234 / 667
第8章 29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、英雄公爵に溺愛されています。
234.愛しているから一緒にいますか?愛しているから離れますか?愛し合っていても、互いの考えが一致するとは限りません。
しおりを挟む
「ヒサツグが元の世界に戻れば、私はヒサツグを永遠に失うことになる。」
とクロード。
クロード、早まるな。
「まだ、結論を出すには早い。オレは、これから、こっちで過ごすんだから、大事なものも増えていくはずだ。」
オレは、クロードに言い募る。
「クロード、諦めないでくれ!」
「ヒサツグの性格で、それはない。」
と一刀両断のクロード。
「クロード?」
なんで、オレの性格の話題になった?
「ヒサツグは、用心深く、警戒心が強い。
仕事に関しては、冷静沈着。
仕事と仕事以外を分けて考えることが出来る。
ヒサツグは、感情を制御して、仕事の成果を出すことに集中できる。」
とクロード。
褒められているんだよな?
「仕事相手に、気に食わないから、仕事はやらん、とか言ったら、いつになっても、仕事が終わらないぞ?さっさと仕事を終わらせれば、気に食わないやつと顔を合わせる時間も減る。」
「仕事するときのヒサツグは、合理的だ。」
とクロード。
「うん?そうだな。その方がうまくいくことが多いからな。」
「ヒサツグは、気づいていたか?
私以外で、ヒサツグが合理的な対応をしない人は、今のところ一人もいない。」
とクロード。
オレは、ドキっとした。
クロードは、探り当てられたくないオレの本音を掘り当てようとしている?
「クロード?」
「ヒサツグが、ビジネス対応をしない人は、私しかいない。私もそのことに気づくまでには、時間がかかった。」
とクロード。
クロード、いつから気づいていた?
「先程、ヒサツグ自身が話をしていた。仕事が早く済めば、その分、仕事相手と関わる時間は減る。」
とクロード。
「あ、うん。それが?」
「ヒサツグは、私といつまでいる予定を立てている?」
とクロード。
え?
クロードが、それを聞く?
そんなの。
オレの答えは、一つだけ。
クロードが、オレを必要としなくなるまで、だ。
オレは、クロードを愛しているから、クロードの人生に寄りかかりたくない。
オレは、胸を張って言えるようになるぞ。
胸が引き裂かれそうでも。
「ヒサツグは、私を愛している、と言い、私と生きると言いながら、私の側に根を下ろす気がない。」
とクロード。
「クロード。」
オレは、蛇に睨まれた蛙になった。
「ヒサツグ。私と離れて、どこで生きていこうとしている?」
とクロード。
クロードが、怖い。
飲み込まれそうになる。
オレは、気を奮い立たせた。
「オレは、クロードが、オレを必要としなくなるまで、クロードの側にいる。クロードを愛しているから。」
オレの決死の告白に、クロードは、冷たかった。
「ヒサツグ。私の聞きたい答えは、それではない。」
とクロード。
「どういう?」
「ヒサツグは、ヒサツグ自身の意思で、私と共に生きる気はないのか?」
え?
「私がヒサツグを求めなければ、ヒサツグは去る。ヒサツグは、私とヒサツグの関係を、そういう風にとらえているのだろう?」
とクロード。
「そうなる、だろう?オレは、オレでしかないんだぞ?クロードが、オレに興味を失ったら、オレ達は、終わりだろ?」
「ヒサツグは、ヒサツグから、私に歩み寄ろうとしない。」
とクロード。
「クロード?」
「私は、ヒサツグを愛している。ヒサツグを離す気は、ない。いつまでも。」
とクロード。
「そうか、ありがとう。」
嬉しい。
「私はヒサツグを愛している。ヒサツグの愛を欲しがっている。
ヒサツグは、どうだ?
ヒサツグは、私に愛を求めない。
違うか?」
とクロード。
とクロード。
クロード、早まるな。
「まだ、結論を出すには早い。オレは、これから、こっちで過ごすんだから、大事なものも増えていくはずだ。」
オレは、クロードに言い募る。
「クロード、諦めないでくれ!」
「ヒサツグの性格で、それはない。」
と一刀両断のクロード。
「クロード?」
なんで、オレの性格の話題になった?
「ヒサツグは、用心深く、警戒心が強い。
仕事に関しては、冷静沈着。
仕事と仕事以外を分けて考えることが出来る。
ヒサツグは、感情を制御して、仕事の成果を出すことに集中できる。」
とクロード。
褒められているんだよな?
「仕事相手に、気に食わないから、仕事はやらん、とか言ったら、いつになっても、仕事が終わらないぞ?さっさと仕事を終わらせれば、気に食わないやつと顔を合わせる時間も減る。」
「仕事するときのヒサツグは、合理的だ。」
とクロード。
「うん?そうだな。その方がうまくいくことが多いからな。」
「ヒサツグは、気づいていたか?
私以外で、ヒサツグが合理的な対応をしない人は、今のところ一人もいない。」
とクロード。
オレは、ドキっとした。
クロードは、探り当てられたくないオレの本音を掘り当てようとしている?
「クロード?」
「ヒサツグが、ビジネス対応をしない人は、私しかいない。私もそのことに気づくまでには、時間がかかった。」
とクロード。
クロード、いつから気づいていた?
「先程、ヒサツグ自身が話をしていた。仕事が早く済めば、その分、仕事相手と関わる時間は減る。」
とクロード。
「あ、うん。それが?」
「ヒサツグは、私といつまでいる予定を立てている?」
とクロード。
え?
クロードが、それを聞く?
そんなの。
オレの答えは、一つだけ。
クロードが、オレを必要としなくなるまで、だ。
オレは、クロードを愛しているから、クロードの人生に寄りかかりたくない。
オレは、胸を張って言えるようになるぞ。
胸が引き裂かれそうでも。
「ヒサツグは、私を愛している、と言い、私と生きると言いながら、私の側に根を下ろす気がない。」
とクロード。
「クロード。」
オレは、蛇に睨まれた蛙になった。
「ヒサツグ。私と離れて、どこで生きていこうとしている?」
とクロード。
クロードが、怖い。
飲み込まれそうになる。
オレは、気を奮い立たせた。
「オレは、クロードが、オレを必要としなくなるまで、クロードの側にいる。クロードを愛しているから。」
オレの決死の告白に、クロードは、冷たかった。
「ヒサツグ。私の聞きたい答えは、それではない。」
とクロード。
「どういう?」
「ヒサツグは、ヒサツグ自身の意思で、私と共に生きる気はないのか?」
え?
「私がヒサツグを求めなければ、ヒサツグは去る。ヒサツグは、私とヒサツグの関係を、そういう風にとらえているのだろう?」
とクロード。
「そうなる、だろう?オレは、オレでしかないんだぞ?クロードが、オレに興味を失ったら、オレ達は、終わりだろ?」
「ヒサツグは、ヒサツグから、私に歩み寄ろうとしない。」
とクロード。
「クロード?」
「私は、ヒサツグを愛している。ヒサツグを離す気は、ない。いつまでも。」
とクロード。
「そうか、ありがとう。」
嬉しい。
「私はヒサツグを愛している。ヒサツグの愛を欲しがっている。
ヒサツグは、どうだ?
ヒサツグは、私に愛を求めない。
違うか?」
とクロード。
33
お気に入りに追加
1,680
あなたにおすすめの小説

どうしてこうなった?(ショートから短編枠にしたもの)
エウラ
BL
3歳で魔物に襲われて両親を亡くし、孤児院育ちの黒髪黒目で童顔のノヴァは前世の記憶持ちの異世界転生者だ。現在27歳のCランク冒険者。
魔物に襲われたときに前世の記憶が甦ったが、本人は特にチートもなく平々凡々に過ごしていた。そんなある日、年下22歳の若きSランク冒険者のアビスと一線を越える出来事があり、そこで自分でも知らなかった今世の過去を知ることになり、事態は色々動き出す。
若干ストーカー気味なわんこ系年下冒険者に溺愛される自己評価の低い無自覚美人の話。
*以前ショート専用の枠で書いてましたが話数増えて収拾がつかなくなったので短編枠を作って移動しました。
お手数おかけしますがよろしくお願いいたします。
なお、プロローグ以降、途中まではショートの投稿分をまるっと載せるのでそちらと重複します。ご注意下さい。出来次第投稿する予定です。
こちらはR18には*印付けます。(でも忘れたらすみません)

どうも、卵から生まれた魔人です。
べす
BL
卵から生まれる瞬間、人間に召喚されてしまった魔人のレヴィウス。
太った小鳥にしか見えないせいで用無しと始末されそうになった所を、優しげな神官に救われるのだが…

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

実はαだった俺、逃げることにした。
るるらら
BL
俺はアルディウス。とある貴族の生まれだが今は冒険者として悠々自適に暮らす26歳!
実は俺には秘密があって、前世の記憶があるんだ。日本という島国で暮らす一般人(サラリーマン)だったよな。事故で死んでしまったけど、今は転生して自由気ままに生きている。
一人で生きるようになって数十年。過去の人間達とはすっかり縁も切れてこのまま独身を貫いて生きていくんだろうなと思っていた矢先、事件が起きたんだ!
前世持ち特級Sランク冒険者(α)とヤンデレストーカー化した幼馴染(α→Ω)の追いかけっ子ラブ?ストーリー。
!注意!
初のオメガバース作品。
ゆるゆる設定です。運命の番はおとぎ話のようなもので主人公が暮らす時代には存在しないとされています。
バースが突然変異した設定ですので、無理だと思われたらスッとページを閉じましょう。
!ごめんなさい!
幼馴染だった王子様の嘆き3 の前に
復活した俺に不穏な影1 を更新してしまいました!申し訳ありません。新たに更新しましたので確認してみてください!

君なんか求めてない。
ビーバー父さん
BL
異世界ものです。
異世界に召喚されて見知らぬ獣人の国にいた、佐野山来夏。
何かチートがありそうで無かった来夏の前に、本当の召喚者が現われた。
ユア・シノハラはまだ高校生の男の子だった。
人が救世主として召喚したユアと、精霊たちが召喚したライカの物語。

王子様から逃げられない!
白兪
BL
目を覚ますとBLゲームの主人公になっていた恭弥。この世界が受け入れられず、何とかして元の世界に戻りたいと考えるようになる。ゲームをクリアすれば元の世界に戻れるのでは…?そう思い立つが、思わぬ障壁が立ち塞がる。

αからΩになった俺が幸せを掴むまで
なの
BL
柴田海、本名大嶋海里、21歳、今はオメガ、職業……オメガの出張風俗店勤務。
10年前、父が亡くなって新しいお義父さんと義兄貴ができた。
義兄貴は俺に優しくて、俺は大好きだった。
アルファと言われていた俺だったがある日熱を出してしまった。
義兄貴に看病されるうちにヒートのような症状が…
義兄貴と一線を超えてしまって逃げ出した。そんな海里は生きていくためにオメガの出張風俗店で働くようになった。
そんな海里が本当の幸せを掴むまで…
──だから、なんでそうなんだっ!
涼暮つき
BL
「面倒くさいから認めちゃえば?」
「アホか」
俺は普通に生きていきたいんだよ。
おまえみたいなやつは大嫌いだ。
でも、本当は羨ましいと思ったんだ。
ありのままの自分で生きてるおまえを──。
身近にありそうな日常系メンズラブ。
*以前外部URLで公開していたものを
掲載し直しました。
※表紙は雨月リンさんに描いていただきました。
作者さまからお預かりしている大切な作品です。
画像の無断転載など固く禁じます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる