《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

306.ミーレ長官のお母さん、かつて、サーバル王国で客死したマウンテン王国の女王陛下について、話を聞きます。

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カズラくんの担当は、オレからの依頼の関係で、カズラくん一人での対応になるため、時間がかかる。

そういえば、カズラくんと良い感じになっていた、ハリセンチョップされるのが好きな人は、どうしているんだろうな?

カズラくんの仕事が忙しくて、会えていない、とか、ないよな?


サーバル王国の外交団の帰国前に、マウンテン王国の女王陛下だったミーレ長官のお母さんが、サーバル王国で客死した真相を聞いておくことにした。

サーバル王国がおさえている事実だけを聞く。

サーバル王国の国王陛下と王妃陛下、
ケレメイン大公クロード、ケレメイン大公妃のオレ、ミーレ長官と奥様。

六人で、ミーレ長官のお母さんの死の真相を共有する。

「事実だけをお話ください。」
とオレは最初にお願いした。

このところのオレは、思惑と憶測で、腹が破裂しそうだからな。

「女王陛下が即位されたことは、当時のマウンテン王国が認めている。」
と国王陛下。

「マウンテン王国は、代々貴族が強い。
女王陛下は、国王に権力を集中させる方向へシフトしたがっていた。

サーバル王国の制度を参考にする、という目的で、少数の共を連れてサーバル王国に入国している。」
と国王陛下。

「女王陛下自ら?担当者ではなく?」
と聞いたのは、クロード。

国のトップは、調べてこい!と言って、送り出すものじゃないのかな。

可能性として、考えられるのは。

「女王陛下の命令に従う部下が限られていて、女王陛下自ら動かざるをえなかったのかな?」

まさしく、今のオレ状態。

身につまされるなー。

オレが仕事をふろうとすると、お前に言われた仕事なんてしてやるものか、という決意みなぎる人。

受諾の返事をしておいて、進捗を聞くと、『聞いていない。』と何もしていない人。

オレが気に入らない上役だから、と、オレがふった仕事をボイコットする人がいるんだなー。

柴犬人を除く、王女様を大公妃に派の失脚した人の関係者がさ。

連座制は、処罰後の煩わしさを省くためにできた制度なんじゃないかな、と思ったぞ、オレは。

仕事をボイコットする人のうち、オレと関係ない仕事ならする人は、異動。

現在のオレは、ケレメイン大公妃として、ケレメイン大公国の統治とケレメイン大公家の組織再編にがっつり取り組んでいる。

大公妃に無関係な職場は、一般的にみると、華やかさのかけらもない閑職。

元々、大公妃のオレから、直々に声をかけてもらえるポジションにいた人達。

大公妃に無関係な職場に異動した人は、大公妃の不興をかって、左遷されたようにしか見えない。

異動先でも、勤務態度が悪くて、仕事をしないなら、クビにしようと決めている。

いくら、優秀な人だから、といっても、仕事をしない人の態度が大きい職場は、士気が下がる。

異動先でも仕事をしないなら、ケレメイン大公家とは、ご縁がなかった、ということで、肩叩き。

一生、オレに会わないで済む職場に再就職して、オレに見せなかった優秀さを発揮してもらいたい。


オレが大公妃なことに抗議するボイコットをした人は、一も二もなく、クビ。

オレが、ケレメイン大公妃でなくなる未来はこない。

オレが大公妃であることを否定して、大公妃を王女様に変えようと行動したために、実際に処分されている人がいるという現実の中にいながら、処分されている人に同調する現状認識能力の低い人は、使わない。

王女様を大公妃に派の処分に関する不服のボイコットは、カズラくんの調査の結果を待って、沙汰を下すことにした。

信用できる人を見繕いながらの仕事。

心を使っているからか、いまだかつてないほどに疲れる。

人事って、終わりがないなー。

「女王陛下は、現場を見にいきたい、と、少数の共と護衛を連れて、出かけられた先で、亡くなられた。」
と国王陛下。

「それが、サーバル王国での事実でしょうか?」
とミーレ長官。

「これ以上でも、以下でもない。」
と国王陛下。

「どの国でも、どの時代でも、女王陛下の治世は、短い、ずべし。」
と王妃陛下。

「女王が短命だった?」

「どなたも、即位後、後継に後をお譲りなられずにお亡くなりになられています、ずべし。

各国、歴代女王陛下のご即位は、中継ぎに限られていて、女王陛下のお血筋が即位された例はありません、ずべし。

国王陛下となる資格をお持ちの王子殿下がご健勝でありながら、女王陛下が誕生したことは、異例中の異例でした、ずべし。

マウンテン王国の女王陛下は、実子を王太子にすえられたこともあり、歴史が変わるのか、とマウンテン王国を注視していた時期が、各国にはありました、ずべし。」
と王妃陛下。

王妃陛下の話してくれた情報は、王家が表に出さない話なんだろうな。

国王陛下が、事実として話してくれた、『マウンテン王国は、貴族が強い』という話と繋がるのかな。

ミーレ長官のお母さんである、マウンテン王国の女王陛下は、貴族を味方につけられず、マウンテン王国内で孤立していた。

最初は、注目していた各国王家も、マウンテン王国内で孤立している女王陛下に深入りするのは止めたのかな。

当時、マウンテン王国の女王陛下が、自国の貴族にそっぽ向かれて、他国の王家には距離をおかれていて、その女王陛下の置かれた環境を知らない人がいない状況が、客死に繋がったということかな。

女王陛下の身に何かが起きた。
もしくは、巻き込まれた。

でも。
誰も、助けようとしなかった?
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