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第8章 29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、英雄公爵に溺愛されています。
234.愛しているから一緒にいますか?愛しているから離れますか?愛し合っていても、互いの考えが一致するとは限りません。
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「ヒサツグが元の世界に戻れば、私はヒサツグを永遠に失うことになる。」
とクロード。
クロード、早まるな。
「まだ、結論を出すには早い。オレは、これから、こっちで過ごすんだから、大事なものも増えていくはずだ。」
オレは、クロードに言い募る。
「クロード、諦めないでくれ!」
「ヒサツグの性格で、それはない。」
と一刀両断のクロード。
「クロード?」
なんで、オレの性格の話題になった?
「ヒサツグは、用心深く、警戒心が強い。
仕事に関しては、冷静沈着。
仕事と仕事以外を分けて考えることが出来る。
ヒサツグは、感情を制御して、仕事の成果を出すことに集中できる。」
とクロード。
褒められているんだよな?
「仕事相手に、気に食わないから、仕事はやらん、とか言ったら、いつになっても、仕事が終わらないぞ?さっさと仕事を終わらせれば、気に食わないやつと顔を合わせる時間も減る。」
「仕事するときのヒサツグは、合理的だ。」
とクロード。
「うん?そうだな。その方がうまくいくことが多いからな。」
「ヒサツグは、気づいていたか?
私以外で、ヒサツグが合理的な対応をしない人は、今のところ一人もいない。」
とクロード。
オレは、ドキっとした。
クロードは、探り当てられたくないオレの本音を掘り当てようとしている?
「クロード?」
「ヒサツグが、ビジネス対応をしない人は、私しかいない。私もそのことに気づくまでには、時間がかかった。」
とクロード。
クロード、いつから気づいていた?
「先程、ヒサツグ自身が話をしていた。仕事が早く済めば、その分、仕事相手と関わる時間は減る。」
とクロード。
「あ、うん。それが?」
「ヒサツグは、私といつまでいる予定を立てている?」
とクロード。
え?
クロードが、それを聞く?
そんなの。
オレの答えは、一つだけ。
クロードが、オレを必要としなくなるまで、だ。
オレは、クロードを愛しているから、クロードの人生に寄りかかりたくない。
オレは、胸を張って言えるようになるぞ。
胸が引き裂かれそうでも。
「ヒサツグは、私を愛している、と言い、私と生きると言いながら、私の側に根を下ろす気がない。」
とクロード。
「クロード。」
オレは、蛇に睨まれた蛙になった。
「ヒサツグ。私と離れて、どこで生きていこうとしている?」
とクロード。
クロードが、怖い。
飲み込まれそうになる。
オレは、気を奮い立たせた。
「オレは、クロードが、オレを必要としなくなるまで、クロードの側にいる。クロードを愛しているから。」
オレの決死の告白に、クロードは、冷たかった。
「ヒサツグ。私の聞きたい答えは、それではない。」
とクロード。
「どういう?」
「ヒサツグは、ヒサツグ自身の意思で、私と共に生きる気はないのか?」
え?
「私がヒサツグを求めなければ、ヒサツグは去る。ヒサツグは、私とヒサツグの関係を、そういう風にとらえているのだろう?」
とクロード。
「そうなる、だろう?オレは、オレでしかないんだぞ?クロードが、オレに興味を失ったら、オレ達は、終わりだろ?」
「ヒサツグは、ヒサツグから、私に歩み寄ろうとしない。」
とクロード。
「クロード?」
「私は、ヒサツグを愛している。ヒサツグを離す気は、ない。いつまでも。」
とクロード。
「そうか、ありがとう。」
嬉しい。
「私はヒサツグを愛している。ヒサツグの愛を欲しがっている。
ヒサツグは、どうだ?
ヒサツグは、私に愛を求めない。
違うか?」
とクロード。
とクロード。
クロード、早まるな。
「まだ、結論を出すには早い。オレは、これから、こっちで過ごすんだから、大事なものも増えていくはずだ。」
オレは、クロードに言い募る。
「クロード、諦めないでくれ!」
「ヒサツグの性格で、それはない。」
と一刀両断のクロード。
「クロード?」
なんで、オレの性格の話題になった?
「ヒサツグは、用心深く、警戒心が強い。
仕事に関しては、冷静沈着。
仕事と仕事以外を分けて考えることが出来る。
ヒサツグは、感情を制御して、仕事の成果を出すことに集中できる。」
とクロード。
褒められているんだよな?
「仕事相手に、気に食わないから、仕事はやらん、とか言ったら、いつになっても、仕事が終わらないぞ?さっさと仕事を終わらせれば、気に食わないやつと顔を合わせる時間も減る。」
「仕事するときのヒサツグは、合理的だ。」
とクロード。
「うん?そうだな。その方がうまくいくことが多いからな。」
「ヒサツグは、気づいていたか?
私以外で、ヒサツグが合理的な対応をしない人は、今のところ一人もいない。」
とクロード。
オレは、ドキっとした。
クロードは、探り当てられたくないオレの本音を掘り当てようとしている?
「クロード?」
「ヒサツグが、ビジネス対応をしない人は、私しかいない。私もそのことに気づくまでには、時間がかかった。」
とクロード。
クロード、いつから気づいていた?
「先程、ヒサツグ自身が話をしていた。仕事が早く済めば、その分、仕事相手と関わる時間は減る。」
とクロード。
「あ、うん。それが?」
「ヒサツグは、私といつまでいる予定を立てている?」
とクロード。
え?
クロードが、それを聞く?
そんなの。
オレの答えは、一つだけ。
クロードが、オレを必要としなくなるまで、だ。
オレは、クロードを愛しているから、クロードの人生に寄りかかりたくない。
オレは、胸を張って言えるようになるぞ。
胸が引き裂かれそうでも。
「ヒサツグは、私を愛している、と言い、私と生きると言いながら、私の側に根を下ろす気がない。」
とクロード。
「クロード。」
オレは、蛇に睨まれた蛙になった。
「ヒサツグ。私と離れて、どこで生きていこうとしている?」
とクロード。
クロードが、怖い。
飲み込まれそうになる。
オレは、気を奮い立たせた。
「オレは、クロードが、オレを必要としなくなるまで、クロードの側にいる。クロードを愛しているから。」
オレの決死の告白に、クロードは、冷たかった。
「ヒサツグ。私の聞きたい答えは、それではない。」
とクロード。
「どういう?」
「ヒサツグは、ヒサツグ自身の意思で、私と共に生きる気はないのか?」
え?
「私がヒサツグを求めなければ、ヒサツグは去る。ヒサツグは、私とヒサツグの関係を、そういう風にとらえているのだろう?」
とクロード。
「そうなる、だろう?オレは、オレでしかないんだぞ?クロードが、オレに興味を失ったら、オレ達は、終わりだろ?」
「ヒサツグは、ヒサツグから、私に歩み寄ろうとしない。」
とクロード。
「クロード?」
「私は、ヒサツグを愛している。ヒサツグを離す気は、ない。いつまでも。」
とクロード。
「そうか、ありがとう。」
嬉しい。
「私はヒサツグを愛している。ヒサツグの愛を欲しがっている。
ヒサツグは、どうだ?
ヒサツグは、私に愛を求めない。
違うか?」
とクロード。
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