225 / 667
第8章 29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、英雄公爵に溺愛されています。
225.尻アテレコの意味を理解しました。気づくのが遅かったようです。クロードは、オレが素直に話せないから、尻で代弁させようとしていました。
しおりを挟む
オレの監禁命令を出したクロードは、ベッドで驚愕しているオレを抱きしめて、オレを寝かしつけようとしてきた。
オレがクロードを寝かしつけたように。
オレは、クロードに監禁は考え直してほしいと頼んだ。
クロードは、オレをあやすように笑った。
「ヒサツグの尻は素直だけど、ヒサツグの口は、素直にならない。」
オレは、その時、初めて、尻アテレコの意味を理解した。
オレが話さないから、尻にアテレコ代弁させようとしたのか。
オレの頭脳では、分からんかったなー。
「クロード、ごめん。」
オレは、謝った。
オレに話をさせようと、頑張ってくれていたクロード。
クロードの気遣いに、気づかなかったオレ。
気づいてからも、結局、クロードには話せないオレ。
そんなオレを責めないクロード。
優しいクロード。
でも、だからって、監禁命令は、ないよなー?
まさか、本気じゃないよなー?
だって、オレ、監禁されるようなことは、していないしな。
大丈夫だよなー。
オレは、なんとなくクロードにすり寄っていた。
温かい。
色々考えるのに疲れていたオレは、すっかり馴染んだぬくもりに安心して、寝ていた。
翌朝。
起きたら、ベッドに、クロードがいなかった。
「「「おはようございます。」」」
代わりに、使用人が三人もいた。
「オレは、自分のことは自分で出来るから。」
オレが起きている時間帯の寝室に使用人が入ってくることは、今までなかった。
「支度が済むまで、部屋から出て待っているか、別の部屋に行っていてほしい。支度が済めば、オレがそちらに向かう。」
部屋に、クロード以外がいるのは、落ち着かない。
「ヒサツグ様、私共は、昨晩から、ヒサツグ様付きになりました。」
と使用人その一。
「昨晩。」
オレは、クロードの監禁命令を思い出す。
まさか、本気じゃないよな?
大丈夫だよな?
「ヒサツグ様も、お聞き及びでいらっしゃいましたから、ご説明は不要でございましょう。」
と使用人その二。
まさか、オレが寝ていた間に手配済み?
「あれは、夫婦喧嘩の一貫で。クロードも本気で、オレのことをどうこうしようとしたわけじゃないから。」
「ヒサツグ様に申し上げます。クロード様のご命令は絶対です。いかにヒサツグ様といえど、背けば、罰を受けます。」
と使用人その三。
「ヒサツグ様におかれましては、本日は、寝室で、心安らかにお過ごしいただくことになっております。」
と使用人その二。
「オレは、寝室から出なかったら、心安らかじゃなくなるぞ。」
「ご安心ください。本日は、一日かけて、ヒサツグ様のお体のメンテナンスデーといたしました。」
と使用人その一。
「メンテナンス?」
ロボットか?
「全身エステです。」
と使用人その一。
オレがクロードを寝かしつけたように。
オレは、クロードに監禁は考え直してほしいと頼んだ。
クロードは、オレをあやすように笑った。
「ヒサツグの尻は素直だけど、ヒサツグの口は、素直にならない。」
オレは、その時、初めて、尻アテレコの意味を理解した。
オレが話さないから、尻にアテレコ代弁させようとしたのか。
オレの頭脳では、分からんかったなー。
「クロード、ごめん。」
オレは、謝った。
オレに話をさせようと、頑張ってくれていたクロード。
クロードの気遣いに、気づかなかったオレ。
気づいてからも、結局、クロードには話せないオレ。
そんなオレを責めないクロード。
優しいクロード。
でも、だからって、監禁命令は、ないよなー?
まさか、本気じゃないよなー?
だって、オレ、監禁されるようなことは、していないしな。
大丈夫だよなー。
オレは、なんとなくクロードにすり寄っていた。
温かい。
色々考えるのに疲れていたオレは、すっかり馴染んだぬくもりに安心して、寝ていた。
翌朝。
起きたら、ベッドに、クロードがいなかった。
「「「おはようございます。」」」
代わりに、使用人が三人もいた。
「オレは、自分のことは自分で出来るから。」
オレが起きている時間帯の寝室に使用人が入ってくることは、今までなかった。
「支度が済むまで、部屋から出て待っているか、別の部屋に行っていてほしい。支度が済めば、オレがそちらに向かう。」
部屋に、クロード以外がいるのは、落ち着かない。
「ヒサツグ様、私共は、昨晩から、ヒサツグ様付きになりました。」
と使用人その一。
「昨晩。」
オレは、クロードの監禁命令を思い出す。
まさか、本気じゃないよな?
大丈夫だよな?
「ヒサツグ様も、お聞き及びでいらっしゃいましたから、ご説明は不要でございましょう。」
と使用人その二。
まさか、オレが寝ていた間に手配済み?
「あれは、夫婦喧嘩の一貫で。クロードも本気で、オレのことをどうこうしようとしたわけじゃないから。」
「ヒサツグ様に申し上げます。クロード様のご命令は絶対です。いかにヒサツグ様といえど、背けば、罰を受けます。」
と使用人その三。
「ヒサツグ様におかれましては、本日は、寝室で、心安らかにお過ごしいただくことになっております。」
と使用人その二。
「オレは、寝室から出なかったら、心安らかじゃなくなるぞ。」
「ご安心ください。本日は、一日かけて、ヒサツグ様のお体のメンテナンスデーといたしました。」
と使用人その一。
「メンテナンス?」
ロボットか?
「全身エステです。」
と使用人その一。
51
お気に入りに追加
1,680
あなたにおすすめの小説

どうしてこうなった?(ショートから短編枠にしたもの)
エウラ
BL
3歳で魔物に襲われて両親を亡くし、孤児院育ちの黒髪黒目で童顔のノヴァは前世の記憶持ちの異世界転生者だ。現在27歳のCランク冒険者。
魔物に襲われたときに前世の記憶が甦ったが、本人は特にチートもなく平々凡々に過ごしていた。そんなある日、年下22歳の若きSランク冒険者のアビスと一線を越える出来事があり、そこで自分でも知らなかった今世の過去を知ることになり、事態は色々動き出す。
若干ストーカー気味なわんこ系年下冒険者に溺愛される自己評価の低い無自覚美人の話。
*以前ショート専用の枠で書いてましたが話数増えて収拾がつかなくなったので短編枠を作って移動しました。
お手数おかけしますがよろしくお願いいたします。
なお、プロローグ以降、途中まではショートの投稿分をまるっと載せるのでそちらと重複します。ご注意下さい。出来次第投稿する予定です。
こちらはR18には*印付けます。(でも忘れたらすみません)


嫌われものの僕について…
相沢京
BL
平穏な学校生活を送っていたはずなのに、ある日突然全てが壊れていった。何が原因なのかわからなくて気がつけば存在しない扱いになっていた。
だか、ある日事態は急変する
主人公が暗いです

どうも、卵から生まれた魔人です。
べす
BL
卵から生まれる瞬間、人間に召喚されてしまった魔人のレヴィウス。
太った小鳥にしか見えないせいで用無しと始末されそうになった所を、優しげな神官に救われるのだが…

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

実はαだった俺、逃げることにした。
るるらら
BL
俺はアルディウス。とある貴族の生まれだが今は冒険者として悠々自適に暮らす26歳!
実は俺には秘密があって、前世の記憶があるんだ。日本という島国で暮らす一般人(サラリーマン)だったよな。事故で死んでしまったけど、今は転生して自由気ままに生きている。
一人で生きるようになって数十年。過去の人間達とはすっかり縁も切れてこのまま独身を貫いて生きていくんだろうなと思っていた矢先、事件が起きたんだ!
前世持ち特級Sランク冒険者(α)とヤンデレストーカー化した幼馴染(α→Ω)の追いかけっ子ラブ?ストーリー。
!注意!
初のオメガバース作品。
ゆるゆる設定です。運命の番はおとぎ話のようなもので主人公が暮らす時代には存在しないとされています。
バースが突然変異した設定ですので、無理だと思われたらスッとページを閉じましょう。
!ごめんなさい!
幼馴染だった王子様の嘆き3 の前に
復活した俺に不穏な影1 を更新してしまいました!申し訳ありません。新たに更新しましたので確認してみてください!


嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる