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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
288.夫婦には、愛と信頼が必要です。裏切られる心配をしながら、命を預けることは困難です。
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王女様の側に年嵩の女性が歩み寄ってきた。
「王女殿下から、手を離しなさい。神子様ではなくなった男が、未来の国母となられるお方に。」
と、年嵩の女性。
年嵩の女性は、カズラくんと手を繋いでいる王女様の肩に手を乗せて、王女様をカズラくんから引き離そうとしている。
「クロード様。そのような、あまりにも無茶苦茶なお話は、どうぞお客様のいらっしゃらないときに。」
と話し出したのは、ケレメイン大公家の別の男性使用人。
話し出した男性は、古参の使用人の一人だったはず。
王女様と仲良しなのかなー?
「誰だ?」
と問うクロードの声は固い。
クロードの声からは、親しみやすさも、主人としての思いやりも、何も感じ取れない。
「クロード様。御冗談を言っている場合ではございませんぞ。」
と男性使用人。
男性使用人は、わがままな坊っちゃんをたしなめるかのように、クロードに話している。
クロードは、男性使用人の名前を忘れたわけじゃないんだよなー。
気づくかなー。
「誰だ?何の目的で、私の邪魔をする?」
とクロード。
「クロード様。お戯れが過ぎます。またとない良縁を遠ざけるのは、お止めください。」
と話す古参の使用人は、真剣だ。
「良縁を潰しているのは、私ではない。」
と切り捨てるクロード。
「さよう。クロード様の隣で呆けている男娼にございますな。」
と高らかに言い放つ古参の使用人。
は?
男娼?
クロードの隣には、オレしかいないぞ?
オイ、男娼って、オレのことか?
フザけんのも、たいがいにしろ。
オレは、仕事で、クロードに抱かれているわけじゃないからな!
夫婦だぞ、オレ達は。
オレとクロードの間には、愛と性欲しかない。
クロードは、オレを侮辱されたので、機嫌が悪い。
「永きにわたる献身の末に、私利私欲に走り、その目は節穴と化したか。
私のヒサツグが良縁に見えず、欲のあからさまな外国の王女に肩入れするとは、人を見る目がない。」
とクロード。
カズラくんの手を振りほどこうとしている王女様。
振りほどかせないカズラくん。
「考え直されるなら、今です、クロード様。
ケレメイン家は、由緒正しきお血筋。
その血を絶やすなどという愚行を、この先も、続けるおつもりですか?
今のクロード様は、先代に顔向けできましょうか?」
と古参の使用人は、真摯に訴えてくる。
「先代に顔向け出来ないのは、私ではない。
先代に顔向け出来ないという身勝手な思い込みで、私の選んだ伴侶をすげ替えようとするなら、大公である私に対しての叛意ありと判断する。」
とクロード様。
「クロード様。ケレメイン家の。」
と食い下がる、古参の使用人。
「ケレメイン家は、私の代で終わらせる。
父上と母上は、仲睦まじいと評判だった。
父上と母上は、皆に慕われ、私を健やかなれ、と慈しんでくださった。
父上と母上が、領民と家族を愛して、守ってこれたのは、父上と母上の間に、愛と信頼があり、確かな結びつきがあったから。
その王女と私は仲睦まじくなれない。
なぜだか、分かるか?
ケレメイン家の使用人と内通し、ケレメイン家の使用人を我が物顔で使う王女だからだ。
信用できないものには、近づかれたくない。
我が家の使用人を裏切らせる王女に、私は、私の命を預けない。
青姦ルームにいる使用人は、私の指示で動いていない。
私は、青姦ルームに使用人が来る指示を出していない。」
とクロード。
クロードは、青姦ルームにいる使用人全員を見据えた。
「お前達は、誰の指示で動いた?
お前達の主人は誰だ?」
とクロード。
「王女殿下から、手を離しなさい。神子様ではなくなった男が、未来の国母となられるお方に。」
と、年嵩の女性。
年嵩の女性は、カズラくんと手を繋いでいる王女様の肩に手を乗せて、王女様をカズラくんから引き離そうとしている。
「クロード様。そのような、あまりにも無茶苦茶なお話は、どうぞお客様のいらっしゃらないときに。」
と話し出したのは、ケレメイン大公家の別の男性使用人。
話し出した男性は、古参の使用人の一人だったはず。
王女様と仲良しなのかなー?
「誰だ?」
と問うクロードの声は固い。
クロードの声からは、親しみやすさも、主人としての思いやりも、何も感じ取れない。
「クロード様。御冗談を言っている場合ではございませんぞ。」
と男性使用人。
男性使用人は、わがままな坊っちゃんをたしなめるかのように、クロードに話している。
クロードは、男性使用人の名前を忘れたわけじゃないんだよなー。
気づくかなー。
「誰だ?何の目的で、私の邪魔をする?」
とクロード。
「クロード様。お戯れが過ぎます。またとない良縁を遠ざけるのは、お止めください。」
と話す古参の使用人は、真剣だ。
「良縁を潰しているのは、私ではない。」
と切り捨てるクロード。
「さよう。クロード様の隣で呆けている男娼にございますな。」
と高らかに言い放つ古参の使用人。
は?
男娼?
クロードの隣には、オレしかいないぞ?
オイ、男娼って、オレのことか?
フザけんのも、たいがいにしろ。
オレは、仕事で、クロードに抱かれているわけじゃないからな!
夫婦だぞ、オレ達は。
オレとクロードの間には、愛と性欲しかない。
クロードは、オレを侮辱されたので、機嫌が悪い。
「永きにわたる献身の末に、私利私欲に走り、その目は節穴と化したか。
私のヒサツグが良縁に見えず、欲のあからさまな外国の王女に肩入れするとは、人を見る目がない。」
とクロード。
カズラくんの手を振りほどこうとしている王女様。
振りほどかせないカズラくん。
「考え直されるなら、今です、クロード様。
ケレメイン家は、由緒正しきお血筋。
その血を絶やすなどという愚行を、この先も、続けるおつもりですか?
今のクロード様は、先代に顔向けできましょうか?」
と古参の使用人は、真摯に訴えてくる。
「先代に顔向け出来ないのは、私ではない。
先代に顔向け出来ないという身勝手な思い込みで、私の選んだ伴侶をすげ替えようとするなら、大公である私に対しての叛意ありと判断する。」
とクロード様。
「クロード様。ケレメイン家の。」
と食い下がる、古参の使用人。
「ケレメイン家は、私の代で終わらせる。
父上と母上は、仲睦まじいと評判だった。
父上と母上は、皆に慕われ、私を健やかなれ、と慈しんでくださった。
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その王女と私は仲睦まじくなれない。
なぜだか、分かるか?
ケレメイン家の使用人と内通し、ケレメイン家の使用人を我が物顔で使う王女だからだ。
信用できないものには、近づかれたくない。
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青姦ルームにいる使用人は、私の指示で動いていない。
私は、青姦ルームに使用人が来る指示を出していない。」
とクロード。
クロードは、青姦ルームにいる使用人全員を見据えた。
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お前達の主人は誰だ?」
とクロード。
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