263 / 673
第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
263.『英雄クロードの興した国なんで。』褒められても、けなされても、文句を言われても、これで対応していこうと思います。独自性を追求します。
しおりを挟む
まず、第一歩。
オレとクロードは、ケレメイン大公クロード殿下と、ケレメイン大公妃ヒサツグの名前で、お仕事に精を出すことにした。
オレは、ミーレ長官とミーレ長官の奥様に、大公妃としての振る舞いを教えてもらった。
クロードと一緒に。
オレの貴族としての知識や常識について、テストされた後。
『以前、オレがクビにしたオレの教育係が、どれだけ仕事をしていなかったか。』
という話になり。
「その教育係は、だいたいの教育を終えた子どもと会って、『よく学んでいます』というだけで、指導した経験はありません。」
というミーレ長官の説明に、合点がいったオレ。
『これを呼んで覚えなさい』としか言わず、一人で優雅にお茶をしているわけだ。
教育係と呼んでいたけど、教育の素人だったんだなー。
オレとクロードは、ケレメイン大公国とケレメイン大公夫妻の方針を話し合って、ミーレ長官夫妻に伝えた。
「クロードが英雄として、国を興したとは、明言しないけど、対外的には、褒められても、そしられても、『英雄なんで』で通す。
オレ達が、理解を求めて、理由を説明しようとすると、言葉尻をとらえて、無理難題を押し付けられかねない。
英雄クロードが興した国、ケレメイン大公国のやり方だから、余所からの注文も文句も聞かない、と意思表示する。」
「そのように、徹底しましょう。」
とミーレ長官。
「新興国だから、と専門家の打診や、国の組織の脆弱さを指摘する声に対して、ケレメイン大公国の対応は統一しておく。
どの国からの話にも、どの担当が受けても、一律、ルールに則った対応をする。
採用されたいなら、採用される有用性を示せ、と競争原理を導入する。
採用の際に、バックグラウンドは、考慮しない。
採用後、ケレメイン大公国は、採用希望者のバックグラウンドに配慮することはない。
採用後、採用希望者によるバックグラウンドへの謝礼は認めない。
謝礼が発覚したら、採用は取り消し。
ケレメイン大公国の採用方針として、職員と大公家の使用人に周知して遵守させる。
職員と使用人が、ルールを守らず、口利きをはじめとする採用に関わったら、罰則がある。
まず公表。
ルール違反の度合いで、減給、左遷、失職、罰金、損害賠償、刑務所での労働による刑罰を決める。」
仕事は、ある。
働けるうちは、働いてもらおう。
「クロードは、誰に人を勧められても、一人で即決しないこと。
今とこれからの、オレ達夫婦とケレメイン大公国に必要な人材についての条件を決めておき、採用希望者の対応を統一して、下におろしておけば、どんな人に勧められても、オレとクロードは、担当に任せるだけでいい。
本採用を決めるときに、オレとクロードが、チェックするけれど、オレとクロードが会うかどうかは、確約しない。
オレやクロードに会うことを要求してきたら、お引取一択。
採用後も、オレとクロードは、採用された人に直接関わらない。
やり取りは、全て、所属部署の上長を通す。
外から送り込まれてくる人は、どんなに偉い人でも、ケレメイン大公国では、ヒラから始めてもらう、と伝える。
本人の人格と能力に問題がなければ出世させる。
ただし。
オレとクロードに忠誠を誓わなくて、オレ達二人の仲を良くしないように働きかける人は、優秀でも雇わないし、発覚次第、推薦者と出身国と事実を公表してクビ。
周りを不愉快にしない人格と必要な仕事を期間までに問題なく終わらせる能力がある人に限定して、ケレメイン大公国に雇われたら、ケレメイン大公国の発展とケレメイン大公夫妻の末永い幸せのために働くという人のみ採用する。
祖国や、紹介者など、ケレメイン大公夫妻とケレメイン大公国以外に便宜をはかる行いは禁止。
便宜の内容と相手を公表して、クビと追放。
勧められた人を採用する前に、独自に調査してから判断するから、現場も含めて即決はしない。
こちらの希望に合わない相手は採用しない。
採用に関して、クロードだけじゃなく、誰でも一人だけで、判断しない。
オレの可否は、クロードと同等の価値があるから、クロードがよし、としても、オレがダメなら、ダメ。
他にも、採用されたい人が関わる部署があれば、事前に部署の声を拾って、その人が必要か、オレとクロードが判断する。
オレ達は、最終判断を他人に委ねない。
最後に決めるのは、オレとクロード。
オレ達は、即決しないで、のらりくらりと引き伸ばす。
引き伸ばしても、採用するとは限らない。
実際に働いてもらって、うちには合わない、求めていた人材じゃない、となれば、速やかに、退職させる。
退職しても、退職しなくても。
仕事で得たケレメイン大公クロード殿下とケレメイン大公妃ヒサツグ、ケレメイン大公国に関する情報は、誰にも漏らさない、漏らした場合、漏らした相手と漏らした理由を公表するという契約をしてから、採用する。
どこから文句を言われても、スパイを送り込まれる道筋は作りたくない。
独自性を出して、独自性は、『英雄クロードのケレメイン大公国。』という名でブランド化する。」
オレとクロードは、ケレメイン大公クロード殿下と、ケレメイン大公妃ヒサツグの名前で、お仕事に精を出すことにした。
オレは、ミーレ長官とミーレ長官の奥様に、大公妃としての振る舞いを教えてもらった。
クロードと一緒に。
オレの貴族としての知識や常識について、テストされた後。
『以前、オレがクビにしたオレの教育係が、どれだけ仕事をしていなかったか。』
という話になり。
「その教育係は、だいたいの教育を終えた子どもと会って、『よく学んでいます』というだけで、指導した経験はありません。」
というミーレ長官の説明に、合点がいったオレ。
『これを呼んで覚えなさい』としか言わず、一人で優雅にお茶をしているわけだ。
教育係と呼んでいたけど、教育の素人だったんだなー。
オレとクロードは、ケレメイン大公国とケレメイン大公夫妻の方針を話し合って、ミーレ長官夫妻に伝えた。
「クロードが英雄として、国を興したとは、明言しないけど、対外的には、褒められても、そしられても、『英雄なんで』で通す。
オレ達が、理解を求めて、理由を説明しようとすると、言葉尻をとらえて、無理難題を押し付けられかねない。
英雄クロードが興した国、ケレメイン大公国のやり方だから、余所からの注文も文句も聞かない、と意思表示する。」
「そのように、徹底しましょう。」
とミーレ長官。
「新興国だから、と専門家の打診や、国の組織の脆弱さを指摘する声に対して、ケレメイン大公国の対応は統一しておく。
どの国からの話にも、どの担当が受けても、一律、ルールに則った対応をする。
採用されたいなら、採用される有用性を示せ、と競争原理を導入する。
採用の際に、バックグラウンドは、考慮しない。
採用後、ケレメイン大公国は、採用希望者のバックグラウンドに配慮することはない。
採用後、採用希望者によるバックグラウンドへの謝礼は認めない。
謝礼が発覚したら、採用は取り消し。
ケレメイン大公国の採用方針として、職員と大公家の使用人に周知して遵守させる。
職員と使用人が、ルールを守らず、口利きをはじめとする採用に関わったら、罰則がある。
まず公表。
ルール違反の度合いで、減給、左遷、失職、罰金、損害賠償、刑務所での労働による刑罰を決める。」
仕事は、ある。
働けるうちは、働いてもらおう。
「クロードは、誰に人を勧められても、一人で即決しないこと。
今とこれからの、オレ達夫婦とケレメイン大公国に必要な人材についての条件を決めておき、採用希望者の対応を統一して、下におろしておけば、どんな人に勧められても、オレとクロードは、担当に任せるだけでいい。
本採用を決めるときに、オレとクロードが、チェックするけれど、オレとクロードが会うかどうかは、確約しない。
オレやクロードに会うことを要求してきたら、お引取一択。
採用後も、オレとクロードは、採用された人に直接関わらない。
やり取りは、全て、所属部署の上長を通す。
外から送り込まれてくる人は、どんなに偉い人でも、ケレメイン大公国では、ヒラから始めてもらう、と伝える。
本人の人格と能力に問題がなければ出世させる。
ただし。
オレとクロードに忠誠を誓わなくて、オレ達二人の仲を良くしないように働きかける人は、優秀でも雇わないし、発覚次第、推薦者と出身国と事実を公表してクビ。
周りを不愉快にしない人格と必要な仕事を期間までに問題なく終わらせる能力がある人に限定して、ケレメイン大公国に雇われたら、ケレメイン大公国の発展とケレメイン大公夫妻の末永い幸せのために働くという人のみ採用する。
祖国や、紹介者など、ケレメイン大公夫妻とケレメイン大公国以外に便宜をはかる行いは禁止。
便宜の内容と相手を公表して、クビと追放。
勧められた人を採用する前に、独自に調査してから判断するから、現場も含めて即決はしない。
こちらの希望に合わない相手は採用しない。
採用に関して、クロードだけじゃなく、誰でも一人だけで、判断しない。
オレの可否は、クロードと同等の価値があるから、クロードがよし、としても、オレがダメなら、ダメ。
他にも、採用されたい人が関わる部署があれば、事前に部署の声を拾って、その人が必要か、オレとクロードが判断する。
オレ達は、最終判断を他人に委ねない。
最後に決めるのは、オレとクロード。
オレ達は、即決しないで、のらりくらりと引き伸ばす。
引き伸ばしても、採用するとは限らない。
実際に働いてもらって、うちには合わない、求めていた人材じゃない、となれば、速やかに、退職させる。
退職しても、退職しなくても。
仕事で得たケレメイン大公クロード殿下とケレメイン大公妃ヒサツグ、ケレメイン大公国に関する情報は、誰にも漏らさない、漏らした場合、漏らした相手と漏らした理由を公表するという契約をしてから、採用する。
どこから文句を言われても、スパイを送り込まれる道筋は作りたくない。
独自性を出して、独自性は、『英雄クロードのケレメイン大公国。』という名でブランド化する。」
32
お気に入りに追加
1,813
あなたにおすすめの小説



漆黒の瞳は何を見る
灯璃
BL
記憶を無くした青年が目覚めた世界は、妖、と呼ばれる異形の存在がいる和風の異世界だった
青年は目覚めた時、角を生やした浅黒い肌の端正な顔立ちの男性にイスミ アマネと呼びかけられたが、記憶が無く何も思い出せなかった……自分の名前すらも
男性は慌てたようにすぐに飛び去ってしまい、青年は何も聞けずに困惑する
そんな戸惑っていた青年は役人に捕えられ、都に搬送される事になった。そこで人々を統べるおひい様と呼ばれる女性に会い、あなたはこの世界を救う為に御柱様が遣わされた方だ、と言われても青年は何も思い出せなかった。経緯も、動機も。
ただチート級の能力はちゃんと貰っていたので、青年は仕方なく状況に流されるまま旅立ったのだが、自分を受け入れてくれたのは同じ姿形をしている人ではなく、妖の方だった……。
この世界では不吉だと人に忌み嫌われる漆黒の髪、漆黒の瞳をもった、自己肯定感の低い(容姿は可愛い)主人公が、人や妖と出会い、やがてこの世界を救うお話(になっていけば良いな)
※攻めとの絡みはだいぶ遅いです
※4/9 番外編 朱雀(妖たちの王の前)と終幕(最後)を更新しました。これにて本当に完結です。お読み頂き、ありがとうございました!
【奨励賞】恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する
SKYTRICK
BL
☆11/28完結しました。
☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます!
冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫
——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」
元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。
ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。
その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。
ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、
——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」
噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。
誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。
しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。
サラが未だにロイを愛しているという事実だ。
仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——……
☆描写はありませんが、受けがモブに抱かれている示唆はあります(男娼なので)
☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!

田舎育ちの天然令息、姉様の嫌がった婚約を押し付けられるも同性との婚約に困惑。その上性別は絶対バレちゃいけないのに、即行でバレた!?
下菊みこと
BL
髪色が呪われた黒であったことから両親から疎まれ、隠居した父方の祖父母のいる田舎で育ったアリスティア・ベレニス・カサンドル。カサンドル侯爵家のご令息として恥ずかしくない教養を祖父母の教えの元身につけた…のだが、農作業の手伝いの方が貴族として過ごすより好き。
そんなアリスティア十八歳に急な婚約が持ち上がった。アリスティアの双子の姉、アナイス・セレスト・カサンドル。アリスティアとは違い金の御髪の彼女は侯爵家で大変かわいがられていた。そんなアナイスに、とある同盟国の公爵家の当主との婚約が持ちかけられたのだが、アナイスは婿を取ってカサンドル家を継ぎたいからと男であるアリスティアに婚約を押し付けてしまう。アリスティアとアナイスは髪色以外は見た目がそっくりで、アリスティアは田舎に引っ込んでいたためいけてしまった。
アリスは自分の性別がバレたらどうなるか、また自分の呪われた黒を見て相手はどう思うかと心配になった。そして顔合わせすることになったが、なんと公爵家の執事長に性別が即行でバレた。
公爵家には公爵と歳の離れた腹違いの弟がいる。前公爵の正妻との唯一の子である。公爵は、正当な継承権を持つ正妻の息子があまりにも幼く家を継げないため、妾腹でありながら爵位を継承したのだ。なので公爵の後を継ぐのはこの弟と決まっている。そのため公爵に必要なのは同盟国の有力貴族との縁のみ。嫁が子供を産む必要はない。
アリスティアが男であることがバレたら捨てられると思いきや、公爵の弟に懐かれたアリスティアは公爵に「家同士の婚姻という事実だけがあれば良い」と言われてそのまま公爵家で暮らすことになる。
一方婚約者、二十五歳のクロヴィス・シリル・ドナシアンは嫁に来たのが男で困惑。しかし可愛い弟と仲良くなるのが早かったのと弟について黙って結婚しようとしていた負い目でアリスティアを追い出す気になれず婚約を結ぶことに。
これはそんなクロヴィスとアリスティアが少しずつ近づいていき、本物の夫婦になるまでの記録である。
小説家になろう様でも2023年 03月07日 15時11分から投稿しています。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
ブラッドフォード卿のお気に召すままに~~腹黒宰相は異世界転移のモブを溺愛する~~
ゆうきぼし/優輝星
BL
異世界転移BL。浄化のため召喚された異世界人は二人だった。腹黒宰相と呼ばれるブラッドフォード卿は、モブ扱いのイブキを手元に置く。それは自分の手駒の一つとして利用するためだった。だが、イブキの可愛さと優しさに触れ溺愛していく。しかもイブキには何やら不思議なチカラがあるようで……。
*マークはR回。(後半になります)
・ご都合主義のなーろっぱです。
・攻めは頭の回転が速い魔力強の超人ですがちょっぴりダメンズなところあり。そんな彼の癒しとなるのが受けです。癖のありそうな脇役あり。どうぞよろしくお願いします。
腹黒宰相×獣医の卵(モフモフ癒やし手)
・イラストは青城硝子先生です。

転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!
音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに!
え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!!
調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる