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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
279.ミーレ長官のお母さんが女王陛下として客死した国の国王夫妻が到着。招待していない、未婚の王女様には、オレが挨拶しますね?
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ケレメイン大公国での社交に、王侯貴族の定番、夜会とお茶会はない。
ケレメイン大公国には、オレとクロード以外、貴族がいないから、オレとクロードに負担が集中する社交はしないことにした。
招待の際に、夜会とお茶会はしないので、滞在には、身動きしやすい軽装をご用意ください、と先方に連絡している。
日本にいたとき。
『平服でお越しください。』
というお招きがあったから、それを取り入れた。
外国の国王夫妻の持ち物を間違えずに扱える職人も商人も、ケレメイン大公国にはいない。
ケレメイン公爵領だったときに、公爵家で使うものを扱っていた、としても。
一介の公爵家と、王家では、埋められない差がある。
まして、外国の国王夫妻が外交のために使うもの。
手を出さない、に、こしたことはない。
オレが、初めて、公爵の伴侶としてお仕事をした大商人との取引は、今も継続している。
国の命運をかける取引は、大商人とはしていない。
大商人は、ケレメイン大公国の商人ではない。
大商人自身も、大商人の商会も、マウンテン王国に籍がある。
ケレメイン大公国にとって、大商人は、外資。
ケレメイン大公国としては、国内の商人を育てたい。
王命で、大商人の荷が、差し押さえられ、ケレメイン大公国が頼んだ荷物が届かない、というリスクも、将来的に考えられなくはないからだ。
オレとクロードは、長丁場を乗り切るために、健康第一、無理はしない、と決めた。
ケレメイン大公国の外交はまだ始まっていない。
あの国には、やって、この国には、しない、という区別をする段階じゃない。
間口は、広く公平に。
継続できることに絞る。
オレとクロードは、貴族の社交でも、平民の井戸端会議でもない、新しい形を模索した。
「ようこそ、お越しくださいました。」
とクロードが歓迎の意を伝えると。
国王夫妻は、挨拶もそこそこに、妙齢の王女様を前に出してきた。
「初めてお目にかかりますわ。わたくしとは、長いお付き合いになると思いますの。」
ケレメイン大公国は、国王夫妻しかお招きしていないのに、クロードだけに目線を合わせて片手の甲をクロードに差し出して、手の甲へのキス待ちの姿勢で、挨拶してきた王女様。
オレは、にこにこしながら、王女様の手を握りにいった。
王女様は、オレの手から、白魚のような手を引き抜こうとする。
オレは、にこにこしながらつかんで離さない。
「長い付き合いということは、貴国の次代は、王女様が、女王陛下として即位されるんですね。
かつてのマウンテン王国にも女王陛下の御代がありましたね。
貴国で客死されたと聞いていますが。」
王女様は、まなじりを釣り上げている。
コメントしようがないもんなー。
オレは、笑顔を崩さない。
「王女様の伴侶は、どなたでしょうか?
どうぞ、王女様の横に。
貴国からは、既婚者の方で伴侶が同伴できる方のみをお招きしています。
夫婦として、交流を深めましょう。」
「わたくしの伴侶なら、そこに。」
と王女様。
王女様は、クロードに艷やかな視線を投げた。
クロードは、無視。
オレは、聞き分けのない子どもに相対する親戚のように振る舞う。
「王女様は、他人の男を寝盗りたい性癖なんですか?夫婦に不和をもたらす性癖の方の入国は、お断りします。」
ケレメイン大公国には、オレとクロード以外、貴族がいないから、オレとクロードに負担が集中する社交はしないことにした。
招待の際に、夜会とお茶会はしないので、滞在には、身動きしやすい軽装をご用意ください、と先方に連絡している。
日本にいたとき。
『平服でお越しください。』
というお招きがあったから、それを取り入れた。
外国の国王夫妻の持ち物を間違えずに扱える職人も商人も、ケレメイン大公国にはいない。
ケレメイン公爵領だったときに、公爵家で使うものを扱っていた、としても。
一介の公爵家と、王家では、埋められない差がある。
まして、外国の国王夫妻が外交のために使うもの。
手を出さない、に、こしたことはない。
オレが、初めて、公爵の伴侶としてお仕事をした大商人との取引は、今も継続している。
国の命運をかける取引は、大商人とはしていない。
大商人は、ケレメイン大公国の商人ではない。
大商人自身も、大商人の商会も、マウンテン王国に籍がある。
ケレメイン大公国にとって、大商人は、外資。
ケレメイン大公国としては、国内の商人を育てたい。
王命で、大商人の荷が、差し押さえられ、ケレメイン大公国が頼んだ荷物が届かない、というリスクも、将来的に考えられなくはないからだ。
オレとクロードは、長丁場を乗り切るために、健康第一、無理はしない、と決めた。
ケレメイン大公国の外交はまだ始まっていない。
あの国には、やって、この国には、しない、という区別をする段階じゃない。
間口は、広く公平に。
継続できることに絞る。
オレとクロードは、貴族の社交でも、平民の井戸端会議でもない、新しい形を模索した。
「ようこそ、お越しくださいました。」
とクロードが歓迎の意を伝えると。
国王夫妻は、挨拶もそこそこに、妙齢の王女様を前に出してきた。
「初めてお目にかかりますわ。わたくしとは、長いお付き合いになると思いますの。」
ケレメイン大公国は、国王夫妻しかお招きしていないのに、クロードだけに目線を合わせて片手の甲をクロードに差し出して、手の甲へのキス待ちの姿勢で、挨拶してきた王女様。
オレは、にこにこしながら、王女様の手を握りにいった。
王女様は、オレの手から、白魚のような手を引き抜こうとする。
オレは、にこにこしながらつかんで離さない。
「長い付き合いということは、貴国の次代は、王女様が、女王陛下として即位されるんですね。
かつてのマウンテン王国にも女王陛下の御代がありましたね。
貴国で客死されたと聞いていますが。」
王女様は、まなじりを釣り上げている。
コメントしようがないもんなー。
オレは、笑顔を崩さない。
「王女様の伴侶は、どなたでしょうか?
どうぞ、王女様の横に。
貴国からは、既婚者の方で伴侶が同伴できる方のみをお招きしています。
夫婦として、交流を深めましょう。」
「わたくしの伴侶なら、そこに。」
と王女様。
王女様は、クロードに艷やかな視線を投げた。
クロードは、無視。
オレは、聞き分けのない子どもに相対する親戚のように振る舞う。
「王女様は、他人の男を寝盗りたい性癖なんですか?夫婦に不和をもたらす性癖の方の入国は、お断りします。」
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