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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
310.ミーレ長官は、相談してきません。ミーレ長官をエサ場に、スパイを釣り上げる計画をたてました。スパイをあぶりだしましょうか。
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ミーレ長官は、頑なに口を割らなかった。
脅されているのかなー。
「ミーレ長官の奥様は、奥様とお子さんで協力して、ミーレ長官を一人にしないように。
これは命令。
ミーレ長官に近づいてくる人は日時と特徴、用件をオレに報告すること。
安全のために、城に住めと言いたいけれど、城も混乱している最中。
どこにいても、スパイからの接触は避けられないなら、いつどこで、どのスパイと接触したか、記録をとって、強みにするぞ。」
「かしこまりました。」
とミーレ長官の奥様。
「任務を言い渡す。
ミーレ長官は、エサ場となり、スパイ収集。
ミーレ長官の奥様とお子さんで、エサ場にくる肉食動物の調査。
家族で、オレに報告にくること。」
ミーレ長官の子どもと、オレは会ったことがない。
ミーレ長官とミーレ長官の奥様は、子どもを表舞台に出さないと決めて、守ってきた。
ケレメイン大公クロードと大公妃殿下であるオレが、ミーレ長官の子どもに面識がない状態にすることで、子どもを大人の政治から隔離してきた。
ケレメイン大公国が安泰であれば、問題ない方法だったけれど。
土台がぐらついている今。
守る対象の顔や人となりは把握しておかないと、守れない。
ミーレ長官は、他人を頼ることができなくなっている。
王太子時代は、王太子として自然に頼れていたんだろうけれど。
王太子でなくなり、一介の王族として、マウンテン王国の貴族社会を生きている間。
当たり前に支えてくれていた手が、もう誰からも伸ばされない経験をしたら。
頼る相手がいないと思い知って。
誰にも頼らないようになったんじゃないかな。
何年も、他人に頼らないで生きてきたミーレ長官の上司は、足元をひっくり返されそうになっている頼りがいのなさそうなオレ。
王太子だった時間と王太子でなくなった時間を経験したミーレ長官は、オレに頼ろうという思考にはならなかったんだな。
ミーレ長官自ら、オレに報告、連絡、相談をするようになってもらわないとオレが困る、と、今のミーレ長官に言っても、頭に残らないだろうからな。
ミーレ長官の奥様に奮起してもらおう。
「子どもは。」
と逡巡するミーレ長官に、オレは、家族が別行動する危険性を説いた。
「ミーレ長官とミーレ長官の奥様と、お子さん。
家族が揃っていれば、バラバラでいるより安心だ。
今のケレメイン大公国は、人の出入りが多いから、人目がある。
でも、人の多さは、何かを企む人の出入りも可能にしている。
ミーレ長官のお子さんを知らなければ、守ることができない。
家族を利用させないだけじゃなく、家族を守る体制にシフトしていこう、ミーレ長官。」
「私は、家族を守れています。」
とミーレ長官。
うーん。
ミーレ長官が手強い。
「ミーレ長官の家族には、ミーレ長官自身も含まれるんだから、ミーレ長官自身も守られていないとな?」
カズラくんは、何か知らないかなー。
ミーレ長官夫妻を帰したら、カズラくんに聞いてみよう。
脅されているのかなー。
「ミーレ長官の奥様は、奥様とお子さんで協力して、ミーレ長官を一人にしないように。
これは命令。
ミーレ長官に近づいてくる人は日時と特徴、用件をオレに報告すること。
安全のために、城に住めと言いたいけれど、城も混乱している最中。
どこにいても、スパイからの接触は避けられないなら、いつどこで、どのスパイと接触したか、記録をとって、強みにするぞ。」
「かしこまりました。」
とミーレ長官の奥様。
「任務を言い渡す。
ミーレ長官は、エサ場となり、スパイ収集。
ミーレ長官の奥様とお子さんで、エサ場にくる肉食動物の調査。
家族で、オレに報告にくること。」
ミーレ長官の子どもと、オレは会ったことがない。
ミーレ長官とミーレ長官の奥様は、子どもを表舞台に出さないと決めて、守ってきた。
ケレメイン大公クロードと大公妃殿下であるオレが、ミーレ長官の子どもに面識がない状態にすることで、子どもを大人の政治から隔離してきた。
ケレメイン大公国が安泰であれば、問題ない方法だったけれど。
土台がぐらついている今。
守る対象の顔や人となりは把握しておかないと、守れない。
ミーレ長官は、他人を頼ることができなくなっている。
王太子時代は、王太子として自然に頼れていたんだろうけれど。
王太子でなくなり、一介の王族として、マウンテン王国の貴族社会を生きている間。
当たり前に支えてくれていた手が、もう誰からも伸ばされない経験をしたら。
頼る相手がいないと思い知って。
誰にも頼らないようになったんじゃないかな。
何年も、他人に頼らないで生きてきたミーレ長官の上司は、足元をひっくり返されそうになっている頼りがいのなさそうなオレ。
王太子だった時間と王太子でなくなった時間を経験したミーレ長官は、オレに頼ろうという思考にはならなかったんだな。
ミーレ長官自ら、オレに報告、連絡、相談をするようになってもらわないとオレが困る、と、今のミーレ長官に言っても、頭に残らないだろうからな。
ミーレ長官の奥様に奮起してもらおう。
「子どもは。」
と逡巡するミーレ長官に、オレは、家族が別行動する危険性を説いた。
「ミーレ長官とミーレ長官の奥様と、お子さん。
家族が揃っていれば、バラバラでいるより安心だ。
今のケレメイン大公国は、人の出入りが多いから、人目がある。
でも、人の多さは、何かを企む人の出入りも可能にしている。
ミーレ長官のお子さんを知らなければ、守ることができない。
家族を利用させないだけじゃなく、家族を守る体制にシフトしていこう、ミーレ長官。」
「私は、家族を守れています。」
とミーレ長官。
うーん。
ミーレ長官が手強い。
「ミーレ長官の家族には、ミーレ長官自身も含まれるんだから、ミーレ長官自身も守られていないとな?」
カズラくんは、何か知らないかなー。
ミーレ長官夫妻を帰したら、カズラくんに聞いてみよう。
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