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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

298.随行員が帰国後、一人も残らないなら、国交樹立の交渉も宣言も、国王陛下以外とはできませんよね?

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静かな青姦ルームに、オレの声がよく響く。

「王女様と随行員は、処刑が決まっている。

国交樹立の宣言と、そのための交渉は、処刑されていなくならない国王陛下以外とは、する意味がない。

国王陛下、王妃陛下、クロードとオレ。
四人で、ベッドに腰かけてトップ会談をしよう。

国交樹立に関する取り決めは、全部、トップ会談で決めてしまうぞ。」

オレは、国王陛下、王妃陛下とクロードを、広々したベッドに誘った。

王妃陛下は、オレを見て動かない。

ベッドに座る四人のうち、王妃陛下だけ、女神様の裁定で、姿形が変化しているけど、王妃陛下の尻に尻尾は生えていないから、座るのに支障はきたさないぞ?

「公爵と異端が結びついた国が、何をなせるというのでしょう、ずべし?」
と王妃陛下。

王妃陛下は、ケレメイン大公国の成り立ちゆえの国としての軽さを、正面から指摘してきた。

ケレメイン大公国は、出来立てホヤホヤだからなー。

クロードは、どこぞの国の直系王族ではない。

公爵家は、貴族で、王族じゃない。

公爵家ごときに、国王が対等に付き合うなんて、勿体ない。

這いつくばらせて、立場を分からせた方がいい、という意見もある。

這いつくばらせるように、と主張しているのは、どこぞの国王じゃなく、どこぞの国王に仕える貴族と聞いたクロードは、実に貴族らしい、と感想を述べていた。

成り上がり者に対する不快感より、先に頭一つ抜きん出た者を引きずり下ろそうとするエネルギーの方が、パワーがある。

オレとクロードの評価に、異世界人と英雄が、仲良くするために、独立を宣言して、周りを振り回しているというものがある。

「王妃陛下。生粋の王族のと、それ以外の、婚姻関係により王族になった人が感じるもののうち、一番近くて遠いものが何かを考えたことは、あるかな?」

「言葉遊びで、誤魔化せるものではないのです、ずべし」
と王妃陛下。

「いや、真面目な話なんだけど、考えたことがないなら、オレの考えを言うから、考える参考にしてみたらどうかな?

オレは、女神様に対するスタンスだと思う。」

王妃陛下は、声は出せずに瞬きをした。

王妃陛下は、これから、ゆっくりとオレの言葉を咀嚼していくのだろうな。

俺は、国王陛下とクロードを誘った。

「話し合いをしよう。
オレに名案がある。
三方良しの、この上ない名案だ。
全く、無駄がないぞ?」

国王陛下とクロードが返事をする前に、オレは、女神様に尋ねる。

「女神様も気になるよな?
女神様の裁定のその後を聞いてみないか?」

「面白い発見をするの。ふふふ。」
と女神様。

女神様は、乗り気なようだ。

話し合いを始めよう。
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