《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

256.オレ、危機感を覚えました。列強が世界中に植民地を作った時代ですか?列強に植民地化されないようにしないと。

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「招かれざる客は、マウンテン王国もあれば、それ以外もあります。そのうち、国の数だけ、来ます。時間の問題です。」
とミーレ長官。

「お子さん、大人気だなー。」

「私の子どもだから、じゃなく、ケレメイン大公国は、狙い目ですから。」
とミーレ長官が冷たい。

「国を乗っ取りにくる?」

「乗っ取るよりも、支配下におく、属国にする、方向です。
王国には、王。大公国には大公。大公は、王国より一段下がります。
どの国も優位に立てるとふんで、上から来ます。」
とミーレ長官。

女神様の影響を排除するために、クロードを王にしないための秘策として、クロードを大公国の大公にしたことが裏目に出たのか。
女神様が支配しようとしない代わりに、住人が支配しようとしてくるんだなー。

一筋縄ではいかないな。

「今は、英雄大公クロード殿下と、私と司祭が、目立っていますから、いきなり武力行使まではいきません。
ケレメイン大公国を本格的に従わせる前の小手調べ期間です。
武力をチラつかせるくらいは、挨拶程度にしてきますよ。」
とミーレ長官。

「穏やかじゃないなー。」

「ヒサツグ様には、危機感をお持ちいただきたいんですが。」
とミーレ長官は、おフザケにのってこない。

危機感なー。
国のその後までは、ケレメイン大公国を作ると決めたときには想定していなかった。
ミーレ長官に言われて、なるほど、と膝を打っている段階なんだよなー。

「今は、どの国も、互いの出方をうかがって、様子見をしています。

お陰で、均衡が保たれているため、攻められていませんが、一国が動いたら、残り全ての国が、乗り遅れるまい、と追随してきます。

世界中の国を相手に戦うには、ケレメイン大公国は、弱いのです。
武力は、前述の通り。
敬意を払われるような国の歴史があるわけでもありません。
国主夫妻は、政治の素人。
ケレメイン大公国は、国としての不安要素が大き過ぎます。

ケレメイン大公国は、ケレメイン大公クロード殿下という柱が、なければ、国としての体裁を保てません。

周りが、生まれたてのケレメイン大公国を見守る姿勢なら、のんびり構えていても問題はありませんが。

マウンテン王国の国王陛下から決別して独立した国のケレメイン大公国を、各国は放置しません。

各国の王家にとって、反逆の徒が、既存の王家に並ぶ道筋が増えたも同然。
各国の王家は、ケレメイン大公国が大手を振って歩き出す前に、ひねり潰したくて仕方がないんです。
その上で支配したいんです。

クロード様が英雄であること、と、マウンテン王国が正式に独立を認めていることから、各国は踏みとどまっているに過ぎません。

ケレメイン大公国が、マウンテン王国の王家の弱体化につけこんで独立した、という印象を植え付けられたら、世界中の王家が、即、敵に回ります。」
とミーレ長官。

列強が、世界中を植民地化していた時代のような、ガッツのある時代なんだなー。

ケレメイン大公国は、列強側ではない。

ケレメイン大公国は、国としての、脆弱さが誰の目にも明白なんだ。

世界には、オレとクロードだけじゃない。
オレ達に都合がいい世界じゃないんだ。

オレは、こちらにきて、オレの立場の弱さを、散々、思い知らされてきたのに。

最近うまくいくことがおおかったから。
幸せに浸りすぎて、喉元過ぎれば熱さを忘れる状態になっていたんだな。

ミーレ長官に指摘されなかったら、危機感がないまま生きていたな、オレ。

「今までは、マウンテン王国の国王陛下からの暗殺者のみでした。
各国が、ケレメイン大公国を潰す決定をしたら、世界各国から暗殺者が送り込まれてくることになりますよ。」
とミーレ長官。

オレ、今、めちゃくちゃ危機感が高まったぞ。
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