《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第7章 オレは、英雄公爵と並んで歩いています。始まりは、一人と一人でしたね。道なき道を切り拓きます。

209.アウェイとホームの温度差を感じます。

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「横暴な!私は国王陛下の。」
と言い出した宰相補佐に。

「宰相補佐の仕事も、出来が悪いから、一からやり直し。配属は変える。肩書きだけで、実力もないまま、生きていけるほど、甘い世界ではない。」
と宰相。

「近衛騎士団の副団長は、副団長を解任する。
国王陛下の側近が、国王陛下をおいさめせず、一緒に暴走するな。
側近も副団長もどっちつかず。
どちらも中途半端に上澄みだけをすするから、身についていない。
組織の一員として、やり直せ。」
と近衛騎士団長。

「そんな。私は、国王陛下のために。」
と近衛騎士団の元副団長。

宰相も近衛騎士団長も、面倒見が良いというか、温厚だ。 

野垂れ死ね!と言わないんだからな。

クロードを裏切ったクロードの友人三人は、更生を期待されている。

オレにとって胸糞悪いやつらだが、マウンテン王国の上層部には、更生させたい若者なんだなー。

オレの中で、こいつらをもっと断罪したかった、という思いがこみ上げてくる。

でも。

ここが、手の打ちどころ。

復讐に心を奪われて、引き際を見誤ると、苦しくなるのは、オレとクロードだ。

オレやクロードと親交があっても、クロードの経験した迫害に対する思いは、彼方此方で違う。

オレは、許すまじ。

クロードは、二度と会いたくない。

オレとクロードは、三人と絶交を決めた。

オレは、絶交くらい、可愛いもんだと思っている。

本当は、ボコボコにしてやりたい。

でも、オレとクロード以外は、こいつらに怒りの感情なんて、持っていない。

おいたをした不出来な若者くらいにしか、考えていない。

温度差を肌で感じる。

オレとクロードの感情は、少数派だ。

国王陛下の姉と、宰相の娘、近衛騎士団長の甥、司祭の従兄弟は、オレと話す仲。
国王陛下と、宰相補佐と、近衛騎士団の元副団長が、クロードに対して、良くないことをしてきた、という認識があることは伝わってくる。

宰相と近衛騎士団長が、率先して、仕切っているせいでもあるけれど、厳罰が必要だとは考えている人は、この空間に、オレしかいない。

マウンテン王国の王侯貴族として、更生が妥当なんだろう。

当人達に、反省して謝る気もなければ。
反省させて謝らせる気もない。

オレは、クロードを連れて早くこの国を出よう。

この国は、オレとクロードが暮らすには向かない。

マウンテン王国は、アウェイなんだ。

オレとクロードのホームは、ケレメイン大公国だ。

二人で手を繋いで、帰る。

帰る前に、愛こんにゃく家を家族に会わせないとなー。
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