《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第7章 オレは、英雄公爵と並んで歩いています。始まりは、一人と一人でしたね。道なき道を切り拓きます。

199.国王陛下に会うのを渋られましたが、粘りました。全員で話し合いましょうか。『国王陛下、女神様を呼んでもらえますか?』

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豪華絢爛な机の上に、国王陛下の姉とクロードが並んで座り、書類にサインする。

実務的な話し合いは、後日担当者同士で行い、本日は国交に関する調印だけ。

国交をひらきました、という書類だ。

調印式は、マウンテン王国からは、王姉殿下、ケレメイン大公国側は、ケレメイン大公クロードによって、滞りなく終わった。

知り合いばかりなので、オレも気楽だが、気になることしかない。

国王陛下の姉が、メインで動いているのは、なぜ?

相手が、クロードとオレだから、というだけではないよな?

オレが、王城で、国王陛下の姉と会話していたときは、書類仕事が大半で、王姉殿下として、対外的に顔を売るような公務はしていなかった。

「国王陛下の姉が、調印をするようになったのは、いつから?堂に入っている。」

国王陛下の姉に聞いてみた。

「最近になってから。」
と国王陛下の姉。

「立派な側近と、立派な主君になったなー。」

「ヒサツグは、大公妃殿下として、一歩を踏み出したのね。見違えたわ。」
と宰相の娘。

大公妃と言われると、素直になれない男心。

「うん。そうかー。
オレを誘拐した現場にきた男の処分やら、色々話し合いたいんだけど、国王陛下は?」

「国王陛下と会うのは、お勧めしない。」
と近衛騎士団長。

「どんな理由で?」

「大公殿下と大公妃殿下に何かあっては困る。」
と近衛騎士団長。

「刺客を送り込んできたからなー。オレもクロードも神子様も、国王陛下と話をするぞ。
心配なら、全員、立ち会いでどうだ?」

「容認できない。国王陛下を抑えるのは、我々には不可能だ。」
と宰相。

「国王陛下は、女神様の魔法を使っているのか?」

「それは、なさっていない。我々は、臣下だ。」
と宰相。

神子様は、臣下じゃないから、使ってよし、なんだなー。

神子様の顔が、引きつっている。

オレの目的は、国王陛下に会うこと、ということで、国王陛下の来る部屋に案内してもらった。

外国からきた大使ご一行様が、お茶をしながら、待つ部屋で待機。

神子様とオレは、これからが、正念場。

会いたいのも、殺されそうになったのも、オレなので、会話は、オレがすることに決まった。


部屋の外から声がする。

挨拶もそこそこに部屋に入ってきた国王陛下は、吐き捨てるように言った。

「独立?馬鹿馬鹿しい。認めん。」

「既に独立済みですから。
そんな話は、いいんですよ。
オレが、来た理由は、一つだけ。」

「国王陛下。今すぐ、この部屋に女神様を呼び出してください。
話し合いますよ。」
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