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第6章 異世界で公爵の伴侶やってます。溺愛とは、何でしょうか。

175.公爵の友人その三、司祭に聞きます。『国王陛下と英雄と神子様は、歴史上、どんな関係性を築いていたのでしょうか?』

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「なんとも言えない。今までに例がない。」
と司祭。

「この国に限らず、内乱や、内戦は、あったよな?」

「内乱も、内戦も、最終的に、国王陛下がいる方が勝つ。」
と司祭。

「女神様の贔屓?」

「国王陛下は、女神様直伝の魔法が使える。」
と司祭。

「国王陛下は、魔法が使えるから、勝つのか。
歴史上、英雄と国王陛下が同時に存在した時代もあるよな?
過去の、両者は、共存したのか?」

「歴史上。
英雄と神子様が結ばれた場合、国王陛下の治世は終わる確率が上がる。」
と司祭。

「王が交代するのかな?」

「内乱や、内戦になる。」

「英雄が子孫を残さない可能性は?」

「クロードより前の英雄は、全て異性の神子様と魔王を討伐してきた。今代の神子様が、同性のクロードを選ぶとは、誰も予想出来なかった。」
と司祭。

「女神様も?」

「女神様の御心は分からない。」
と司祭。

「今回は、史上初尽くしなのかな。同性の神子様と英雄。
英雄が、神子様を選ばない場合も、ないわけじゃないよな?」

「英雄が、神子様を選んだときも、神子様も含めて誰も選ばないときも、英雄と神子様は、結婚する。

英雄と神子様が結婚すると、国は豊かになる。

英雄が、神子様以外を選ぶ場合、英雄の選んだ相手と神子様はいなくなり、魔王が出現する。」

「それは、王家か、国王陛下の知識かな?
女神様信仰の教えというよりも、政治と現実に則しているよな。」

司祭は、また、笑って、否定しなかった。

「信仰として語れるような、女神様の教えは、ほとんどない。
魔王が現れたら、神子様を喚んでくれるという話くらい。」

女神様の存在は、随分と曖昧模糊なんだなー。

実体があるのに。

信仰?

ふーん。


クロードの友人その四、医者よりも、友人その三、司祭が決断した理由は、イレギュラーが重なったが故の、下剋上で、ケレメイン公爵が優位に立つと高確率で予想して動いたんだな。

国王陛下とそれなりに親交はあったことを否定しないわりに、国王陛下サイドからゆうゆうと離脱したのは、クロードの友人その四、医者と同タイプで、友情やしがらみよりも、恋人と顔を上げて並べる将来が大事だからだなー。

この二人は、二人で一つ。

クロードの友人その四、医者と、クロードの友人その三、司祭には、クロードの友人という繋がりは、重要じゃない。

この二人、二人の望みが叶わないと、寝返るなー。

意思決定権は、友人その三、司祭が握っている。

柔和に見せているけれど、牙を隠して、爪を研いできたな。
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