185 / 667
第7章 オレは、英雄公爵と並んで歩いています。始まりは、一人と一人でしたね。道なき道を切り拓きます。
185.愛こんにゃく家、長官、清廉な英雄公爵、医者と司祭、現実を直視した神子様、イレギュラーなオレ。バラエティー豊富にとりそろえています。
しおりを挟む
長官と仲良くお喋りするようになったオレは、王都の情報に詳しくなった。
英雄公爵クロードは、情報収集という発想がなかった。
クロードは、目の前にある情報で満足していた。
オレは、クロードに色々聞くのではなく、クロードと一緒に、誰かの話を聞くようにした。
神子様の、情報は、大幅に制限がかけらていた。
神子様の自立を妨げるためだろう。
長官の話を、オレと一緒に聞いていた神子様。
神子様は、悔しがった。
『ぼくの置かれていた状況は、ぼくが望んだ風景を見せられていただけで、実態はまるで違ったんだ。
ぼくは、全く気づかず、意気揚々とかごの鳥でいたんだよ。』
クロードの友人その四、医者と、その三、司祭の情報は、役に立った。
医者は、あちこちに出入りしていたので、噂話から、ネタの裏側をよく知っていた。
司祭は、王侯貴族について詳しかった。
クロードが、司祭に情報提供をお願いして、公爵家の権威で、医者を引き立てていたら、司祭と医者は、最初から、クロード側についていたのかな、とオレは思った。
クロードは、クロード自身の清廉さから、平民の医者は、平民のままでも問題なく友人だと、医者に公爵家からの恩恵を与えなかった。
司祭は、クロードの友人として、医者が堂々と振る舞えるように、と、クロードを促したが、クロードは、地位など関係なく、医者は友人だと断っていた。
クロードは、自身の感覚で、クロードの友人の医者に地位は必要だと思わなかった。
地位も名誉もなくても、医者は、友人だから、と、にべもない断り方をした。
クロードは、医者が友人だから、地位や名誉で判断しない。
しかし、クロード以外は、クロードの友人の医者のことを地位や名誉で判断する。
クロードは、友人の医者が王侯貴族の中にいても、肩身の狭い思いをしないようにする、という頭はなかった。
クロードの中で、クロードと医者の関係は、いつも一対一。
他人の思惑なんて、クロードは知らない、気にもしない。
クロードは、ケレメイン公爵。
生まれたときから、気にされる側にいるから。
だから。
医者の気持ちも、第三者の思惑にも気づかなかった。
オレ一緒に話をきいていたクロードは、そうだったのか、と発見していた。
「水清ければ魚棲まず。」
とオレが言うと、クロードは、あれこれと思い出を掘り起こしては、医者と司祭に尋ねていた。
医者と司祭は、クロードの持ち味である清廉さを否定しないために、距離をとった部分もあったのだといいなー。
期待はしていない。
面倒だから、とか、嫌気がさしたから、とかではなく、クロードと距離をとることで、関係を続けようとしていたならなー。
実際は、国王陛下が大っぴらに拒否していない公爵家と仲違いするわけにはいかない、という、ぎりぎり王族の事情があるんだろうけど。
長官は、妻子持ちだった。
妻子の前で、生き恥をさらす人生は避けたかったらしい。
長官は、その地位の高さゆえに、特殊性癖がオープンになった日には、妻子に拒絶されるだけにとどまらず、社会的に死亡するだろうな。
行く宛をなくして、肉体も早々に死亡するだろう。
愛こんにゃく家に生まれ変わった暗殺者は、公爵家に隔離されているから、騒がれないだけだ。
愛こんにゃく家と暗殺者。
どっちなら、世に解き放っていいのかなー。
分家のクズと、クズ仲間は、逃げたりしないように、公爵領にいた狙撃手がマンツーマンで対応している。
公爵領にいた狙撃手は、長官の指示の元、ケレメイン公爵家のために働いている。
元々、長官と狙撃手には上下関係があったんだろう。
最初から、スムーズな意思疎通が出来ていた。
公爵領内にいた狙撃手に、長官は話をし、全員、無抵抗で、ケレメイン公爵家へ投降させた。
さすが長官、見事な手際だった。
都に攻め上るケレメイン公爵家の中には、長官はもちろん、愛こんにゃく家の暗殺者もいる。
バラエティー豊富に取り揃えている。
英雄公爵クロードは、情報収集という発想がなかった。
クロードは、目の前にある情報で満足していた。
オレは、クロードに色々聞くのではなく、クロードと一緒に、誰かの話を聞くようにした。
神子様の、情報は、大幅に制限がかけらていた。
神子様の自立を妨げるためだろう。
長官の話を、オレと一緒に聞いていた神子様。
神子様は、悔しがった。
『ぼくの置かれていた状況は、ぼくが望んだ風景を見せられていただけで、実態はまるで違ったんだ。
ぼくは、全く気づかず、意気揚々とかごの鳥でいたんだよ。』
クロードの友人その四、医者と、その三、司祭の情報は、役に立った。
医者は、あちこちに出入りしていたので、噂話から、ネタの裏側をよく知っていた。
司祭は、王侯貴族について詳しかった。
クロードが、司祭に情報提供をお願いして、公爵家の権威で、医者を引き立てていたら、司祭と医者は、最初から、クロード側についていたのかな、とオレは思った。
クロードは、クロード自身の清廉さから、平民の医者は、平民のままでも問題なく友人だと、医者に公爵家からの恩恵を与えなかった。
司祭は、クロードの友人として、医者が堂々と振る舞えるように、と、クロードを促したが、クロードは、地位など関係なく、医者は友人だと断っていた。
クロードは、自身の感覚で、クロードの友人の医者に地位は必要だと思わなかった。
地位も名誉もなくても、医者は、友人だから、と、にべもない断り方をした。
クロードは、医者が友人だから、地位や名誉で判断しない。
しかし、クロード以外は、クロードの友人の医者のことを地位や名誉で判断する。
クロードは、友人の医者が王侯貴族の中にいても、肩身の狭い思いをしないようにする、という頭はなかった。
クロードの中で、クロードと医者の関係は、いつも一対一。
他人の思惑なんて、クロードは知らない、気にもしない。
クロードは、ケレメイン公爵。
生まれたときから、気にされる側にいるから。
だから。
医者の気持ちも、第三者の思惑にも気づかなかった。
オレ一緒に話をきいていたクロードは、そうだったのか、と発見していた。
「水清ければ魚棲まず。」
とオレが言うと、クロードは、あれこれと思い出を掘り起こしては、医者と司祭に尋ねていた。
医者と司祭は、クロードの持ち味である清廉さを否定しないために、距離をとった部分もあったのだといいなー。
期待はしていない。
面倒だから、とか、嫌気がさしたから、とかではなく、クロードと距離をとることで、関係を続けようとしていたならなー。
実際は、国王陛下が大っぴらに拒否していない公爵家と仲違いするわけにはいかない、という、ぎりぎり王族の事情があるんだろうけど。
長官は、妻子持ちだった。
妻子の前で、生き恥をさらす人生は避けたかったらしい。
長官は、その地位の高さゆえに、特殊性癖がオープンになった日には、妻子に拒絶されるだけにとどまらず、社会的に死亡するだろうな。
行く宛をなくして、肉体も早々に死亡するだろう。
愛こんにゃく家に生まれ変わった暗殺者は、公爵家に隔離されているから、騒がれないだけだ。
愛こんにゃく家と暗殺者。
どっちなら、世に解き放っていいのかなー。
分家のクズと、クズ仲間は、逃げたりしないように、公爵領にいた狙撃手がマンツーマンで対応している。
公爵領にいた狙撃手は、長官の指示の元、ケレメイン公爵家のために働いている。
元々、長官と狙撃手には上下関係があったんだろう。
最初から、スムーズな意思疎通が出来ていた。
公爵領内にいた狙撃手に、長官は話をし、全員、無抵抗で、ケレメイン公爵家へ投降させた。
さすが長官、見事な手際だった。
都に攻め上るケレメイン公爵家の中には、長官はもちろん、愛こんにゃく家の暗殺者もいる。
バラエティー豊富に取り揃えている。
40
お気に入りに追加
1,680
あなたにおすすめの小説

どうしてこうなった?(ショートから短編枠にしたもの)
エウラ
BL
3歳で魔物に襲われて両親を亡くし、孤児院育ちの黒髪黒目で童顔のノヴァは前世の記憶持ちの異世界転生者だ。現在27歳のCランク冒険者。
魔物に襲われたときに前世の記憶が甦ったが、本人は特にチートもなく平々凡々に過ごしていた。そんなある日、年下22歳の若きSランク冒険者のアビスと一線を越える出来事があり、そこで自分でも知らなかった今世の過去を知ることになり、事態は色々動き出す。
若干ストーカー気味なわんこ系年下冒険者に溺愛される自己評価の低い無自覚美人の話。
*以前ショート専用の枠で書いてましたが話数増えて収拾がつかなくなったので短編枠を作って移動しました。
お手数おかけしますがよろしくお願いいたします。
なお、プロローグ以降、途中まではショートの投稿分をまるっと載せるのでそちらと重複します。ご注意下さい。出来次第投稿する予定です。
こちらはR18には*印付けます。(でも忘れたらすみません)

どうも、卵から生まれた魔人です。
べす
BL
卵から生まれる瞬間、人間に召喚されてしまった魔人のレヴィウス。
太った小鳥にしか見えないせいで用無しと始末されそうになった所を、優しげな神官に救われるのだが…

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

実はαだった俺、逃げることにした。
るるらら
BL
俺はアルディウス。とある貴族の生まれだが今は冒険者として悠々自適に暮らす26歳!
実は俺には秘密があって、前世の記憶があるんだ。日本という島国で暮らす一般人(サラリーマン)だったよな。事故で死んでしまったけど、今は転生して自由気ままに生きている。
一人で生きるようになって数十年。過去の人間達とはすっかり縁も切れてこのまま独身を貫いて生きていくんだろうなと思っていた矢先、事件が起きたんだ!
前世持ち特級Sランク冒険者(α)とヤンデレストーカー化した幼馴染(α→Ω)の追いかけっ子ラブ?ストーリー。
!注意!
初のオメガバース作品。
ゆるゆる設定です。運命の番はおとぎ話のようなもので主人公が暮らす時代には存在しないとされています。
バースが突然変異した設定ですので、無理だと思われたらスッとページを閉じましょう。
!ごめんなさい!
幼馴染だった王子様の嘆き3 の前に
復活した俺に不穏な影1 を更新してしまいました!申し訳ありません。新たに更新しましたので確認してみてください!

君なんか求めてない。
ビーバー父さん
BL
異世界ものです。
異世界に召喚されて見知らぬ獣人の国にいた、佐野山来夏。
何かチートがありそうで無かった来夏の前に、本当の召喚者が現われた。
ユア・シノハラはまだ高校生の男の子だった。
人が救世主として召喚したユアと、精霊たちが召喚したライカの物語。

王子様から逃げられない!
白兪
BL
目を覚ますとBLゲームの主人公になっていた恭弥。この世界が受け入れられず、何とかして元の世界に戻りたいと考えるようになる。ゲームをクリアすれば元の世界に戻れるのでは…?そう思い立つが、思わぬ障壁が立ち塞がる。

αからΩになった俺が幸せを掴むまで
なの
BL
柴田海、本名大嶋海里、21歳、今はオメガ、職業……オメガの出張風俗店勤務。
10年前、父が亡くなって新しいお義父さんと義兄貴ができた。
義兄貴は俺に優しくて、俺は大好きだった。
アルファと言われていた俺だったがある日熱を出してしまった。
義兄貴に看病されるうちにヒートのような症状が…
義兄貴と一線を超えてしまって逃げ出した。そんな海里は生きていくためにオメガの出張風俗店で働くようになった。
そんな海里が本当の幸せを掴むまで…
──だから、なんでそうなんだっ!
涼暮つき
BL
「面倒くさいから認めちゃえば?」
「アホか」
俺は普通に生きていきたいんだよ。
おまえみたいなやつは大嫌いだ。
でも、本当は羨ましいと思ったんだ。
ありのままの自分で生きてるおまえを──。
身近にありそうな日常系メンズラブ。
*以前外部URLで公開していたものを
掲載し直しました。
※表紙は雨月リンさんに描いていただきました。
作者さまからお預かりしている大切な作品です。
画像の無断転載など固く禁じます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる