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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
297.不退転の決意で、占領しにきたのに、失敗したら、どうなりますか?
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「ケレメイン大公国に、住まいと執務室を用意しているっていうなら、今から、全員に案内させろ。」
「この姿で出歩けと、ずべし。」
と王女様から、クレームがついた。
「王女様は、部屋の場所の特徴を聞いただけで、どの部屋か割り出せるのかな?」
試しに聞いてみた。
王女様の情報網は、どのぐらい、ケレメイン大公国に入り込んでいるのかな?
「城内の部屋の配置は知っているわ、ずべし。」
と王女様。
王女様。
ケレメイン大公国の人間でない王女様が、ケレメイン大公の城の部屋の配置を把握済みって、堂々と話すことじゃないと、オレは思うなー。
内通者かスパイの存在を暗に認めていることにならないかな?
「じゃ、全員、聞き取りするぞ。」
王女様とオレのやり取りに、随行員は、希望を見出したらしい。
全員、素直に、白状した。
執務室は、現在、ケレメイン大公家の使用人が実際に使用している部屋のことだった。
住まいは、ケレメイン大公家の城内の部屋を勝手に割り振って、どの部屋に住むか決めていた。
外交ではなく、占領しに来たんだな?
「わたくしは、勿論、クロード様との続き部屋、ずべし。」
と王女様。
続き部屋って、大公妃殿下のオレの部屋のことだな。
部屋の主のオレに、奪い取る計画だった、と臆面もなく語れる、王女様の図太さは賞賛に値する。
「なんで、その執務室を選んだ?他にも部屋はあるよな?」
どの執務室も、可もなく不可もない造りの部屋。
「部屋の主が、いなくなるとわかっている部屋を使うのは有効活用、ずべし。」
と王女様。
「部屋の主がいなくなる、となぜ分かる?」
執務室を使用しているのは、健康に問題がなさそうな面子だぞ?
「その席に座る価値がない者は不要だわ、ずべし。」
と王女様。
売国に加担しなかったか、既に、別の国とツーカーだったか、で、手なづけられなかったケレメイン大公家の使用人は、従わないから消して、その席に座る人物を入れ替える予定だったように聞こえたなー。
「不退転の決意って、失敗することを想定しないことじゃないよな?」
「失敗して帰国すれば、処刑、ずべし。本人だけではなく、家族も、ずべし。」
と王妃陛下。
「徹底しているな。
裁定がおりた者の処遇は、そちらの国の制度だか政治の話だから、ケレメイン大公国には無関係だなー。
帰国してから、処刑祭り開催が決まっているのか。」
不退転の決意という言葉が、今日ほど重く響いたことはないな。
女神様の裁定のおりた人の今後に無関心な態度なのが、クロードとカズラくん以外には予想外だったらしい。
「処刑されたら、可哀想とは言わないのね、ずべし。」
と王妃陛下。
「属国でもないのに、内政干渉を歓迎しているとは、奇異なことだ。」
とクロード。
「クロード様は慈悲深い方ですわ、ずべし。大公妃を名乗るなら、クロード様の慈悲深さにならうもの、ずべし。」
と王女様。
クロードが会話に加わってきたからか、王女様の声に愛想が追加された。
「今の青姦ルームに、可哀想な人は、一人もいないぞ?」
しーんとする青姦ルーム。
「欲の皮が突っ張ったために、姿を変えた者は多数いる。」
とクロード。
「そちらにかける憐憫の情なんて、持ち合わせていないよ。」
とカズラくん。
再び、静まり返る青姦ルーム。
哀れみをかけたオレにつけこみ、庇(ひさし)を貸して母屋を取られる計画を練ったのか。
うーん。
オレに哀れみをかけられる余地のある人は、どこにいるのかなー?
最初から、破綻しているのは、咄嗟に考えた計画だから、じゃないよなー?
「この姿で出歩けと、ずべし。」
と王女様から、クレームがついた。
「王女様は、部屋の場所の特徴を聞いただけで、どの部屋か割り出せるのかな?」
試しに聞いてみた。
王女様の情報網は、どのぐらい、ケレメイン大公国に入り込んでいるのかな?
「城内の部屋の配置は知っているわ、ずべし。」
と王女様。
王女様。
ケレメイン大公国の人間でない王女様が、ケレメイン大公の城の部屋の配置を把握済みって、堂々と話すことじゃないと、オレは思うなー。
内通者かスパイの存在を暗に認めていることにならないかな?
「じゃ、全員、聞き取りするぞ。」
王女様とオレのやり取りに、随行員は、希望を見出したらしい。
全員、素直に、白状した。
執務室は、現在、ケレメイン大公家の使用人が実際に使用している部屋のことだった。
住まいは、ケレメイン大公家の城内の部屋を勝手に割り振って、どの部屋に住むか決めていた。
外交ではなく、占領しに来たんだな?
「わたくしは、勿論、クロード様との続き部屋、ずべし。」
と王女様。
続き部屋って、大公妃殿下のオレの部屋のことだな。
部屋の主のオレに、奪い取る計画だった、と臆面もなく語れる、王女様の図太さは賞賛に値する。
「なんで、その執務室を選んだ?他にも部屋はあるよな?」
どの執務室も、可もなく不可もない造りの部屋。
「部屋の主が、いなくなるとわかっている部屋を使うのは有効活用、ずべし。」
と王女様。
「部屋の主がいなくなる、となぜ分かる?」
執務室を使用しているのは、健康に問題がなさそうな面子だぞ?
「その席に座る価値がない者は不要だわ、ずべし。」
と王女様。
売国に加担しなかったか、既に、別の国とツーカーだったか、で、手なづけられなかったケレメイン大公家の使用人は、従わないから消して、その席に座る人物を入れ替える予定だったように聞こえたなー。
「不退転の決意って、失敗することを想定しないことじゃないよな?」
「失敗して帰国すれば、処刑、ずべし。本人だけではなく、家族も、ずべし。」
と王妃陛下。
「徹底しているな。
裁定がおりた者の処遇は、そちらの国の制度だか政治の話だから、ケレメイン大公国には無関係だなー。
帰国してから、処刑祭り開催が決まっているのか。」
不退転の決意という言葉が、今日ほど重く響いたことはないな。
女神様の裁定のおりた人の今後に無関心な態度なのが、クロードとカズラくん以外には予想外だったらしい。
「処刑されたら、可哀想とは言わないのね、ずべし。」
と王妃陛下。
「属国でもないのに、内政干渉を歓迎しているとは、奇異なことだ。」
とクロード。
「クロード様は慈悲深い方ですわ、ずべし。大公妃を名乗るなら、クロード様の慈悲深さにならうもの、ずべし。」
と王女様。
クロードが会話に加わってきたからか、王女様の声に愛想が追加された。
「今の青姦ルームに、可哀想な人は、一人もいないぞ?」
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とクロード。
「そちらにかける憐憫の情なんて、持ち合わせていないよ。」
とカズラくん。
再び、静まり返る青姦ルーム。
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うーん。
オレに哀れみをかけられる余地のある人は、どこにいるのかなー?
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