婦に押しかけてきた許嫁が、王女様。
親同士の関係から紐解こうにも、クロードの両親は、魔王により消失しているため、クロード側の見解を聞く相手がいない。
オレもクロードも、公式にサーバル王国から事情を聞く予定はない。
全て、今さら。
オレとクロードは、過去をほじくり返して、今を変える気はない。
だから、非公式に、オレだけで、サーバル王国の人の話を聞きにきた。
「クロード様は?ずべし。」
と王女様。
王女様は、オレの後方を見ている。
クロードが、遅れて入ってくるのを待っているんだろうなー。
気持ちは、分かるけど、オレに対して、失礼過ぎる。
「非公式だからな。オレだけ。
王女様、公式の場でクロードを呼ぶときは、ケレメイン大公と呼ばないと、外に出せないぞ。」
王女様に忠告するオレ。
王女様は、ふてくされた。
「勝手に友好大使にしたくせに、ずべし。
なりたくてなったわけじゃない、ずべし。」
「王女様のクロード様呼びは、外国の国主であるクロードに馴れ馴れし過ぎて、品性を疑われるレベルだぞ。
そろそろ、自覚しようか。
この後も、人前に出せないような有り様なら、王女様の友好大使の任を解く。」
「勝手に友好大使にしておきながら、勝手に友好大使をやめさせる、ずべし?傲慢ずべし。」
と王女様。
王女様の周りにいる人は、王女様が、オレに反発しているのを見て、ハラハラしている。
「王女様を友好大使にしたのは、役目がない王女様には未来がないから。
王女様が友好大使にならないなら。
王女様の人生は、この上なく早めに終わるだろうな。」
「ここに、クロード様を連れて来る、ずべし。
クロード様とは違う愚か者ではお話にならない、ずべし。」
と王女様。
王女様は、オレのことを、妄言吐いている、と思っているのかなー。
王女様以外は、今のやりとりで、王女様の寿命が、大いに縮まったことを理解してそうだ。
王女様が、サーバル王国の王女殿下であるがために、王女様には、誰も何も言えないようだ。
サーバル王国の王女様は、ご注進を好まないかもしれない。
王女様に話をさせるか、黙らせるか。
悩ましいな。
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