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第7章 オレは、英雄公爵と並んで歩いています。始まりは、一人と一人でしたね。道なき道を切り拓きます。
193.ミーレ長官は、顔と名前が知られています。オレは、得体の知れない魔性の男だから、王城に入れないそうです。それは、いつからですか?
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門番の顔を見たら、オレは、また腹が立ってきた。
「止まれ。止めさせろ。こっちに来ないようにしろ。」
門番は、ケレメイン公爵家の旗持ちに向かって、まくし立てている。
旗持ちと護衛は、無言だ。
真面目に職務を全うしている。
なんて優秀なんだ。
お手当てを弾みたい。
後で、クロードと一緒に、彼らの労を労おう。
門番は、オレとクロードが門番の声が届く距離に入っていると判断して、クロードに声をかけてきた。
「公爵?迷惑なんで、帰ってくださいよ。仕事を放りだして、新妻に夢中になっているのは、良く分かりましたとも。」
と門番は、渋面を作った。
門番のもう一人は、オレを見て、しっしっ、と手で追い払う仕草をした。
「英雄公爵が、得体のしれない男に首ったけ、という噂はかねがね。
得体の知れない魔性の男は、王城に入れるわけにはいきません。
公爵お一人なら、通しますよ。」
ともう一人の門番。
こいつら!
とオレは、怒鳴りつけたりはしない。
オレは、ツンとお高く済まして、クロードに寄り添う。
そこに、長官がやってきた。
「門を開けろ。」
と長官。
「ミーレ長官!」
と門番。
オレは、CIA長官のポジションだから、長官を長官と呼んできた。
異世界でも、長官と言うんだなー。
長官の名前は、ミーレというんだ。
顔を出している人は、名前も出しているんだな。
愛こんにゃく家の家族に、愛こんにゃく家を会わせてみる予定なんだけど、愛こんにゃく家の家族は、どんな人かな?
愛こんにゃく家の家族が、愛こんにゃく家の受け入れを拒否したら、愛こんにゃく家は、公爵領で受け入れる予定。
「ミーレ長官。お言葉ですが、その得体の知れない魔性の男を遠ざけてからにしてください。」
「ミーレ長官。
こいつは、王城への立ち入りを禁止されています。
王城に入れるわけには行きません。
もし入り込んだら、速やかに対処すると決まっていたではありませんか。」
「そうです。我々は、一丸となって、こいつを排除したのです。
なぜ、わざわざ、入れなくてはならないんですか。」
門番が、暴露してくれている。
オレが、誘拐された日に、門の外に追い出された上に、門で締め出されたのは、オレを締め出すようにと指示が出ていたんだな。
その指示は、まだ撤回されていないんだな?
ミーレ長官は、門番のさえずりを一蹴した。
「不敬だぞ。」
とミーレ長官。
「不敬も何も。尊敬に値しないじゃないですか。」
「自分達が、尊敬するところは、見当たりません。」
門番の言う台詞は、腹ただしいが、門番に怒っても意味がない、とオレは知っている。
門番は、王城の中に蔓延する空気を、的確にとらえているにすぎない。
諸悪の根源を絶たないと。
ミーレ長官は、門番を睨みつけて、声をはる。
「控えろ。こちらの方々をどなたと心得る。」
「誰って、英雄公爵と魔性の男じゃないですか?」
「英雄公爵っ、ぶふっ。」
門番の反応は、軽いもので、悪びれる様子もない。
この国とこの国の支配者が、英雄公爵の印象操作に成功した結果なのか。
クロードが、こんな嘲笑を浴びるいわれはない!
ミーレ長官は、黙れ、と門番を一喝した。
「何なんですか?」
「本当のことですよ?」
と門番。
ミーレ長官は、重々しく、しかし、よく通る声で、話す。
「こちらに、いらっしゃるのは、英雄公爵ご夫妻ではない。」
と長官。
「へえ?どういうことですか?」
「英雄公爵は、英雄公爵ですよ?自分達に、何の通達もきていません。」
「お前達に通達が来ることはない。」
とミーレ長官。
「門番に、通達がこないわけ、ないですよね?何を言っているんですか?」
「秘密裏に決まりました、とか言っても、話が通っている段階で、知らせがないと、自分達も、対処できませんよ。」
反発する門番と困惑する門番。
ミーレ長官は、門番と、門番以外にも、聞き耳を立てている野次馬に告げる。
「止まれ。止めさせろ。こっちに来ないようにしろ。」
門番は、ケレメイン公爵家の旗持ちに向かって、まくし立てている。
旗持ちと護衛は、無言だ。
真面目に職務を全うしている。
なんて優秀なんだ。
お手当てを弾みたい。
後で、クロードと一緒に、彼らの労を労おう。
門番は、オレとクロードが門番の声が届く距離に入っていると判断して、クロードに声をかけてきた。
「公爵?迷惑なんで、帰ってくださいよ。仕事を放りだして、新妻に夢中になっているのは、良く分かりましたとも。」
と門番は、渋面を作った。
門番のもう一人は、オレを見て、しっしっ、と手で追い払う仕草をした。
「英雄公爵が、得体のしれない男に首ったけ、という噂はかねがね。
得体の知れない魔性の男は、王城に入れるわけにはいきません。
公爵お一人なら、通しますよ。」
ともう一人の門番。
こいつら!
とオレは、怒鳴りつけたりはしない。
オレは、ツンとお高く済まして、クロードに寄り添う。
そこに、長官がやってきた。
「門を開けろ。」
と長官。
「ミーレ長官!」
と門番。
オレは、CIA長官のポジションだから、長官を長官と呼んできた。
異世界でも、長官と言うんだなー。
長官の名前は、ミーレというんだ。
顔を出している人は、名前も出しているんだな。
愛こんにゃく家の家族に、愛こんにゃく家を会わせてみる予定なんだけど、愛こんにゃく家の家族は、どんな人かな?
愛こんにゃく家の家族が、愛こんにゃく家の受け入れを拒否したら、愛こんにゃく家は、公爵領で受け入れる予定。
「ミーレ長官。お言葉ですが、その得体の知れない魔性の男を遠ざけてからにしてください。」
「ミーレ長官。
こいつは、王城への立ち入りを禁止されています。
王城に入れるわけには行きません。
もし入り込んだら、速やかに対処すると決まっていたではありませんか。」
「そうです。我々は、一丸となって、こいつを排除したのです。
なぜ、わざわざ、入れなくてはならないんですか。」
門番が、暴露してくれている。
オレが、誘拐された日に、門の外に追い出された上に、門で締め出されたのは、オレを締め出すようにと指示が出ていたんだな。
その指示は、まだ撤回されていないんだな?
ミーレ長官は、門番のさえずりを一蹴した。
「不敬だぞ。」
とミーレ長官。
「不敬も何も。尊敬に値しないじゃないですか。」
「自分達が、尊敬するところは、見当たりません。」
門番の言う台詞は、腹ただしいが、門番に怒っても意味がない、とオレは知っている。
門番は、王城の中に蔓延する空気を、的確にとらえているにすぎない。
諸悪の根源を絶たないと。
ミーレ長官は、門番を睨みつけて、声をはる。
「控えろ。こちらの方々をどなたと心得る。」
「誰って、英雄公爵と魔性の男じゃないですか?」
「英雄公爵っ、ぶふっ。」
門番の反応は、軽いもので、悪びれる様子もない。
この国とこの国の支配者が、英雄公爵の印象操作に成功した結果なのか。
クロードが、こんな嘲笑を浴びるいわれはない!
ミーレ長官は、黙れ、と門番を一喝した。
「何なんですか?」
「本当のことですよ?」
と門番。
ミーレ長官は、重々しく、しかし、よく通る声で、話す。
「こちらに、いらっしゃるのは、英雄公爵ご夫妻ではない。」
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「へえ?どういうことですか?」
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「お前達に通達が来ることはない。」
とミーレ長官。
「門番に、通達がこないわけ、ないですよね?何を言っているんですか?」
「秘密裏に決まりました、とか言っても、話が通っている段階で、知らせがないと、自分達も、対処できませんよ。」
反発する門番と困惑する門番。
ミーレ長官は、門番と、門番以外にも、聞き耳を立てている野次馬に告げる。
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