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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
301.王女様と柴犬人のケレメイン大公家の使用人の処遇を伝えます。
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王女様の今後について、はっきりさせよう。
「ケレメイン大公国に輿入れを目指すくらい、ケレメイン大公国への愛に溢れている王女様。
ケレメイン大公妃は、サーバル王国の王女様を終生名誉友好大使に任命する。」
「クロード様と結婚して、大使では、ずべし。」
王女様は、大使だと肩書きが軽い、と訴えてくる。
オレは、王女様に、クロードと結婚する許可は、出していないぞ?
適した役職を割り当てる話はしたけどな?
「終生名誉友好大使の王女様には、ケレメイン大公国の素晴らしさを一生をかけて、サーバル王国内で広める任務を与える。」
「サーバル王国内、ずべし?この者らと、同じ、ずべし!」
と王女様は、大使館員予定者を見て、騒いでいる。
王女様をケレメイン大公国に置いておくことは予定は、最初からなかったからな、オレは。
王女様が優秀か分からないから、大使館員に、王女様を混ぜるのは止めたぞ。
王女様は、地位は高くても、何もしないで座っていてください、と言われるタイプに思えるからさ。
働く人のいる場所には、行かせない方が、働く人の仕事が捗るだろうな、と。
「王女様と働きたいという柴犬人の使用人を、王女様の使用人または部下として、ケレメイン大公国から派遣する。」
柴犬人の使用人は、王女様とクロードの間で視点をさまよわせている。
どちらに願い出るのが、有効か、考えているんだろうな。
正解は、王女様だぞ。
残りの一生を共に生きる主人で、上司だ。
迷っているということは、まだ、分からないのかな?
「柴犬人は、終生、王女様に仕え、ケレメイン大公国に戻ることを禁ずる。」
「クロード様、寝言にしては、横暴過ぎます。黙らせてください。」
「生まれ育ったケレメインから追放だなんて、あんまりな仕打ち!」
柴犬人の使用人が、騒ぎ出した。
クロードは、ケレメイン大公家の使用人が騒ぐの見ているけど、何も言わない。
失望しているんだろうな。
使用人が、使用人自身のことしか、考えていない、と言っている姿に。
元は、違ったなら、環境の変化は、オレとクロードが思っていた以上に、人への影響が大きい。
オレとクロードが、内政に手こずっている原因は、予想しない形で、人が欲望のままに動くこと。
ケレメイン公爵領、ケレメイン公爵家のときには自制できていたことが、王国というタガが外れたことで、無法地帯になった。
ケレメイン公爵家の使用人だったときには、望みさえしなかった。
ケレメイン大公家の使用人なら、望めるんじゃないか、手が届くんじゃないか、と、本人は、何も変わっていないのに、気が大きくなるんだな。
クロードが、人のやりくりに難渋するようになったわけだ。
今回、ありあり、と見せつけられた。
「サーバル王国の王城内に王女様の部屋を構えて、活動すること。
部屋の手配は、王女様自身で、交渉するといい。
王女様の籍は、一生サーバル王国のまま、変更はない。」
「サーバル王国のまま、ずべし?クロード様との婚姻で、ケレメイン大公国に籍が変わるずべし!」
と抗議する王女様。
意に介さないオレ。
「サーバル王族の王女様にかかる全ての費用は、生涯、サーバル王国が負担する。
王女様に派遣する柴犬人の使用人は、ケレメイン大公家の使用人。
ケレメイン大公国への、柴犬人からの定期連絡と引き換えに、ケレメイン大公国から給料を支払う。
名誉友好大使の王女様と柴犬人は、サーバル王国とケレメイン大公国が、未来永劫、対等な友好関係を築くために活動すること。
名誉友好大使として王女様が活動する費用と必要経費は、サーバル王国が全額負担する。」
王女様は、クロードと結婚する未来はなく、サーバル王国の王城に用意される王女様の部屋と、王宮のどこかで、ケレメイン大公家から派遣する柴犬人の使用人と、生きることになる。
王妃陛下は、安心しているようだな。
王城に部屋を与えられていて、目立つ使用人を使っていれば、ケレメイン大公国の乗っ取りに失敗した王女様も、不慮の死を遂げる事態にはならないだろうからな。
「さて。
王女様と柴犬人の身の振り方も決着がついた。
三方よし。
誰も損をしていないよな?
女神様。
英雄クロードを邪険にして、蔑ろにした人は、英雄クロードからは、遠い異国で、英雄クロードのための仕事をしながら、一生を終える。
クロードも、オレの采配に問題ないな?」
「ケレメイン大公クロードは、ケレメイン大公妃ヒサツグの案を承認する。
耳と尻尾を生やしても、ケレメイン大公家の使用人であることに、変わりはない。
ケレメイン大公家の使用人として、ケレメイン大公国のために、その身命を捧げて生きろ。」
とクロード。
ケレメイン公爵家の使用人として、クロードに仕えていたときは、クロードと良好な関係だった使用人達。
新しい土地で、新しい主人と生きることに、価値を見出していけ。
第二の人生は、クロードと共に生きてくれた時間に感謝しているオレからの、はなむけだ。
オレは、女神様を前面にちらつかせながら、初外交を乗り切った。
「ケレメイン大公国に輿入れを目指すくらい、ケレメイン大公国への愛に溢れている王女様。
ケレメイン大公妃は、サーバル王国の王女様を終生名誉友好大使に任命する。」
「クロード様と結婚して、大使では、ずべし。」
王女様は、大使だと肩書きが軽い、と訴えてくる。
オレは、王女様に、クロードと結婚する許可は、出していないぞ?
適した役職を割り当てる話はしたけどな?
「終生名誉友好大使の王女様には、ケレメイン大公国の素晴らしさを一生をかけて、サーバル王国内で広める任務を与える。」
「サーバル王国内、ずべし?この者らと、同じ、ずべし!」
と王女様は、大使館員予定者を見て、騒いでいる。
王女様をケレメイン大公国に置いておくことは予定は、最初からなかったからな、オレは。
王女様が優秀か分からないから、大使館員に、王女様を混ぜるのは止めたぞ。
王女様は、地位は高くても、何もしないで座っていてください、と言われるタイプに思えるからさ。
働く人のいる場所には、行かせない方が、働く人の仕事が捗るだろうな、と。
「王女様と働きたいという柴犬人の使用人を、王女様の使用人または部下として、ケレメイン大公国から派遣する。」
柴犬人の使用人は、王女様とクロードの間で視点をさまよわせている。
どちらに願い出るのが、有効か、考えているんだろうな。
正解は、王女様だぞ。
残りの一生を共に生きる主人で、上司だ。
迷っているということは、まだ、分からないのかな?
「柴犬人は、終生、王女様に仕え、ケレメイン大公国に戻ることを禁ずる。」
「クロード様、寝言にしては、横暴過ぎます。黙らせてください。」
「生まれ育ったケレメインから追放だなんて、あんまりな仕打ち!」
柴犬人の使用人が、騒ぎ出した。
クロードは、ケレメイン大公家の使用人が騒ぐの見ているけど、何も言わない。
失望しているんだろうな。
使用人が、使用人自身のことしか、考えていない、と言っている姿に。
元は、違ったなら、環境の変化は、オレとクロードが思っていた以上に、人への影響が大きい。
オレとクロードが、内政に手こずっている原因は、予想しない形で、人が欲望のままに動くこと。
ケレメイン公爵領、ケレメイン公爵家のときには自制できていたことが、王国というタガが外れたことで、無法地帯になった。
ケレメイン公爵家の使用人だったときには、望みさえしなかった。
ケレメイン大公家の使用人なら、望めるんじゃないか、手が届くんじゃないか、と、本人は、何も変わっていないのに、気が大きくなるんだな。
クロードが、人のやりくりに難渋するようになったわけだ。
今回、ありあり、と見せつけられた。
「サーバル王国の王城内に王女様の部屋を構えて、活動すること。
部屋の手配は、王女様自身で、交渉するといい。
王女様の籍は、一生サーバル王国のまま、変更はない。」
「サーバル王国のまま、ずべし?クロード様との婚姻で、ケレメイン大公国に籍が変わるずべし!」
と抗議する王女様。
意に介さないオレ。
「サーバル王族の王女様にかかる全ての費用は、生涯、サーバル王国が負担する。
王女様に派遣する柴犬人の使用人は、ケレメイン大公家の使用人。
ケレメイン大公国への、柴犬人からの定期連絡と引き換えに、ケレメイン大公国から給料を支払う。
名誉友好大使の王女様と柴犬人は、サーバル王国とケレメイン大公国が、未来永劫、対等な友好関係を築くために活動すること。
名誉友好大使として王女様が活動する費用と必要経費は、サーバル王国が全額負担する。」
王女様は、クロードと結婚する未来はなく、サーバル王国の王城に用意される王女様の部屋と、王宮のどこかで、ケレメイン大公家から派遣する柴犬人の使用人と、生きることになる。
王妃陛下は、安心しているようだな。
王城に部屋を与えられていて、目立つ使用人を使っていれば、ケレメイン大公国の乗っ取りに失敗した王女様も、不慮の死を遂げる事態にはならないだろうからな。
「さて。
王女様と柴犬人の身の振り方も決着がついた。
三方よし。
誰も損をしていないよな?
女神様。
英雄クロードを邪険にして、蔑ろにした人は、英雄クロードからは、遠い異国で、英雄クロードのための仕事をしながら、一生を終える。
クロードも、オレの采配に問題ないな?」
「ケレメイン大公クロードは、ケレメイン大公妃ヒサツグの案を承認する。
耳と尻尾を生やしても、ケレメイン大公家の使用人であることに、変わりはない。
ケレメイン大公家の使用人として、ケレメイン大公国のために、その身命を捧げて生きろ。」
とクロード。
ケレメイン公爵家の使用人として、クロードに仕えていたときは、クロードと良好な関係だった使用人達。
新しい土地で、新しい主人と生きることに、価値を見出していけ。
第二の人生は、クロードと共に生きてくれた時間に感謝しているオレからの、はなむけだ。
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