《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

文字の大きさ
上 下
311 / 667
第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

311.カズラくんと、カズラくんにハリセンチョップされるのが好きな男の人の関係は?会えていない?カズラくんも向こうも、今は忙しいから?今は?

しおりを挟む
クロードをおいて、カズラくんに会いに行った。

クロードは、土台を固めて堅実に。

オレは、要所、要所でのファインプレー狙い。

オレは、あくまで大公妃。

統治者は、大公のクロード。

クロードには、クロードの言うことを正しく聞く人がいる。

クロードのために、ケレメインのために、という大義名分を唱えない人はちゃんといた。

声は大きくないけれど、クロードのために、力を尽くしてくれる人達のところへ、クロードは会いにいっている。

カズラくんに差し入れをしながら、サシ飲み。

「お疲れ様。カズラくんは、最近、ハリセンチョップされたい男の人と会えてるかな?

カズラくんには、王女様を離さないでいてくれた件で、臨時ボーナスというか謝礼というか、特別手当を考えている。

カズラくんの希望はあるかな?

完全に希望に添えるとは限らないけれど。」

「ぼくも彼も、今は忙しいときだから。」
とカズラくん。

「カズラくんが忙しいのは分かるけど、ハリセンチョップされたい彼は、何の仕事している人?」

「とある国のスパイだよ。」
とカズラくん。

カズラくんは、平然としている。

「ん?ん?はあい?」

驚き過ぎて、語彙が飛んだぞ、カズラくん。

「カズラくんは、知っていて、付き合い始めたのかな?」

後出しジャンケンじゃなく?

「そりゃ。彼氏の身元くらいは、調べるよ。
彼氏の身元も知らないうちは、デートに行かない。二人で会わない。基本中の基本。」
とカズラくん。

カズラくんらしい、といえば、カズラくんらしい。

カズラくんは、自分を利用させないために万全を期す。

「スパイだって、彼氏から聞いた?」

「違うよ。そろそろ、告白してくるとは思うけれど。」
とカズラくん。

カズラくんが調べて、彼氏がスパイだと判明した?

カズラくんが優秀。

「え?転がしている感じ?」

悠長に構えているけど、カズラくんは、どこまで考えているのかな?

「国に引き上げるタイミングで、ぼくに告白して誘ってくると思うよ。」
とカズラくん。

「誘って、て?」

「ケレメイン大公国を出て、母国で一緒に暮らそうっじゃない?」
とカズラくん。

「それ、受けるのかな?」

カズラくんを縛る気はないけど、カズラくんは、ケレメイン大公夫妻の友人という肩書きだから。

外交的な調整がいる。

オレ個人は、頼れる相手が減るけど、彼氏がスパイと知りつつ付き合っているカズラくんだから、百パーセントの信頼は、なかなか難しい。

カズラくん自身も、オレやケレメイン大公国から頼りにされないように、情報をコントロールして、適正な距離をはかっている。

「受けないよ。
でも、ぼくは彼がほしい。
好きなんだよね。
ぼくに優しくて、仕事ができる男は、貴重。
ぼくの労働の対価として、ヒサツグは、彼を引き抜いてくれる?」
とカズラくん。

カズラくん。オレの顎が外れそうだぞ?

今、各国から派遣されているスパイは、出来るスパイだからな?

裏切りは期待できない。

だから、堂々と真正面から引き抜いてこい、と。

大公妃が、友人のために、友人と恋仲になった外国のスパイを引き抜き。

アリ?アリなのかな?

オレから、特別手当と言い出した手前、カズラくんの彼氏を引き抜かないわけにはいかない案件。

次の外交先は、カズラくんの彼氏の国で決定したなー。

カズラくんには、クロードと王女様の輿入れという密約がなかったかどうかや、ミーレ長官の件など、聞きたいことがてんこ盛り。

頭を切り替えて、話を聞いていこうかな。
しおりを挟む
感想 84

あなたにおすすめの小説

どうも、卵から生まれた魔人です。

べす
BL
卵から生まれる瞬間、人間に召喚されてしまった魔人のレヴィウス。 太った小鳥にしか見えないせいで用無しと始末されそうになった所を、優しげな神官に救われるのだが…

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

実はαだった俺、逃げることにした。

るるらら
BL
 俺はアルディウス。とある貴族の生まれだが今は冒険者として悠々自適に暮らす26歳!  実は俺には秘密があって、前世の記憶があるんだ。日本という島国で暮らす一般人(サラリーマン)だったよな。事故で死んでしまったけど、今は転生して自由気ままに生きている。  一人で生きるようになって数十年。過去の人間達とはすっかり縁も切れてこのまま独身を貫いて生きていくんだろうなと思っていた矢先、事件が起きたんだ!  前世持ち特級Sランク冒険者(α)とヤンデレストーカー化した幼馴染(α→Ω)の追いかけっ子ラブ?ストーリー。 !注意! 初のオメガバース作品。 ゆるゆる設定です。運命の番はおとぎ話のようなもので主人公が暮らす時代には存在しないとされています。 バースが突然変異した設定ですので、無理だと思われたらスッとページを閉じましょう。 !ごめんなさい! 幼馴染だった王子様の嘆き3 の前に 復活した俺に不穏な影1 を更新してしまいました!申し訳ありません。新たに更新しましたので確認してみてください!

君なんか求めてない。

ビーバー父さん
BL
異世界ものです。 異世界に召喚されて見知らぬ獣人の国にいた、佐野山来夏。 何かチートがありそうで無かった来夏の前に、本当の召喚者が現われた。 ユア・シノハラはまだ高校生の男の子だった。 人が救世主として召喚したユアと、精霊たちが召喚したライカの物語。

王子様から逃げられない!

白兪
BL
目を覚ますとBLゲームの主人公になっていた恭弥。この世界が受け入れられず、何とかして元の世界に戻りたいと考えるようになる。ゲームをクリアすれば元の世界に戻れるのでは…?そう思い立つが、思わぬ障壁が立ち塞がる。

αからΩになった俺が幸せを掴むまで

なの
BL
柴田海、本名大嶋海里、21歳、今はオメガ、職業……オメガの出張風俗店勤務。 10年前、父が亡くなって新しいお義父さんと義兄貴ができた。 義兄貴は俺に優しくて、俺は大好きだった。 アルファと言われていた俺だったがある日熱を出してしまった。 義兄貴に看病されるうちにヒートのような症状が… 義兄貴と一線を超えてしまって逃げ出した。そんな海里は生きていくためにオメガの出張風俗店で働くようになった。 そんな海里が本当の幸せを掴むまで…

前世である母国の召喚に巻き込まれた俺

るい
BL
 国の為に戦い、親友と言える者の前で死んだ前世の記憶があった俺は今世で今日も可愛い女の子を口説いていた。しかし何故か気が付けば、前世の母国にその女の子と召喚される。久しぶりの母国に驚くもどうやら俺はお呼びでない者のようで扱いに困った国の者は騎士の方へ面倒を投げた。俺は思った。そう、前世の職場に俺は舞い戻っている。

【本編完結】十八禁BLゲームの中に迷い込んだら、攻略キャラのひとりに溺愛されました! ~連載版!~

海里
BL
部活帰りに気が付いたら異世界転移していたヒビキは、とあるふたりの人物を見てここが姉のハマっていた十八禁BLゲームの中だと気付く。 姉の推しであるルードに迷子として保護されたヒビキは、気付いたら彼に押し倒されて――? 溺愛攻め×快楽に弱く流されやすい受けの話になります。 ルード×ヒビキの固定CP。ヒビキの一人称で物語が進んでいきます。 同タイトルの短編を連載版へ再構築。話の流れは相当ゆっくり。 連載にあたって多少短編版とキャラの性格が違っています。が、基本的に同じです。 ※ムーンライトノベルズ様にも投稿しています。先行はそちらです。

処理中です...