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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
271.『ミーレ長官の奥様、具体的には?』『女神様を心に住まわせないでほしいんです。』『ミーレ長官が女神様に祈っていたら、情報が筒抜け。』
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「ミーレ長官の奥様は、具体的に、ミーレ長官に何を求めている?」
ミーレ長官は、黙って、奥様を見つめている。
「女神様をあなたの心の中に住まわせないでください。
女神様にお願いする前に、わたしに相談してください。
ヒサツグ様や、クロード様も、いらっしゃいます。
困ったときに女神様に頼ることは、マウンテン王国の王家の男子の習慣かもしれませんが。
わたしは、マウンテン王国で暮らしている間、女王陛下ご夫妻、前国王陛下ご夫妻、現国王陛下ご夫妻と、三代見てきました。
前国王陛下と、現国王陛下が女神様と仲を深められたことで、国と両陛下には、どんなメリットがあったか思い出せますか?
私は、両陛下の夫婦仲が壊れる様子しか思い出せません。
女神様と疎遠だったと推測が可能な女王陛下と王配の関係は、悪くありませんでした。」
とミーレ長官の奥様。
今、ミーレ長官の奥様から
聞き捨てならんことを聞いたぞ?
「ミーレ長官は、女神様に何を願っていたんだ?」
オレは、ミーレ長官に確認することにした。
ミーレ長官が、何を祈っていたのか、聞いておかないと。
女神様には、守秘義務の観念はない。
女神様は、物理的にオレを排除しようとしていたマウンテン王国の現国王陛下に、オレに関する情報をどばどば提供していた。
オレに関する情報を、オレに黙って提供すること。
女神様が提供した情報で、オレがピンチになること。
いずれも、女神様の良心はいたまない。
ミーレ長官の祈っていた内容が、ケレメイン大公国の問題点だったら、ケレメイン大公国の弱みは、既に、各国に把握されていることになる。
社外秘を呟いて、騒動になった人がいるから、そんなことは、しないように、と新入社員研修で聞いたことがあるなー。
懐かしいなー。
そんなん、誰もやらないよー!
と同期と笑っていた、新入社員時代。
『当事者だけじゃなく、監督責任を問われて、教育担当や、上司にも累が及ぶからな?絶対にやるなよ?
損害賠償や、失職やで、自分の家族や他人の家族を巻き込んで、何人もの人生を潰したら、どう頑張っても、何一つ元には戻せないんだ。』
と何度も念押ししていた先輩は、元気かなー?
オレ、今、先輩の言っていた台詞の重みを噛み締めさせたい人が、目の前にいるんだよなー。
横にいるクロードから、ケレメイン大公国とケレメイン大公夫妻の秘密が、ミーレ長官経由で漏洩した可能性を懸念しているのが、伝わってくる。
ミーレ長官の上司は、クロードじゃなく、オレだからなー。
「個人的なことです。」
と拒否するミーレ長官。
ミーレ長官は、衝撃が連続し続けて、素になっている。
「女神様は、ミーレ長官が祈ったり、お願いしてきた内容から得た情報を、各国の国王に垂れ流しているぞ。女神様は、国王以外と秘密の共有はしない。
ミーレ長官の個人的なお祈りが、ケレメイン大公国の弱みを各国にばら撒いた可能性が高い。
ミーレ長官が、知り得た情報や、ミーレ長官を取り巻く環境に関する祈りは、ケレメイン大公国に関わらないことだとは言えないよな?
オレは、ミーレ長官の上司だ。問題が起きていると分かっていて、報告を渋る部下を見逃しはしない。」
ミーレ長官は、気が進まなそうだ。
「仕方がない。ミーレ長官は、新しい自分に生まれ変わって、素直になってもらおう。
こんにゃく愛を貫くか、別の何かに、目覚めるかは。」
とオレが話していると。
ミーレ長官は、愛こんにゃく家を思い出したらしい。
「話します。」
と、友好的なミーレ長官が、戻ってきた。
ミーレ長官は、黙って、奥様を見つめている。
「女神様をあなたの心の中に住まわせないでください。
女神様にお願いする前に、わたしに相談してください。
ヒサツグ様や、クロード様も、いらっしゃいます。
困ったときに女神様に頼ることは、マウンテン王国の王家の男子の習慣かもしれませんが。
わたしは、マウンテン王国で暮らしている間、女王陛下ご夫妻、前国王陛下ご夫妻、現国王陛下ご夫妻と、三代見てきました。
前国王陛下と、現国王陛下が女神様と仲を深められたことで、国と両陛下には、どんなメリットがあったか思い出せますか?
私は、両陛下の夫婦仲が壊れる様子しか思い出せません。
女神様と疎遠だったと推測が可能な女王陛下と王配の関係は、悪くありませんでした。」
とミーレ長官の奥様。
今、ミーレ長官の奥様から
聞き捨てならんことを聞いたぞ?
「ミーレ長官は、女神様に何を願っていたんだ?」
オレは、ミーレ長官に確認することにした。
ミーレ長官が、何を祈っていたのか、聞いておかないと。
女神様には、守秘義務の観念はない。
女神様は、物理的にオレを排除しようとしていたマウンテン王国の現国王陛下に、オレに関する情報をどばどば提供していた。
オレに関する情報を、オレに黙って提供すること。
女神様が提供した情報で、オレがピンチになること。
いずれも、女神様の良心はいたまない。
ミーレ長官の祈っていた内容が、ケレメイン大公国の問題点だったら、ケレメイン大公国の弱みは、既に、各国に把握されていることになる。
社外秘を呟いて、騒動になった人がいるから、そんなことは、しないように、と新入社員研修で聞いたことがあるなー。
懐かしいなー。
そんなん、誰もやらないよー!
と同期と笑っていた、新入社員時代。
『当事者だけじゃなく、監督責任を問われて、教育担当や、上司にも累が及ぶからな?絶対にやるなよ?
損害賠償や、失職やで、自分の家族や他人の家族を巻き込んで、何人もの人生を潰したら、どう頑張っても、何一つ元には戻せないんだ。』
と何度も念押ししていた先輩は、元気かなー?
オレ、今、先輩の言っていた台詞の重みを噛み締めさせたい人が、目の前にいるんだよなー。
横にいるクロードから、ケレメイン大公国とケレメイン大公夫妻の秘密が、ミーレ長官経由で漏洩した可能性を懸念しているのが、伝わってくる。
ミーレ長官の上司は、クロードじゃなく、オレだからなー。
「個人的なことです。」
と拒否するミーレ長官。
ミーレ長官は、衝撃が連続し続けて、素になっている。
「女神様は、ミーレ長官が祈ったり、お願いしてきた内容から得た情報を、各国の国王に垂れ流しているぞ。女神様は、国王以外と秘密の共有はしない。
ミーレ長官の個人的なお祈りが、ケレメイン大公国の弱みを各国にばら撒いた可能性が高い。
ミーレ長官が、知り得た情報や、ミーレ長官を取り巻く環境に関する祈りは、ケレメイン大公国に関わらないことだとは言えないよな?
オレは、ミーレ長官の上司だ。問題が起きていると分かっていて、報告を渋る部下を見逃しはしない。」
ミーレ長官は、気が進まなそうだ。
「仕方がない。ミーレ長官は、新しい自分に生まれ変わって、素直になってもらおう。
こんにゃく愛を貫くか、別の何かに、目覚めるかは。」
とオレが話していると。
ミーレ長官は、愛こんにゃく家を思い出したらしい。
「話します。」
と、友好的なミーレ長官が、戻ってきた。
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