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第8章 29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、英雄公爵に溺愛されています。
218.オレは、オレの意思で、日本とこちらを行き来出来るようにしたいのです。クロードは、今日も、オレの愛を確かめたい、と言っています。
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今日は一日、ベッドの住人だったオレ。
明日は、ベッドから出て動き回ろう。
オレは、頭の中で、あれこれ計画を立てていた。
クロードに世話を焼かれながら、明日の算段に頭の中が忙しかったオレ。
昨日のクロードが、『明日も』と言っていたのを覚えていたオレ。
夜になる前に、オレは、クロードを誘導することにした。
「クロード、今日は、抱き締めあって寝よう。愛を確かめられるぞ。」
完璧な誘導だなー、と自惚れていたら。
「今日は、出さなくても、気持ちよくする。」
とクロードが言い出した。
昨日に引き続き、クロードの口から、聞いたことがない台詞が、出てきた。
今までのクロードは、初夜に始まり、毎回、必ず、オレの中で果てている。
オレも、出して達している。
どうした?
急に路線変更か?
路線変更は、今日じゃなくても、いいんだぞ?
「昨日、限界までしていたから、今日は、一緒に寝るだけでもいいんじゃないかなー?」
今日は、休まないと、明日も、オレはベッドの住人になってしまう。
大公妃になったオレに、一日まるまる自由時間という日が、今後、何日も確保出来るとは思えない。
オレは、オレの時間をオレのために有効活用したい。
オレの実験は、秘書は使用人に見られずにやりたい。
実験していることをクロードに知られたくない。
実験の内容は、絶対に知られるわけにはいかない。
オレのための、オレだけの秘密。
神子様のカズラ君のためのものでもあるけれど。
カズラ君の目標は、神子にならずに、女神様の約束に縛られることなく、日本からこちらに来ること。
オレは、オレの意思で、日本とこちらを行き来出来るようにすること。
オレとカズラ君は、短い時間の話し合いで、いくつか予想をたてた。
カズラ君の体は、こちらの世界の神子様仕様になっているんじゃないか?
つまり。
カズラ君の体は、異世界転移後のこちらの住人に混じって暮らせるように改造、もしくは、作り変えられているんじゃないか?
反対に、オレの体は、日本仕様のままで、手を加えられていないんじゃないか?
神子様仕様の体を持っているカズラ君は、女神様の力を内包している。
その力を使って、日本からこちらへ、女神様に頼らずに自力で、異世界転移できるんじゃないか?
逆に。
オレは、日本仕様の体のままだから、日本との縁は切れていない。
オレと日本との繋がりが強まれば、日本に戻れるんじゃないか?
女神様が、日本から転移させたオレとカズラ君に、生きている時代の違いはなかった。
オレもカズラ君も、同じ時間軸に生きていた。
カズラ君は、二十歳。
オレより九歳若い。
カズラ君は、寝起きに異世界に行きたいと考えていたところに、女神様が、姿を現し、女神様の世界で神子になる話を持ちかけてきたから、その話にのった。
女神様と約束すると、もう異世界転移が済んでいたという。
なんともスピーディー。
オレの場合は、気がついたら、異世界で配達員の仕事をしていたので、異世界転移の瞬間や経緯の記憶がない。
当て馬で、いつか、日本に返す予定だったから、扱いが雑なのか?
と思っていた。
オレと女神様は、対等な立ち位置だということを勘案すると、別の見方が可能だ。
女神様は、オレの体に干渉していない、もしくは、干渉できない。
理由は、オレが、女神様と約束をしていないため。
オレは、女神様に縛られていない。
女神様が、干渉出来ない、ということは、女神様の民だから、こちらから、外に出られないという決まりが、オレには適用されないことを意味しないかな?
神子が魔王化するトリガーと同じ。
女神様の民だと思い込むから、こちらから出られないだけじゃないのか?
オレと神子様は、自力で、異世界転移する方法を探すことにした。
どちらかが成功したら、可能性が広がる。
オレは、こっそりと、実験に取り組みたくて仕方がない。
クロードは、オレの案をあっさり却下してきた。
「愛を確かめ始めてから、一日しか経っていない。」
とクロード。
「今日一日、クロードがベッドにいるオレの介助をしていた時間で、オレは、十分、愛を確かめたぞ。」
「私は、まだ確証が持てない。」
とクロード。
何の確証かなー?
「そうかー。じゃあ、今夜じゃなく、続きは明日にしよう。」
「昨日、『明日もする』と二人で決めた。」
とクロード。
「ごめんな?決めたときは、動けなくなる予定じゃなかったんだ。今日は、一日ベッドだったから、明日は、動きたい。」
「ヒサツグの行きたいところには、私が連れていく。ヒサツグは、安心して旦那に身を任せるといい。」
とクロード。
全然、安心出来ない。
「クロード、オレは、一人で動く時間がほしいなー。」
「私は、ヒサツグを一人にしない。ヒサツグの愛を確かめたい。」
とクロード。
明日は、ベッドから出て動き回ろう。
オレは、頭の中で、あれこれ計画を立てていた。
クロードに世話を焼かれながら、明日の算段に頭の中が忙しかったオレ。
昨日のクロードが、『明日も』と言っていたのを覚えていたオレ。
夜になる前に、オレは、クロードを誘導することにした。
「クロード、今日は、抱き締めあって寝よう。愛を確かめられるぞ。」
完璧な誘導だなー、と自惚れていたら。
「今日は、出さなくても、気持ちよくする。」
とクロードが言い出した。
昨日に引き続き、クロードの口から、聞いたことがない台詞が、出てきた。
今までのクロードは、初夜に始まり、毎回、必ず、オレの中で果てている。
オレも、出して達している。
どうした?
急に路線変更か?
路線変更は、今日じゃなくても、いいんだぞ?
「昨日、限界までしていたから、今日は、一緒に寝るだけでもいいんじゃないかなー?」
今日は、休まないと、明日も、オレはベッドの住人になってしまう。
大公妃になったオレに、一日まるまる自由時間という日が、今後、何日も確保出来るとは思えない。
オレは、オレの時間をオレのために有効活用したい。
オレの実験は、秘書は使用人に見られずにやりたい。
実験していることをクロードに知られたくない。
実験の内容は、絶対に知られるわけにはいかない。
オレのための、オレだけの秘密。
神子様のカズラ君のためのものでもあるけれど。
カズラ君の目標は、神子にならずに、女神様の約束に縛られることなく、日本からこちらに来ること。
オレは、オレの意思で、日本とこちらを行き来出来るようにすること。
オレとカズラ君は、短い時間の話し合いで、いくつか予想をたてた。
カズラ君の体は、こちらの世界の神子様仕様になっているんじゃないか?
つまり。
カズラ君の体は、異世界転移後のこちらの住人に混じって暮らせるように改造、もしくは、作り変えられているんじゃないか?
反対に、オレの体は、日本仕様のままで、手を加えられていないんじゃないか?
神子様仕様の体を持っているカズラ君は、女神様の力を内包している。
その力を使って、日本からこちらへ、女神様に頼らずに自力で、異世界転移できるんじゃないか?
逆に。
オレは、日本仕様の体のままだから、日本との縁は切れていない。
オレと日本との繋がりが強まれば、日本に戻れるんじゃないか?
女神様が、日本から転移させたオレとカズラ君に、生きている時代の違いはなかった。
オレもカズラ君も、同じ時間軸に生きていた。
カズラ君は、二十歳。
オレより九歳若い。
カズラ君は、寝起きに異世界に行きたいと考えていたところに、女神様が、姿を現し、女神様の世界で神子になる話を持ちかけてきたから、その話にのった。
女神様と約束すると、もう異世界転移が済んでいたという。
なんともスピーディー。
オレの場合は、気がついたら、異世界で配達員の仕事をしていたので、異世界転移の瞬間や経緯の記憶がない。
当て馬で、いつか、日本に返す予定だったから、扱いが雑なのか?
と思っていた。
オレと女神様は、対等な立ち位置だということを勘案すると、別の見方が可能だ。
女神様は、オレの体に干渉していない、もしくは、干渉できない。
理由は、オレが、女神様と約束をしていないため。
オレは、女神様に縛られていない。
女神様が、干渉出来ない、ということは、女神様の民だから、こちらから、外に出られないという決まりが、オレには適用されないことを意味しないかな?
神子が魔王化するトリガーと同じ。
女神様の民だと思い込むから、こちらから出られないだけじゃないのか?
オレと神子様は、自力で、異世界転移する方法を探すことにした。
どちらかが成功したら、可能性が広がる。
オレは、こっそりと、実験に取り組みたくて仕方がない。
クロードは、オレの案をあっさり却下してきた。
「愛を確かめ始めてから、一日しか経っていない。」
とクロード。
「今日一日、クロードがベッドにいるオレの介助をしていた時間で、オレは、十分、愛を確かめたぞ。」
「私は、まだ確証が持てない。」
とクロード。
何の確証かなー?
「そうかー。じゃあ、今夜じゃなく、続きは明日にしよう。」
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「ごめんな?決めたときは、動けなくなる予定じゃなかったんだ。今日は、一日ベッドだったから、明日は、動きたい。」
「ヒサツグの行きたいところには、私が連れていく。ヒサツグは、安心して旦那に身を任せるといい。」
とクロード。
全然、安心出来ない。
「クロード、オレは、一人で動く時間がほしいなー。」
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とクロード。
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