《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

253.ミーレ長官は、マウンテン王国の王家の未来は、明るくない、と予想しています。王家の力が弱まることを快く思わない国からの接触ですか?

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「本題の前に、マウンテン王国の今後の見通しは、どんなものだと、ヒサツグ様は、予測しますか?」
とミーレ長官。

「マウンテン王国は、無関係になるとタカをくくっていたから、考えてこなかったな。国王陛下を国王陛下の姉が中心になってフォローしていく感じかなー?王妃陛下も、国王陛下が、女神様の尻を追いかけなくなったら、国王陛下と話をしようとするよな?」

「残念ながら。」
とミーレ長官。

「ハズレ?」

「マウンテン王国の王家における今後の見通しは、明るくありません。」
とミーレ長官。

うん?
明るいとか、明るくない、とか、深刻な話が始まる?

「今、マウンテン王国にいる、マウンテン王国の王族は、国王陛下と王姉殿下のお二人。わたし達家族と司祭がいなくなりましたから。」
とミーレ長官。

「司祭の両親は、亡くなられているんだ?」

「司祭が、司祭の道に進んだのは、両親が既に亡くなっているぎりぎり王族という立場で、一人でも安全に生きていくためです。」
とミーレ長官。

しくじったら、失脚するだけじゃなく、命を脅かされるんだな。
蟄居では、済まないのか。
マウンテン王国の王侯貴族でいるのは、命がけなんだな。

「国王陛下と王妃陛下との間には、信頼関係が出来ていません。
国王陛下が女神様に依存した一因は、信頼できる人が周りにいなかったためです。」
とミーレ長官。

国王陛下と奥方は、仲が良くなかったのか。

今の国王陛下に、信頼できる人はいるのか?

二人いた側近は、外されたよな。

父親が、王位簒奪者と知った日から、国王陛下は、自分自身が王位簒奪される可能性を考えずにはいられなくなったのかなー。

そうなると、周りに敵しかいないように思えてくるよな。

ミーレ長官は、いきなり結論をぶっこんできた。

「遅かれ早かれ。マウンテン王国の王家は、貴族の傀儡に成り果てます。
生かされはしますが、王としての実権は失うでしょう。
マウンテン王国の貴族は、
貴族の役に立たない王や、脆弱な王を王の座に座らせておくことはしません。
引きずり下ろします。」
とミーレ長官。

ミーレ長官の言い方だと、ミーレ長官の母親の女王陛下の客死は、国王陛下の単独犯じゃないことを示唆しているんだけど、突っ込んでいいのかな。

オレが、いかんともしがたい表情になっているのを見たミーレ長官は、ミーレ長官から、話をしてくれた。

「女王陛下は、貴族の既得権益に切り込んでいきましたから。」
とミーレ長官。

「女王陛下の目的は?」

「王家の権威の強化です。」
とミーレ長官。

民に開放の時代じゃないんだな。

「マウンテン王国の王家の傀儡化が、ミーレ長官の悩みにどう繋がってくる?」

「わたしは、調査が打ち切りになった後も、女王陛下が客死した国とは、水面下での接触を続けてきました。」
とミーレ長官。

「死の真相に迫るため?」

「国内にいては見えないことも多くありますから。」
とミーレ長官。

おう、ミーレ長官が、否定も肯定もしないぞ?

「女王陛下が客死した国は、国王の権限が強く、女王陛下の理想とする国を体現していました。
かの国は、マウンテン王国の王家の傀儡化が、世界に波及することを懸念しています。」
とミーレ長官。

ミーレ長官は、面倒な話を持ちかけられているんだな?

「ケレメイン大公と、今後を見据え、親しいお付き合いをしたい、と言ってきました。
先方の希望を叶えるのは難しいと水面下で断ってきましたので、先方は、公式ルートで持ちかけてきました。」
とミーレ長官。

「国交樹立なら、受けた方がよいんだよな?」

ミーレ長官のオレを見る目は、馬鹿がいる、と言っている。

「先方は、ケレメイン大公国ではなく、ケレメイン大公クロード殿下に用事があるんです。
クロード様に王女殿下か、公爵令嬢あたりを娶らせる計画を立てているでしょう。
無策では、押し切られますよ。」
とミーレ長官。

なんだとー!
オレのクロードだぞ!

のんびりしては、いられない!

大至急、対策会議だ!

の前に、下調べ?
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