228 / 667
第8章 29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、英雄公爵に溺愛されています。
228.オレは、クロードの頼れる男で守り手を自負してきました。オレとクロードの関係性は、いつ入れ替わっていたのでしょうか?
しおりを挟む
オレは、先生に抗議した。
「先生、何を言っているんですか?
引きこもりは、オレの意思じゃありません。
クロードが、オレを出さないんです。」
「聞きなさい。クロード様は、一人で、二人分のお仕事をこなされていらっしゃいます。」
と好々爺の医者。
オレは、あっと思い出した。
仕事!
そういえば、公務は再開しているはず。
監禁生活の間、オレは、自分のことしか考えていなかったなー。
「以前の王城勤めのときよりは、マシだとクロード様はおっしゃっていました。
マシだろうが、なんだろうが、心身の健康を損なう働き方はよろしくありません。
同じ様に働ける方が、働かないために、クロード様がそのような状態に追い込まれているとなれば、私は医者としても、クロード様を見守る者としても、黙っておれません。」
と好々爺のお医者さん。
好々爺のお医者さんは、クロードの健康を心配してオレに文句を言いにきた、と。
「オレは、監禁されてなかったら、クロードと仕事していた。
クロードに会ったら、監禁を止めろと言うけど、監禁が始まってから、クロードに会えていないんだ。」
毎日、夫の帰りを待っているだけの生活だぞ?
オレが吹っ切れるのが、遅かったら、オレの心身の健康が損なわれるところだった。
「クロード様は、多忙でいらっしゃるのです。」
と好々爺のお医者さん。
二人分の仕事を一人でするのはなー。
「オレは、出られない。
クロードは、来られない。
お医者さんが、クロードに、オレの監禁をなしにするように、言ってくれ。監禁がなくなったら、オレはすぐに、仕事する。
それで大丈夫だろう。」
「大丈夫なわけ、ありますか!」
と好々爺のお医者さん。
「仕事を二人ですれば。」
「クロード様が、貴方様を外に出すことなどあり得ません。」
と好々爺のお医者さん。
なんじゃそりゃー!
お医者さんが、監禁肯定って、アリなのか?
オレが文句を言おうとすると、お医者さんは、聞きなさいと、オレを一喝。
「貴方様は、元々、危なげなところがありました。」
そんなわけ、あるか!
オレは、しっかりしているぞ!
「マウンテン王国から帰ってきてからの貴方様は、危なげさに磨きがかかっています。片時も目が離せません。クロード様の懸念は、ごもっともです。」
と好々爺のお医者さん。
なんでだよ?
「評価がおかしい。オレほど、しっかりしているやつはいないぞ?」
今までのトラブルもうまくまとめて、無事に、ケレメイン大公国へ、全員、帰ってこれたじゃないか。
オレのどこが、危なげなんだよ?
いくら、クロードの味方とはいえ、オレを評価する目が、歪んでいるぞ?
「貴方様は、貴方様の監禁は、クロード様のせいだとおっしゃっていますが。」
だって、そうだろう。
「貴方様が、一人で外に出せる状態ではない、とクロード様が判断されたから、貴方様は、安穏とお過ごしになることが出来ているのです。」
と好々爺のお医者さん。
はい?
オレを一人にしておけないとクロードが、オレを見て判断した?
クロードは、いつから、気づいていたんだ?
オレが、色々考えていたことに。
クロードは、気づいていたことをオレに気づかせずに、今日まで、黙ってオレを見守ってきた?
オレは、全然、分からなかったぞ。
「貴方様の安全のため、クロード様は、貴方様が寝室から出るを禁じられているのです。」
と好々爺のお医者さん。
「監禁は、やり過ぎ。」
オレは、主張を忘れない男。
「今回の騒動の、そもそもの問題は、貴方様にあるのではないですか?」
と好々爺のお医者さん。
オレ?
オレのせい?
「クロード様が、貴方様を心配して、一人で外に出すことがあってはならない、と判断をくだされるに至った、そもそもの原因は、貴方様自身にあるのではないですか?」
と好々爺のお医者さん。
オレ自身。
オレは、クロードに隠れて、日本に帰る実験をしたい。
なんで、そんな実験をしたいかというと。
オレは、クロードの頼れる男でい続ける自信がない。
いつまで、クロードといられるか、不安でたまらない。
オレには、クロードだけ。
クロードが、オレを頼りないと思ったら、オレは、クロードにとっていらない存在になるんじゃないか、と不安で。
クロードがいなければ、オレには行くところもない、頼れる人もいない。
ずっと、心配でたまらなかった。
オレは、もうクロードの頼れる男じゃなくなっていたんだな。
クロードに心配されて、手を回される男になっていたんだな。
ベッドで、クロードは、オレをあやすようになっていたもんなー。
はあ。
いつ、逆転したんだろう?
「オレ、クロードに話すことがある。先生、クロードを呼んできてくれないかな?」
「先生、何を言っているんですか?
引きこもりは、オレの意思じゃありません。
クロードが、オレを出さないんです。」
「聞きなさい。クロード様は、一人で、二人分のお仕事をこなされていらっしゃいます。」
と好々爺の医者。
オレは、あっと思い出した。
仕事!
そういえば、公務は再開しているはず。
監禁生活の間、オレは、自分のことしか考えていなかったなー。
「以前の王城勤めのときよりは、マシだとクロード様はおっしゃっていました。
マシだろうが、なんだろうが、心身の健康を損なう働き方はよろしくありません。
同じ様に働ける方が、働かないために、クロード様がそのような状態に追い込まれているとなれば、私は医者としても、クロード様を見守る者としても、黙っておれません。」
と好々爺のお医者さん。
好々爺のお医者さんは、クロードの健康を心配してオレに文句を言いにきた、と。
「オレは、監禁されてなかったら、クロードと仕事していた。
クロードに会ったら、監禁を止めろと言うけど、監禁が始まってから、クロードに会えていないんだ。」
毎日、夫の帰りを待っているだけの生活だぞ?
オレが吹っ切れるのが、遅かったら、オレの心身の健康が損なわれるところだった。
「クロード様は、多忙でいらっしゃるのです。」
と好々爺のお医者さん。
二人分の仕事を一人でするのはなー。
「オレは、出られない。
クロードは、来られない。
お医者さんが、クロードに、オレの監禁をなしにするように、言ってくれ。監禁がなくなったら、オレはすぐに、仕事する。
それで大丈夫だろう。」
「大丈夫なわけ、ありますか!」
と好々爺のお医者さん。
「仕事を二人ですれば。」
「クロード様が、貴方様を外に出すことなどあり得ません。」
と好々爺のお医者さん。
なんじゃそりゃー!
お医者さんが、監禁肯定って、アリなのか?
オレが文句を言おうとすると、お医者さんは、聞きなさいと、オレを一喝。
「貴方様は、元々、危なげなところがありました。」
そんなわけ、あるか!
オレは、しっかりしているぞ!
「マウンテン王国から帰ってきてからの貴方様は、危なげさに磨きがかかっています。片時も目が離せません。クロード様の懸念は、ごもっともです。」
と好々爺のお医者さん。
なんでだよ?
「評価がおかしい。オレほど、しっかりしているやつはいないぞ?」
今までのトラブルもうまくまとめて、無事に、ケレメイン大公国へ、全員、帰ってこれたじゃないか。
オレのどこが、危なげなんだよ?
いくら、クロードの味方とはいえ、オレを評価する目が、歪んでいるぞ?
「貴方様は、貴方様の監禁は、クロード様のせいだとおっしゃっていますが。」
だって、そうだろう。
「貴方様が、一人で外に出せる状態ではない、とクロード様が判断されたから、貴方様は、安穏とお過ごしになることが出来ているのです。」
と好々爺のお医者さん。
はい?
オレを一人にしておけないとクロードが、オレを見て判断した?
クロードは、いつから、気づいていたんだ?
オレが、色々考えていたことに。
クロードは、気づいていたことをオレに気づかせずに、今日まで、黙ってオレを見守ってきた?
オレは、全然、分からなかったぞ。
「貴方様の安全のため、クロード様は、貴方様が寝室から出るを禁じられているのです。」
と好々爺のお医者さん。
「監禁は、やり過ぎ。」
オレは、主張を忘れない男。
「今回の騒動の、そもそもの問題は、貴方様にあるのではないですか?」
と好々爺のお医者さん。
オレ?
オレのせい?
「クロード様が、貴方様を心配して、一人で外に出すことがあってはならない、と判断をくだされるに至った、そもそもの原因は、貴方様自身にあるのではないですか?」
と好々爺のお医者さん。
オレ自身。
オレは、クロードに隠れて、日本に帰る実験をしたい。
なんで、そんな実験をしたいかというと。
オレは、クロードの頼れる男でい続ける自信がない。
いつまで、クロードといられるか、不安でたまらない。
オレには、クロードだけ。
クロードが、オレを頼りないと思ったら、オレは、クロードにとっていらない存在になるんじゃないか、と不安で。
クロードがいなければ、オレには行くところもない、頼れる人もいない。
ずっと、心配でたまらなかった。
オレは、もうクロードの頼れる男じゃなくなっていたんだな。
クロードに心配されて、手を回される男になっていたんだな。
ベッドで、クロードは、オレをあやすようになっていたもんなー。
はあ。
いつ、逆転したんだろう?
「オレ、クロードに話すことがある。先生、クロードを呼んできてくれないかな?」
49
お気に入りに追加
1,680
あなたにおすすめの小説

どうしてこうなった?(ショートから短編枠にしたもの)
エウラ
BL
3歳で魔物に襲われて両親を亡くし、孤児院育ちの黒髪黒目で童顔のノヴァは前世の記憶持ちの異世界転生者だ。現在27歳のCランク冒険者。
魔物に襲われたときに前世の記憶が甦ったが、本人は特にチートもなく平々凡々に過ごしていた。そんなある日、年下22歳の若きSランク冒険者のアビスと一線を越える出来事があり、そこで自分でも知らなかった今世の過去を知ることになり、事態は色々動き出す。
若干ストーカー気味なわんこ系年下冒険者に溺愛される自己評価の低い無自覚美人の話。
*以前ショート専用の枠で書いてましたが話数増えて収拾がつかなくなったので短編枠を作って移動しました。
お手数おかけしますがよろしくお願いいたします。
なお、プロローグ以降、途中まではショートの投稿分をまるっと載せるのでそちらと重複します。ご注意下さい。出来次第投稿する予定です。
こちらはR18には*印付けます。(でも忘れたらすみません)

どうも、卵から生まれた魔人です。
べす
BL
卵から生まれる瞬間、人間に召喚されてしまった魔人のレヴィウス。
太った小鳥にしか見えないせいで用無しと始末されそうになった所を、優しげな神官に救われるのだが…

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

実はαだった俺、逃げることにした。
るるらら
BL
俺はアルディウス。とある貴族の生まれだが今は冒険者として悠々自適に暮らす26歳!
実は俺には秘密があって、前世の記憶があるんだ。日本という島国で暮らす一般人(サラリーマン)だったよな。事故で死んでしまったけど、今は転生して自由気ままに生きている。
一人で生きるようになって数十年。過去の人間達とはすっかり縁も切れてこのまま独身を貫いて生きていくんだろうなと思っていた矢先、事件が起きたんだ!
前世持ち特級Sランク冒険者(α)とヤンデレストーカー化した幼馴染(α→Ω)の追いかけっ子ラブ?ストーリー。
!注意!
初のオメガバース作品。
ゆるゆる設定です。運命の番はおとぎ話のようなもので主人公が暮らす時代には存在しないとされています。
バースが突然変異した設定ですので、無理だと思われたらスッとページを閉じましょう。
!ごめんなさい!
幼馴染だった王子様の嘆き3 の前に
復活した俺に不穏な影1 を更新してしまいました!申し訳ありません。新たに更新しましたので確認してみてください!


嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

αからΩになった俺が幸せを掴むまで
なの
BL
柴田海、本名大嶋海里、21歳、今はオメガ、職業……オメガの出張風俗店勤務。
10年前、父が亡くなって新しいお義父さんと義兄貴ができた。
義兄貴は俺に優しくて、俺は大好きだった。
アルファと言われていた俺だったがある日熱を出してしまった。
義兄貴に看病されるうちにヒートのような症状が…
義兄貴と一線を超えてしまって逃げ出した。そんな海里は生きていくためにオメガの出張風俗店で働くようになった。
そんな海里が本当の幸せを掴むまで…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる