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第7章 オレは、英雄公爵と並んで歩いています。始まりは、一人と一人でしたね。道なき道を切り拓きます。
190.愛こんにゃく家の敷いた赤絨毯の上に立つ白いウェディング衣装のオレとクロード。長官と、愛こんにゃく家とこんにゃくの結婚を協議しました。
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勝負開始。
王城の門の前まで延びた赤い一本線は、即席で敷かれた赤絨毯。
赤絨毯は、愛こんにゃく家が、服のポケットに入れているこんにゃくに、愛を語りかけながら敷いている。
「旦那様と、いつか、赤絨毯の上を歩けたらいいのに。」
と愛こんにゃく家。
こんにゃくは、返事をしているのだろうか?
オレには聞こえない。
「旦那様。今ね、この仕事を引退しようかと考えていて。
どう思う?
いつまでもできる仕事じゃないからね。
旦那様の元に帰れなくなる前に辞めたい。」
と愛こんにゃく家。
「あいつは、引退かー。」
と長官は、遠い目をしている。
暗殺現場に肌見離さずこんにゃくを持ち歩くようになったら、こんにゃくを愛する暗殺者だと、すぐに、身元が特定されるんじゃないだろうか。
愛こんにゃく家に、暗殺業は、向かない、とオレは思う。
愛こんにゃく家の語りは、止まらない。
「この仕事をしていると、大っぴらに結婚し辛いから。
陽の光を浴びて、外を歩ける仕事に変えようと思っている。
長官みたいに、看板になったら、今の仕事のままでも、堂々と結婚できるけれど。
長官になるには、大変だから。」
と愛こんにゃく家。
「あいつ、長官になった暁には、こんにゃくと堂々と結婚する気か。」
と長官。
「愛こんにゃく家の結婚式は、長官が親代りかなー?
長官の方が、若く見えるけど。」
「私の方が十ほど若い。」
と長官。
「長官は、愛こんにゃく家を引退させて、後継育成に邁進するといい。
引退して、転職して、信用を得てからなら、愛こんにゃく家に理解者もできて、愛こんにゃく家とこんにゃくが、陽の光のもと、挙式できる日がくるかもしれない。」
「止めないんですか?」
と長官。
「オレは、祝福されない結婚を経験した。
本人が良くて、周りが祝福できるなら、こんにゃくと結婚式をあげるくらいは、反対しない。
こんにゃくが旦那様だと、事実婚だな。」
「こんにゃくと事実婚、ですか?」
と長官。
「こんにゃくも傷むだろ?
シリアルナンバー入りこんにゃくにしても、日持ちに限界がなー。
本人以外に識別できないこんにゃくとの入籍は、無理だぞ。
こんにゃく旦那を盗った、盗られた、食われた、のトラブルになってみろ?
愛こんにゃく家が、こんにゃく旦那のために、罪を犯すのは避けたい。」
オレと長官は、真面目に、愛こんにゃく家とこんにゃくの結婚について、話し合っている。
赤絨毯の微調整が終了した。
オレとクロードは、優雅に赤絨毯の上に降りたつ。
オレとクロードは、公爵領の結婚式で着た衣装を着てきた。
クロードは、オレの腰に片手を添え、もう片方の手にオレの手を重ねる。
オレとクロードは、顔を合わせる。
やる気は十分。
いざ行かん。
オレと、クロードは、前を向いて、歩き出す。
王城の門の前まで、赤絨毯の上をゆっくり、二人で歩く。
待たせたな、国王陛下。
王城の門の前まで延びた赤い一本線は、即席で敷かれた赤絨毯。
赤絨毯は、愛こんにゃく家が、服のポケットに入れているこんにゃくに、愛を語りかけながら敷いている。
「旦那様と、いつか、赤絨毯の上を歩けたらいいのに。」
と愛こんにゃく家。
こんにゃくは、返事をしているのだろうか?
オレには聞こえない。
「旦那様。今ね、この仕事を引退しようかと考えていて。
どう思う?
いつまでもできる仕事じゃないからね。
旦那様の元に帰れなくなる前に辞めたい。」
と愛こんにゃく家。
「あいつは、引退かー。」
と長官は、遠い目をしている。
暗殺現場に肌見離さずこんにゃくを持ち歩くようになったら、こんにゃくを愛する暗殺者だと、すぐに、身元が特定されるんじゃないだろうか。
愛こんにゃく家に、暗殺業は、向かない、とオレは思う。
愛こんにゃく家の語りは、止まらない。
「この仕事をしていると、大っぴらに結婚し辛いから。
陽の光を浴びて、外を歩ける仕事に変えようと思っている。
長官みたいに、看板になったら、今の仕事のままでも、堂々と結婚できるけれど。
長官になるには、大変だから。」
と愛こんにゃく家。
「あいつ、長官になった暁には、こんにゃくと堂々と結婚する気か。」
と長官。
「愛こんにゃく家の結婚式は、長官が親代りかなー?
長官の方が、若く見えるけど。」
「私の方が十ほど若い。」
と長官。
「長官は、愛こんにゃく家を引退させて、後継育成に邁進するといい。
引退して、転職して、信用を得てからなら、愛こんにゃく家に理解者もできて、愛こんにゃく家とこんにゃくが、陽の光のもと、挙式できる日がくるかもしれない。」
「止めないんですか?」
と長官。
「オレは、祝福されない結婚を経験した。
本人が良くて、周りが祝福できるなら、こんにゃくと結婚式をあげるくらいは、反対しない。
こんにゃくが旦那様だと、事実婚だな。」
「こんにゃくと事実婚、ですか?」
と長官。
「こんにゃくも傷むだろ?
シリアルナンバー入りこんにゃくにしても、日持ちに限界がなー。
本人以外に識別できないこんにゃくとの入籍は、無理だぞ。
こんにゃく旦那を盗った、盗られた、食われた、のトラブルになってみろ?
愛こんにゃく家が、こんにゃく旦那のために、罪を犯すのは避けたい。」
オレと長官は、真面目に、愛こんにゃく家とこんにゃくの結婚について、話し合っている。
赤絨毯の微調整が終了した。
オレとクロードは、優雅に赤絨毯の上に降りたつ。
オレとクロードは、公爵領の結婚式で着た衣装を着てきた。
クロードは、オレの腰に片手を添え、もう片方の手にオレの手を重ねる。
オレとクロードは、顔を合わせる。
やる気は十分。
いざ行かん。
オレと、クロードは、前を向いて、歩き出す。
王城の門の前まで、赤絨毯の上をゆっくり、二人で歩く。
待たせたな、国王陛下。
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