《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

264.ケレメイン大公国が独自路線を貫くのは、理由があります。

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「ケレメイン大公国だけで、独自の体制に移行するということですか?
国内外に、混乱をきたします。」
とミーレ長官。

「誰もが受け入れがたくても、経過が苦労の連続でも、ケレメイン大公国は、体制を変える。

ケレメイン大公国の未来と、国民の将来のために。

体制は、今すぐ全部変えるわけじゃない。
何年か、かけて、最終的に新しい体制にもっていく。」

「ヒサツグ様。理想を語っている時間は、あまりありません。」
とミーレ長官。

「ミーレ長官。

ケレメイン大公国が、外国に侮られるのは、既存の枠組みで、推し量られているからだ。

ケレメイン大公国は、既存の枠組みから抜け出して、ケレメイン大公国を見下すことは的外れだという価値観を作り出す。

ケレメイン大公国と他の国は、何もかもが違うんだから、比較する方がおかしい、と、意識に植え付ける。

まずは、国民から意識改革だ。」

「ヒサツグ様。言わんとされていることは、伝わってきますが、既存の体制を否定するのですか?」
と慎重なミーレ長官。

「否定しない。共存する。ケレメイン大公国になりたい国は、条件次第で、入れてやらんこともない、という姿勢でいく。」

ミーレ長官は、呆気にとられている。

ミーレ長官の奥様は、吹き出した。

クロードは、オレの隣で穏やかに、オレの膝に手を伸ばしている。

いたずら好きな、クロードの手を握って、話を続けるオレ。

「クロードが、若くて元気で気力が溢れていて、動き回るのに支障がない国主である間に、ケレメイン大公国は、国の体制を確固たるものに変えておく。

ミーレ長官と奥様には、先に伝えておく。

ケレメイン大公国は、英雄クロード以外の誰が国主になっても、女神様の力を授かることはない。

クロードの血をひいた子どもであろと。
ケレメイン大公家の親戚であろうと。
ケレメイン大公家と関係ない、外国から来た赤の他人であろうと。
マウンテン王国の王家の血筋であろうと。

女神様の力を授かる国主は、ケレメイン大公国に生まれない。

ケレメイン大公国の運営は、女神様の力ではなく、人の力で推し進めることになる。

ケレメイン大公国の次世代に必要なのは。

従来のやり方を知っていて。
従来のやり方で運営する国もあれば、ケレメイン大公国のようなやり方で、運営する国もあることを理解して、それを良しとする人。

ケレメイン大公国は、柔軟性がありながら、ケレメイン大公国を一番に考えられる自国民を育てる。

ケレメイン大公国は、独立国家であり続けるため、国の統治を外国に明け渡さない。

独自路線を貫かず、外国からの統治を受け入れたケレメイン大公国には、属国か植民地以外の未来はないと思う。」
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