《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第7章 オレは、英雄公爵と並んで歩いています。始まりは、一人と一人でしたね。道なき道を切り拓きます。

208.国王陛下は、既婚者です。夫が、見えない誰かとずっと話している姿を見たら、どうしますか?

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「女神様は、国王陛下に何を話したんだ?」

「何のことかしら?」
と女神様。

「何を話して、国王陛下を追い込んだのか?」

「妾のしもべ。」
と女神様。

「そのしもべに、友人を裏切らせたのは、なぜだ?」

「ふふふ。」
と女神様。

女神様は、答えないか。

「国王陛下。女神様に何を吹き込まれた?」

オレに話をふられた国王陛下は、渋面を作った。

「女神様は、吹き込まれてなどおらん。」
と国王陛下。

「クロードには、誠心誠意、腹を割って話をしていたら、今みたいに、こじれていない。
実際、クロードは、英雄になっても、国王陛下を討ち取って、国王の座を奪い取らなかっただろう?」

「そうだが。」
と国王陛下。

「疑り深いを通り越して、疑心暗鬼になっているぞ?
クロードは、友人だから、と辛抱強く我慢していたけど、もう会うことはないんだ。最後に理由を話せ。」

「ふふふふふふ。」
と女神様。

「女神様のしもべは、女神様から聞いた情報のうち、話せる情報に制限があるのかな?」

「そうだ。」
と国王陛下。

「吹き込まれてはいないが、そうあるかのような景色を見せられたか?」

日本でいうところの、合成写真や、完成予想図みたいなものを見て、現実と誤認するように誘導されたか?

「ふふふふふふ。」
と女神様。

「女神様のしもべに渡される情報の制限は、英雄と神子に関するものにかかるのかな?」

「ふふふふふふ。」
と女神様。

国王陛下が、女神様から聞いた、英雄と神子に関する情報は、国王陛下からは、聞けない。

うーん。
どうしたものか。

「国王陛下は、既婚者だよな?王妃陛下の話を聞いたことがないぞ?」

「国王陛下として即位すると同時に、部屋を分けておる。」
と国王陛下の姉。

そのタイミングで?

部屋を分ける前に、女神様と国王陛下が邂逅したのか?

「王妃陛下は、国王陛下が、見えない誰かとずっと話している、と。
どちらの問題か、分からなかった。
国王陛下は、女神様と話していて、女神様は、限られた人にしか見えない。
という状況のことかと、今予想がついた。」

ホラーだよなー。

「見えない誰かとずっと会話している光景を見たら、心の病気を疑うなー。」

「別居に踏み切ったのは、話すのが、止まらない。終わらない。うるさくて眠れない、んだそうだ。」
と国王陛下の姉。

「国王陛下は、女神様べったりを止めて、人の社会に、社会復帰しないのかなー。」

「そなたには、女神様に愛されている喜びが理解できぬ。」
と国王陛下。

「女神様は、しもべが何人もいて、しもべの入れ替えを楽しみにしているきらいがある。
女神様としもべは、生涯繋がりがあるかもしれないが、人に寄り添うのは、最終的には人だぞ。
国政なんて、その最たるものだよな。」

「その通りだ。」
と近衛騎士団長の甥

「女神様とじゃなく、王妃陛下と頻繁に話をするようにしていたら、友人を傷つけず、友人を失わない結末だった可能性はなかったのかな?」

「相談してほしかった。今さらになるが。」
と国王陛下の姉。

「国王陛下が過ちを、など考えませんでした、誰も。
女神様の声は、私達には聞こえません。
ただ、ヒサツグの話を繋ぎ合わせると。」
と司祭の従兄弟。

「国王陛下が、女神様に頼りすぎないように、王妃陛下と協力し、監視体制を整えます。」
と宰相の娘。

「宰相補佐と近衛騎士団の副団長は、側近よりも、本職の腕を磨くと良い。」
と国王陛下の姉。

後は女神様か。
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