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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
307.女王陛下に何かが起きた、その瞬間を誰も知らない、誰も見ていない。前後を知っているはずの供回りは、帰国後。話せる者は、もういない。
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サーバル王国から、マウンテン王国の女王陛下に護衛も案内役もつけない、なんてことはないだろう。
「女王陛下の身に何が起きて、何が原因でお亡くなりになったか、の情報がないのは、全員が口をつぐんだというよりも、サーバル王国側は、誰も知らない、誰も見ていなかった、という解釈が正解かな?」
オレの投げた質問に、サーバル王国の両陛下からの否定の言葉はなかった。
肯定の発言は、不都合すぎてできないだろうから、事実上の肯定とみていい。
「誰も知らない、見ていない?そんなことが起こり得るのか。」
と驚愕するミーレ長官。
誰も見ていない、誰も知らない、そんな状況が作れるとしたら?
女王陛下の弟、ミーレ長官の叔父であるマウンテン王国の先代国王陛下と女神様が、そういう風にしたんだろうなー。
ミーレ長官が、聞く前に聞いてしまおうかな。
「女王陛下が発見されたときの状況は?」
「お忍びの出で立ちだったために、見た目では、判別不可能だった。」
「女王陛下は、誰とも一緒にいなかったのかな?
サーバル王国の人のみならず、マウンテン王国から連れてきた人も、女王陛下といなかった?」
「完全にお一人になられたようです、ずべし。」
と王妃陛下。
「事情聴取では、何か聞けたのかな?」
「女王陛下も共の者も、女王陛下が一人になる状態を望んでいなかったのに、なぜかそうなっていた、という話だ。」
「供回りも買収されていたか?」
とクロード。
「もう誰にも話は聞けません。
全員、女王陛下のお命をお守りできなかったのです。
帰国後、速やかに処刑が行われましたわ。
語る前に、全員の口は塞がれていました。」
とミーレ長官の奥様。
「ミーレ長官は、当事者から話を聞けていない?」
「行き違いになっています。」
とミーレ長官の奥様。
「処刑は、止められなかったのか!」
とミーレ長官。
「王太子殿下が不在で、亡くなった女王陛下の弟君が、女王の代行をしていた状況。
王太子妃では、処刑の中止を決める権限がない。」
とクロード。
真実は闇の中。
「不可解な亡くなられ方をされているために、女王の名を騙っていたのではないか、という疑惑はどの国も持っていました、ずべし。
王であるなら、女神様のお力で、不可解な死に至る事態を避けられます、ずべし。」
と王妃陛下。
「過去の女王は短命と聞いているけれど、原因は?」
「過去の女王陛下方は、後継者が十分お育ちになった時点でお亡くなりになっています、ずべし。」
と王妃陛下。
後継に譲る、譲らないという争いが起こらないようになっているのかな?
女王陛下の命の期限をもうけることで。
「女王陛下の弟さんが、国王陛下に即位するから、女王陛下の役割が終わったという推測は成り立つけれど。
当事者が一人も残っていないから、真実は闇の中。」
「女王陛下は、亡くなる前、サーバル王国で何を調べていましたか?」
とミーレ長官。
ミーレ長官は、まだ、女王陛下の死の真相を突き止めるのを諦めたくないんだな。
「王が強くあるための制度や仕組みを調べていた。」
と国王陛下。
「サーバル王国で運用できているからといって、マウンテン王国にそのまま持ち込むのは、困難だと伝えたところ、現場を見に行くという話になりました、ずべし。」
と王妃陛下。
マウンテン王国では、無理だよ、とやんわり止めたけど、女王陛下は止まらなかったんだな。
「サーバル王国の制度をマウンテン王国に導入しても、うまくいかない、とみて、サーバル王国側は、女王陛下の調査に深入りしなかった。」
とクロード。
「マウンテン王国の女王陛下は、理想の実現を目指しておられました、ずべし。
マウンテン王国では、貴族の支持を得られぬ王が続いた歴史はありません、ずべし。」
と王妃陛下。
国政に支障が出るよな。
「貴族の支持を得ていない女王陛下が、改革を唱えても、実現する見込みはゼロ。
でも、女王陛下だから
むげに追い返せない。
サーバル王国は、現場に支障が出ない範囲で、女王陛下に見学の許可を出した。
その後に、何かが起きたけど、何かを知る方法は、今のところなし。
というところかな?」
サーバル王国の人には、これ以上聞けないなー。
マウンテン王国の事情を知っていそうな人、宰相や、近衛騎士団長あたりは、知っているかな?
マウンテン王国との関係も考えていかないとなー。
「女王陛下の身に何が起きて、何が原因でお亡くなりになったか、の情報がないのは、全員が口をつぐんだというよりも、サーバル王国側は、誰も知らない、誰も見ていなかった、という解釈が正解かな?」
オレの投げた質問に、サーバル王国の両陛下からの否定の言葉はなかった。
肯定の発言は、不都合すぎてできないだろうから、事実上の肯定とみていい。
「誰も知らない、見ていない?そんなことが起こり得るのか。」
と驚愕するミーレ長官。
誰も見ていない、誰も知らない、そんな状況が作れるとしたら?
女王陛下の弟、ミーレ長官の叔父であるマウンテン王国の先代国王陛下と女神様が、そういう風にしたんだろうなー。
ミーレ長官が、聞く前に聞いてしまおうかな。
「女王陛下が発見されたときの状況は?」
「お忍びの出で立ちだったために、見た目では、判別不可能だった。」
「女王陛下は、誰とも一緒にいなかったのかな?
サーバル王国の人のみならず、マウンテン王国から連れてきた人も、女王陛下といなかった?」
「完全にお一人になられたようです、ずべし。」
と王妃陛下。
「事情聴取では、何か聞けたのかな?」
「女王陛下も共の者も、女王陛下が一人になる状態を望んでいなかったのに、なぜかそうなっていた、という話だ。」
「供回りも買収されていたか?」
とクロード。
「もう誰にも話は聞けません。
全員、女王陛下のお命をお守りできなかったのです。
帰国後、速やかに処刑が行われましたわ。
語る前に、全員の口は塞がれていました。」
とミーレ長官の奥様。
「ミーレ長官は、当事者から話を聞けていない?」
「行き違いになっています。」
とミーレ長官の奥様。
「処刑は、止められなかったのか!」
とミーレ長官。
「王太子殿下が不在で、亡くなった女王陛下の弟君が、女王の代行をしていた状況。
王太子妃では、処刑の中止を決める権限がない。」
とクロード。
真実は闇の中。
「不可解な亡くなられ方をされているために、女王の名を騙っていたのではないか、という疑惑はどの国も持っていました、ずべし。
王であるなら、女神様のお力で、不可解な死に至る事態を避けられます、ずべし。」
と王妃陛下。
「過去の女王は短命と聞いているけれど、原因は?」
「過去の女王陛下方は、後継者が十分お育ちになった時点でお亡くなりになっています、ずべし。」
と王妃陛下。
後継に譲る、譲らないという争いが起こらないようになっているのかな?
女王陛下の命の期限をもうけることで。
「女王陛下の弟さんが、国王陛下に即位するから、女王陛下の役割が終わったという推測は成り立つけれど。
当事者が一人も残っていないから、真実は闇の中。」
「女王陛下は、亡くなる前、サーバル王国で何を調べていましたか?」
とミーレ長官。
ミーレ長官は、まだ、女王陛下の死の真相を突き止めるのを諦めたくないんだな。
「王が強くあるための制度や仕組みを調べていた。」
と国王陛下。
「サーバル王国で運用できているからといって、マウンテン王国にそのまま持ち込むのは、困難だと伝えたところ、現場を見に行くという話になりました、ずべし。」
と王妃陛下。
マウンテン王国では、無理だよ、とやんわり止めたけど、女王陛下は止まらなかったんだな。
「サーバル王国の制度をマウンテン王国に導入しても、うまくいかない、とみて、サーバル王国側は、女王陛下の調査に深入りしなかった。」
とクロード。
「マウンテン王国の女王陛下は、理想の実現を目指しておられました、ずべし。
マウンテン王国では、貴族の支持を得られぬ王が続いた歴史はありません、ずべし。」
と王妃陛下。
国政に支障が出るよな。
「貴族の支持を得ていない女王陛下が、改革を唱えても、実現する見込みはゼロ。
でも、女王陛下だから
むげに追い返せない。
サーバル王国は、現場に支障が出ない範囲で、女王陛下に見学の許可を出した。
その後に、何かが起きたけど、何かを知る方法は、今のところなし。
というところかな?」
サーバル王国の人には、これ以上聞けないなー。
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