《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第7章 オレは、英雄公爵と並んで歩いています。始まりは、一人と一人でしたね。道なき道を切り拓きます。

196.ミーレ長官VS宰相補佐と近衛騎士団の副団長。ミーレ長官は、生まれながらの偉い人?

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マウンテン王国の王侯貴族も一枚岩ではない。

国王陛下が、公爵家の分家のクズとクズ仲間を、ためらうことなく使い捨てにしたように、内部は対立している。

クロードの友人その三、司祭と、その四、医者から話は聞いていた。

ミーレ長官と国王陛下の側近との間に流れる空気が、司祭と医者の話を裏付けているなー。

ミーレ長官と国王陛下は、世代が違う。

ミーレ長官は、国王陛下の親世代よりは若いけど、国王陛下の同世代ではない。

国王陛下は二十代。
クロードと同い年なら24歳。
国王陛下の方が、年上か年下の場合でも、年の差は、二歳か、三歳までかな。

国王陛下が、英雄公爵クロードに脅威を感じて、自分より下に落としたいと思うなら、の年齢差。

二十代で、対等か対等以上に争える年齢。

ミーレ長官は、三十代。

国王陛下と同じ角度からものを見ているのは、国王陛下の同世代の宰相補佐と近衛騎士団の副団長。

ミーレ長官は、年齢的に、国王陛下に軌道修正を促す役割だったんじゃないかな。

ケレメイン公爵クロードと面識があり、クロードと対等に話をする間柄なら、王侯貴族の中でも、元が軽くない立場なんだと思う。

国王陛下に意見が出来て、ケレメイン公爵クロードとも対等に話せるミーレ長官。

ミーレ長官が話さないから、オレは、聞かない。

ミーレ長官の元々の地位が低ければ、ミーレ長官は、妻子の安全のために、ケレメイン公爵領に自ら来るという冒険はおかさなかったと思う。

ミーレ長官は、妻子のために、ケレメイン公爵に寝返ったと思わせる何かがある。

今の国王陛下の元では、妻子の安全や将来に不安があるんだろう。

そういうことを合わせてみると、ミーレ長官の出自が予想できる。

ミーレ長官の身分は、クロードの友人その三、司祭よりも、上。

「血迷ったんですか?国王陛下の命令に背いてまで、敢行したのに、失敗して恥ずかしすぎる。」
と、ミーレ長官に話しかける宰相補佐の声は、冷たい。

「宰相補佐ごときが、私に分かったような口をきくな。」
とミーレ長官は、宰相補佐を一刀両断。

ミーレ長官の方が、身分が上なんだなー。

宰相補佐が、ムッとしている。

ムッとしていても、言い返すことはしない宰相補佐。

近衛騎士団の副団長は、宰相補佐と同じにはならなかった。

「ミーレ長官。この際なんで、言ってしまいます。
いつまでも、偉い気分でいていただいたら、迷惑なんで、弁えてください。」
と近衛騎士団の副団長。

近衛騎士団の副団長は、きりっとした表情で話す。

ミーレ長官は、偉い気分じゃなくて、本当に偉い人なんじゃないのか?

その二は、近衛騎士団の副団長なのに、権力に疎くていいのか?

「お前は、誰にものを言っている?」
とミーレ長官。

「私達は、国王陛下の側近です。国王陛下の治世を支えているのは、私達です。」
と宰相補佐。

宰相補佐は、近衛騎士団の副団長の援護射撃か?

「側近、側近、と国政の妙も理解しないひよっこ風情が。」
とミーレ長官。

「ミーレ長官を任命したのは、先代の国王陛下で、国王陛下ではありません。

先代の国王陛下は、ミーレ長官を可愛がっていらっしゃいましたけど、もういらっしゃいません。

今は国王陛下の御代ですから、先代国王陛下に、重宝されていたから、と、大きい顔をするのは、止めてください。」
と近衛騎士団の副団長。

「ミーレ長官は、前の時代の人です。
今後は、国王陛下の邪魔をしないように大人しくしていてください。

こんなこと、言わないでも分かりますよね?
分かる人は、いっぱいいますよ?

言われないと分からないミーレ長官は、引退したらいかがですか?」
と宰相補佐。

ミーレ長官は、先代国王陛下のお引き立てだか、推薦で、長官ポストに就いたのか。

叩き上げじゃないんだな。

先代国王の、ということは、先代国王の年の離れた兄弟か、兄弟の子どもかなー?
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