《本編 完結 続編開始》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第7章 オレは、英雄公爵と並んで歩いています。始まりは、一人と一人でしたね。道なき道を切り拓きます。

189.暗雲は、遠くにある方が早く気づきます。一方的に旅の道連れにされた日は、一人と一人でした。今は、大所帯です。

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神子様は、人生に目的が出来たと喜んだ。

神子様は、言った。

「こちらに来る前は、モテるゆえの色々があったんだよ。
こちらでは、一人と仲良くしたいと思っていた。」

これから、これから。

オレ達は、話し合いをした甲斐があった。

オレも神子様も、前向きに進むことができる。


オレと神子様は、二人でオレの提案の詳細を話し合っていた。

オレと神子様が一緒に過ごす時間のカウントダウンは既に始まっていたから、オレと神子様は、時間を無駄にしたくなかった。

オレと神子様は、集中して、ひそひそと話をつめていた。

オレは、オレの提案の成功率を上げることばかりに気を取られていた。

オレは、周りに注意を払うのを疎かにしていた。

安全だな、と安心していたから。

その時は、安全だった。

オレの安心は、別のところに影を落とすことになっていたのだ。

オレは、その時が来るまで気づけなかった。

オレの言動が、誰の何に影響するか。

オレは、自分が安心を得られることに安堵して、何もしなかった。

このときに、オレが自分のことばかりじゃなく、周囲を見て動いていたら。

オレの望んだことの結果は、だいぶ違った形になっただろう。



そうこうしているうちに。

カーナビが、目的地周辺と言いそうな場所にまで、オレ達はやってきた。

目的地周辺で、オレ達は、乗り物を乗り換える。

今までは、目立たない装飾の乗り物だったが、ここからは、ケレメイン公爵家の紋章が目立つ乗り物に分乗して、目的地を目指す。

ゆっくりと。

根っこが千切れたもやし人間の分家のクズとクズ仲間は、乗り物の後ろを徒歩でついてくる。

もやし人間は、狙撃手がマンツーマンでついている。


異世界にいると気づいて、クロードに気球に乗せられたオレは、クロードの旅の道連れにされたと思った。

最初の旅は、王都のケレメイン公爵家の屋敷が終点だった。

今日の目的地は、王都のケレメイン公爵家の屋敷じゃない。


二人で始まった旅は、道連れが増えて、大所帯になった。

クロードは、オレを見つけて、オレを見初めて、オレを諦めなかった。


オレ達は、全員、ここで、乗り物から降りる。

ここは、敵地のど真ん中。

オレとクロードは、ここから、オレ達の目的地、国王陛下のいる王城を目指す。
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