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第7章 オレは、英雄公爵と並んで歩いています。始まりは、一人と一人でしたね。道なき道を切り拓きます。
203.女神様とオレの関係性。国王陛下がオレを始末したがった理由。『英雄は、女神様に跪く?』『オレの英雄には、オレだけを愛してほしい。』
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オレは、女神様と交渉を始めた。
女神様を自力で顕現させられないオレは、国王陛下が顕現させた今しか、女神様と話すチャンスがない。
オレは、頭の中で、考えてきたことを整理しながら話す。
「女神様。
オレは、女神様とは何の約束もなく連れてこられたよな?
オレは、英雄に真実の愛を捧げられた。
新しく神子が来ると、英雄を盗られないか心配でたまらない。
神子の召喚は、二度としないよな?」
女神様が、この場で、うん、と言わなくても、この話を出しておくことに意味がある。
『二度と神子の召喚をしないよな?』
に返事は返ってこないだろう。
オレは、女神様の加護を与えられたが、約束がないため、女神様との繋がりは一方的、かつ、オレに利益があるものではない。
オレは、女神様の支配下にない。
オレは、ここから、思考をもう一歩進めてみたのだ。
支配下になく、影響を与えられない関係とは、どういう関係か?
オレは、女神様と対等だ。
その証拠が、今だ。
オレと女神様が話をしているときは、国王陛下は、割り込めない。
女神様の視点で、オレと国王陛下を見ると、国王陛下は、オレと女神様の話を遮るには格が足りないから。
女神様とオレは、神と人ではあるけれど、女神様の感覚では、対等なのだ。
これこそが、国王陛下が、オレを執拗に狙った理由。
国王陛下が、オレの存在を懸念したのは、オレが、女神様と対等だから。
女神様から授かった魔法は、オレには効かない。
オレは、女神様の魔法で支配することが出来ない唯一無二。
国王陛下は、オレに脅威を覚えた。
物理的に殺しに来ていた理由は、魔法が効かないから。
オレを殺すことは、国王陛下には、いいことづくめだった。
聞き分けが悪くなった神子様が魔王化したら、女神様に新しく神子様を召喚してもらえる。
神子様の存在は、いるだけで、国を豊かにしていく。
魔王が出現した被害は、神子様が授かった女神様の力の影響で、長期的に見ると、国は、被害を上回る豊かさを享受できる。
こちらの住人は、扱いにくい神子様が来たら、神子様の人生を慮ることなく、神子様をチェンジ!する。
魔王が生まれないなら、神子様を召喚する理由はないが、一人目の神子様は、魔王討伐の目的で召喚されていない。
魔王がいないのだから、別の目的があったはず。
こちらの住人の利になる理由で召喚したのかな?
住人自身の力を使って生活するものだ、と、女神様の意識を変えない限り、女神様は、神子を召喚し続ける。
オレは、女神様と対等だが、オレの都合で、女神様を顕現させることはできない。
本来のオレは、神子じゃなくて、日本に戻る予定の当て馬だったから。
「英雄の死後なら構わないわね。」
と女神様。
「構う。英雄に暗殺者が送られてくる。」
「妾の英雄に不心得者がわく?」
と不機嫌になる女神様。
「肉体的にじゃなく、精神的に迫害していたやつなら、その国王陛下を筆頭に既に何人もいるぞ?」
「妾の英雄を迫害?」
と不機嫌になる女神様。
「妾の英雄って、英雄は、女神様の特別なのか?」
「英雄は、いずれ王になり、妾に跪くの。」
と女神様は、うっとりしていた。
「英雄が王になったら、今の王は?」
「見なくなるわ。」
と興味がなさそうな女神様。
国王陛下の顔色は悪い。
国王陛下は、英雄に討たれる未来を回避しようとしてきた。
国王陛下が、英雄クロードに、英雄に関する情報を制限していた理由だ。
「女神様、オレの英雄は、女神様に跪かせない。
オレは、オレの英雄には、オレしか愛さないでほしい。
オレは、嫉妬深い。
オレの英雄は一生、オレだけのもの。
代わりに、オレは、その国王陛下を女神様に残しておく。
オレは、その国王陛下をどうにかしてもいいと思うけれど。
女神様は、信者が一人、減らない方がいいよな?
増える見込みがないぞ。」
「妾の英雄がいない?」
と、不機嫌になる女神様。
「女神様。新しく、神子と英雄を作るのは、なしだ。
女神様は、知っているか?神子も英雄も、神子と英雄に関わった女神様の民も、皆、大切な何かを喪失して苦しんでいる。
女神様の民が苦しむのは、女神様の望みとは違うだろう?」
「望まないわ。」
と女神様。
女神様は、望まない、とは答えても、召喚しない、とは言わないなー。
「女神様が、英雄に王の資格を与えて、内戦を認めているのは、王の新陳代謝を図っているのかな?
国同士の戦争を忌避するのは、各国の国王陛下という信者の数を減らさないためかな?」
女神様を自力で顕現させられないオレは、国王陛下が顕現させた今しか、女神様と話すチャンスがない。
オレは、頭の中で、考えてきたことを整理しながら話す。
「女神様。
オレは、女神様とは何の約束もなく連れてこられたよな?
オレは、英雄に真実の愛を捧げられた。
新しく神子が来ると、英雄を盗られないか心配でたまらない。
神子の召喚は、二度としないよな?」
女神様が、この場で、うん、と言わなくても、この話を出しておくことに意味がある。
『二度と神子の召喚をしないよな?』
に返事は返ってこないだろう。
オレは、女神様の加護を与えられたが、約束がないため、女神様との繋がりは一方的、かつ、オレに利益があるものではない。
オレは、女神様の支配下にない。
オレは、ここから、思考をもう一歩進めてみたのだ。
支配下になく、影響を与えられない関係とは、どういう関係か?
オレは、女神様と対等だ。
その証拠が、今だ。
オレと女神様が話をしているときは、国王陛下は、割り込めない。
女神様の視点で、オレと国王陛下を見ると、国王陛下は、オレと女神様の話を遮るには格が足りないから。
女神様とオレは、神と人ではあるけれど、女神様の感覚では、対等なのだ。
これこそが、国王陛下が、オレを執拗に狙った理由。
国王陛下が、オレの存在を懸念したのは、オレが、女神様と対等だから。
女神様から授かった魔法は、オレには効かない。
オレは、女神様の魔法で支配することが出来ない唯一無二。
国王陛下は、オレに脅威を覚えた。
物理的に殺しに来ていた理由は、魔法が効かないから。
オレを殺すことは、国王陛下には、いいことづくめだった。
聞き分けが悪くなった神子様が魔王化したら、女神様に新しく神子様を召喚してもらえる。
神子様の存在は、いるだけで、国を豊かにしていく。
魔王が出現した被害は、神子様が授かった女神様の力の影響で、長期的に見ると、国は、被害を上回る豊かさを享受できる。
こちらの住人は、扱いにくい神子様が来たら、神子様の人生を慮ることなく、神子様をチェンジ!する。
魔王が生まれないなら、神子様を召喚する理由はないが、一人目の神子様は、魔王討伐の目的で召喚されていない。
魔王がいないのだから、別の目的があったはず。
こちらの住人の利になる理由で召喚したのかな?
住人自身の力を使って生活するものだ、と、女神様の意識を変えない限り、女神様は、神子を召喚し続ける。
オレは、女神様と対等だが、オレの都合で、女神様を顕現させることはできない。
本来のオレは、神子じゃなくて、日本に戻る予定の当て馬だったから。
「英雄の死後なら構わないわね。」
と女神様。
「構う。英雄に暗殺者が送られてくる。」
「妾の英雄に不心得者がわく?」
と不機嫌になる女神様。
「肉体的にじゃなく、精神的に迫害していたやつなら、その国王陛下を筆頭に既に何人もいるぞ?」
「妾の英雄を迫害?」
と不機嫌になる女神様。
「妾の英雄って、英雄は、女神様の特別なのか?」
「英雄は、いずれ王になり、妾に跪くの。」
と女神様は、うっとりしていた。
「英雄が王になったら、今の王は?」
「見なくなるわ。」
と興味がなさそうな女神様。
国王陛下の顔色は悪い。
国王陛下は、英雄に討たれる未来を回避しようとしてきた。
国王陛下が、英雄クロードに、英雄に関する情報を制限していた理由だ。
「女神様、オレの英雄は、女神様に跪かせない。
オレは、オレの英雄には、オレしか愛さないでほしい。
オレは、嫉妬深い。
オレの英雄は一生、オレだけのもの。
代わりに、オレは、その国王陛下を女神様に残しておく。
オレは、その国王陛下をどうにかしてもいいと思うけれど。
女神様は、信者が一人、減らない方がいいよな?
増える見込みがないぞ。」
「妾の英雄がいない?」
と、不機嫌になる女神様。
「女神様。新しく、神子と英雄を作るのは、なしだ。
女神様は、知っているか?神子も英雄も、神子と英雄に関わった女神様の民も、皆、大切な何かを喪失して苦しんでいる。
女神様の民が苦しむのは、女神様の望みとは違うだろう?」
「望まないわ。」
と女神様。
女神様は、望まない、とは答えても、召喚しない、とは言わないなー。
「女神様が、英雄に王の資格を与えて、内戦を認めているのは、王の新陳代謝を図っているのかな?
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